センセイの鞄 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167631031

感想・レビュー・書評

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  • 私とセンセイのゆっくりとした時間が心地いい。
    2人の距離が少しずつ縮まっていくのも微笑ましくなる。
    設定はさほど特別というわけでもないのに、どこか現実感のないまま進んでいくのが川上作品ぽさがある。

  • キノコ汁おいしそう。

    一字一句、味わうように読む。
    おいしそうなつまみと、お酒と、季節ごとの食べ物が出てきて、居酒屋でしっぽりとしたくなる。
    気の置けない相手と言葉を交わしながらこんな静かで心地よい夜を過ごしたいなあ。

  • 大好きな今野さんの去就を読んで、解説を読んだことで興味を持って書店で手に取った本。
    普段なかなか手を出さない系統のお話だけど、しっとりしみじみと読み進められた。
    ツキコさんとセンセイの距離感がとても良い。
    たまにところどころだけ読み返すのも良いかもしるない。

  • 30代後半の女性とその高校時代の恩師との、付かず離れずのゆったりとした恋愛を描いた作品。
    谷崎潤一郎賞受賞。

    父娘ほど年の離れた男女の恋というと、ともすると不健康な生臭さがつきまといがちだが、近所の居酒屋で酌み交わす二人の姿は、何とも微笑ましい。若い男女のように一途に突っ走る訳でもなく、かといって達観し過ぎているわけでもない。うぶな恋心を織り混ぜても不自然にはならず、酒好きの二人の会話も愉快で、すべてにおいてさじ加減が絶妙だ。

    常に漂うふわりとした浮遊感が心地よく、終盤で一気にぶつかり合う激情で盛り上がり、切なく最後を締めくくる。
    大人のための一冊と言えるだろう。

  • 胸がキューンと締めつけられる、切ない恋愛物語。しかも年の差。
    綺麗な読後感。けっこう知人に薦めてる。

  • 主人公大町ツキコと、彼女が当時高校生だった頃の国語の”センセイ”の関係を綴った物語。30歳以上も歳が離れている2人の恋愛話は、他の小説にはない、ひっそりと静かに語られる感じ。大きなハプニングもなし、若者の恋愛と違い、特にドラマチックな展開や、ドロドロした勃発などもない。ただただ、2人の掛け合いがあっさりしていて、爽やか。でも、どこか高校生のような、初々しいやり取りも見れて、ほっこりしてしまう。お互いに依存もせず、干渉せず、だからと言って愛がないわけではない。むしろこれが真の愛情なのだと思う。

  • 恋愛小説なのだ
    飲み友達⇒好きな人へ
    40女と30歳離れた男とが、恋をする物語
    お互い 気合いながらも一緒にならないのは なぜ?世間体なのだろうか

    「こおろぎ」 が せつない

  • ツキコとセンセイとの間に流れる曖昧な時間、移り変わる旬の酒肴の数々。はかないが確たる生の営みが滋味深く綴られている。
    私見だが、センセイの振舞いには手練のずるさを感じてしまい、感情移入できなかった。

  • 最初はなんの話かわからんように進むけど、結局はアラフォー女性と高校の時の国語の先生のじいさんとの恋の話。
    いきつもどりつの本屋本屋した話で好き嫌いのわかれそうな文章。
    自分的には好きな文章だったので著者の他の作品も読んでみようかなと思った。こういう微妙な心理の機微を描いた作品は好きかも

  • 恋愛関係なんだけど、距離感がいいというのかな、ちょっと植物とまでいかなくて、虫がたわむれてるみたいな。最後のほうになってきて、ああ、もう終わっちゃうなとさびしくて惜しい気持ちになった本は本当に久しぶりでした。

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著者プロフィール

作家。
1958年東京生まれ。1994年「神様」で第1回パスカル短編文学新人賞を受賞しデビュー。この文学賞に応募したパソコン通信仲間に誘われ俳句をつくり始める。句集に『機嫌のいい犬』。小説「蛇を踏む」(芥川賞)『神様』(紫式部文学賞、Bunkamuraドゥマゴ文学賞)『溺レる』(伊藤整文学賞、女流文学賞)『センセイの鞄』(谷崎潤一郎賞)『真鶴』(芸術選奨文部科学大臣賞)『水声』(読売文学賞)『大きな鳥にさらわれないよう』(泉鏡花賞)などのほか著書多数。2019年紫綬褒章を受章。

「2020年 『わたしの好きな季語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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