新装版 「レ・ミゼラブル」百六景 (文春文庫) (文春文庫 か 15-7)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 66
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  • Amazon.co.jp ・本 (497ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167590062

感想・レビュー・書評

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  • 実はこれの単行本を持っているのですが・・・
    文庫化したら、
    価格が安くなり、挿絵が増え、解説も増えた!
    何ですか~!?
    ともあれ、今回の「レ・ミゼラブル」の映画化で、
    とても役に立ちました(*^_^*)
    挿絵の場面が多数出てきて楽しめました♪

  • 「レ・ミゼラブル」を観劇するにあたり友人から薦められて読了。
    時代背景が説明されていたり挿絵があったりでとても理解しやすく、観劇前の予習にはちょうどよいと感じた。

  • 何故、レミゼか?をまとめてみた。別途

  • 160217読了。
    これは、ほんとうにスゴい本。ちゃんと買って読んでよかった。
    まえがきで筆者のいう結びがすてきなので抜粋すると
    「いずれにしても、これは、正統的な文学研究でもないし、かといって正統的な歴史研究でもない。強いていえば、細部を楽しみながら小説を読むのが好きな者が、フランス文学でも最も細部の豊かな小説である『レ・ミゼラブル』を読んだ報告書、こう考えていただければ幸いである。」
    あとになって、この筆者の言葉に妙に納得したのは、”細部が豊か”だったゆえに、この小説は難解だったということ。百六景の中にいつくも、本編とはほとんど関係のない(?)描写と挿絵が出てくる。しかし、本作ではその脱線部分こそに当時の世相を色濃く反映された事柄を読み解くことができる。そこが面白い。
    多くの挿絵画家たちの、忠実で美しい、そして細やかな単色の挿絵にも心惹かれた。
    そして、難解すぎて読み落としていた『レ・ミゼ』本編の内容で、本作において気が付いたこと、また本作の解説によって生まれた新たな発見が幾つもある。
    例えば
    ・なぜファンチーヌがシングルマザーだったか
    ・バリケードで死んだガヴロッシュはエポニーヌの弟だった
    ・コゼットの夫マリユスの父は男爵で、戦中にコゼットを養育(?)していた宿屋の主人テナルディエに助けられていた
    ・ジャヴェールがバリケードでジャン・ヴァルジャンに逃がされた際、呼び名(人称)を敬称にしていた
    などなど…映画やミュージカルで実が付かないところでふと立ち止まれる良い機会だった。
    さらに、ミリエル司教には実在のモデルがいたとか、マリユスは青年期のユゴー自身であるとか、マリユスとコゼットの婚姻日はユゴーと愛人のゆかりの日である等、様々なエピソードを余すところなく教えてくれていて、なにしろ、面白い。
    原作を読み返したくはなるが、この『百六景』に助けを求めながらということになりそうだ。

  • 私はレ・ミゼラブルの原作は読んでいなくて、映画やミュージカルなら知っていると言う程度ですが、この本は楽しめました。その時代の歴史的背景や考え方を解説しているためにレ・ミゼラブルをさらに楽しむことが出来ます。映画やミュージカルではカットされた部分のシーン解説があるのもうれしい。この夏に再度、舞台を観る予定ですが、いい予習となりました。

  • レ・ミゼラブルで描かれているフランスの状況が分かりやすく解説されている。文庫には採用されていなかった挿絵も多くあり、興味深い。
    (2015.5)

  • 1879年に出版されたユーグ版『レ・ミゼラブル』から取った230枚のイラストとともに、『レ・ミゼラブル』のストーリーを紹介しています。

    『レ・ミゼラブル』は、主人公ジャン・ヴァルジャンに体現される理想主義的な人類愛の物語であるとともに、貧困と無知が生み出す社会の悲惨を告発する社会小説でもあったという観点から、イラストと文章の両面から、当時のフランス社会の実情と、それに対する作者ユゴーの考えに焦点を当てています。

    とにかく多くのイラストが収められているのが魅力ですが、著者の文章もテンポがよく、ストーリーのおもしろさを的確に伝えてくれているように思います。

  • 文庫にしては分厚かったけど
    挿絵も多いのでサクサク読めます。

    ユゴーのレミゼラブルの副読本。
    仏文学に多少理解があった方が楽しめるとは思いますが
    ミュージカル映画しか見たことなかったけど十分楽しめました。

    あれやこれやの裏話。
    フランスの歴史の話。
    そうかユゴーってそんなすごい(色んな意味で)人だったんだ。笑

    ちょっと原作とか他のユゴー作品も漁ってみたくなりました。

  • レ・ミゼラブルの挿絵から106の場面を選び出し、物語の筋書きとともに当時の社会について解説を加えた本。

    筆者は前書きにおいて、レ・ミゼラブルの時代における社会的背景を説明することが本書の目的であるというようなことを述べており、
    その観点においてはもちろん学ぶところが多いのだが、
    レ・ミゼラブルのあらすじを理解する上でも非常に有用である。
    むしろ、レ・ミゼラブルを映画やミュージカルでしか知らないという人には後者の役割が果たすところが大きいだろう。
    ユゴーが登場人物一人一人にこめた詳細な人物設定を読めば、「レミゼ」観が変わるのではないかと思う。

  • 映画、ミュージカルで「レ・ミゼラブル」にハマったら、その次はぜひ原作を。
    原作の持つ背景を勉強したら、より面白くなると思います。

    ですが大作「レ・ミゼラブル」を全編読むのはなかなか難しいです。そこで、原作に入る前の入門書としてこの1冊が最高です。
    むしろ入門書ではなく、この1冊で原作のエッセンスは取り込めてしまうでしょう。

    原作を知るとなぜ映画、ミュージカルが面白くなるか。
    例えばエポニーヌとガブローシュが姉弟だと知ったら、雨のシーンで学生の中にいるガブローシュのアップにも深みが出ます。もしミュージカルでこの場面に差し掛かったら、ぜひガブローシュガブローシュの顔を追ってください。
    今まで以上に胸に迫る名シーンになることでしょう。

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著者プロフィール

1949(昭和24)年、横浜に生まれる。東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。2008年より明治大学国際日本学部教授。20年、退任。専門は、19世紀フランスの社会生活と文学。1991年『馬車が買いたい!』でサントリー学芸賞、96年『子供より古書が大事と思いたい』で講談社エッセイ賞、99年『愛書狂』でゲスナー賞、2000年『職業別パリ風俗』で読売文学賞、04年『成功する読書日記』で毎日書評賞を受賞。膨大な古書コレクションを有し、東京都港区に書斎スタジオ「NOEMA images STUDIO」を開設。書評アーカイブWEBサイト「All REVIEWS」を主宰。22年、神保町に共同書店「PASSAGE」を開店した。

「2022年 『神田神保町書肆街考』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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