- Amazon.co.jp ・本 (365ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167646073
感想・レビュー・書評
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新選組のことは、新選組側からしか知りませんでした。
芹澤さんって、こういう見方もできるんだと感じた本です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
芹沢鴨が暗殺されるあの事件を島原大夫や前川家、八木家の女房、芹沢鴨と一緒に命を落とした梅といった女たちの視点で書かれている。
糸里天神と土方の別れのシーンは切ない。 -
読み物として面白かったですよ
女の視点、男の視点、それから当時の身分差から来る視点が重層的に描かれていて
それと、時代の変わり目によくあるダイナミズムの裏腹で漂う閉塞感に苛まれる無力な庶民が必死に生きて人生を意味あるものにしていこうとする力強さもしっかりと描き切られています
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「壬生義士伝」に続き、新選組の“闇"=芹沢鴨暗殺事件の謎に迫る!文久三年八月。「みぶろ」と呼ばれる壬生浪士組は、近藤勇ら試衛館派と、芹沢鴨の水戸派の対立を深めていた。土方歳三を慕う島原の芸妓・糸里は、姉のような存在である輪違屋の音羽太夫を芹沢に殺され、浪士たちの内部抗争に巻き込まれていく。芹沢の愛人お梅、平山五郎の恋人吉栄、新選組の屯所、八木・前川両家の女房たちは、それぞれの立場から、新選組内部で深まる対立と陰謀を感じ取っていた。愛する土方のため、芹沢暗殺の企みに載った糸里の、最後の決意とは?息をのむクライマックスと感動のラスト。島原の芸妓・糸里は土方歳三に密かに思いを寄せていた。 二人の仲を裂こうとする芹沢鴨には、近藤派の粛清の白刃が迫りつつあった…… -
新選組隊士たちの姿を彼らに近い女性たちの視点を中心に語らせながら(特に壬生の八木家のおまさ、前川家のお勝が多い)芹沢鴨暗殺の騒動を描く。
上巻で隊士のルーツや背景などを永倉に語らせているのだが、新選組初心者がいちいち躓き調べながら読んだのでめちゃくちゃ時間がかかってしまい。しかも史実と比べたりしてしまったのでとてもドラマティックなのにのめり込むようには読めなかったのが残念。
八木家のおまさがけっこう好きなキャラクターだった。糸里をタイトルにしている割には出番が少ないような…芹沢はどうにかならんのか(良い方に)?ばかり考えながら読んでいた。
シラフ時は侍然としているが酒が入れば乱暴者の姿。人斬りに躊躇わずも子どもに好かれるようなところがあったり。ほんまはええ人なんちゃうん?と思いきや史実を辿るとまぁまぁな狼藉を働いていたり女遊びは当たり前だったり、なんだか捉えきれなくてモヤモヤ。一人の人間の中には整合性が取れない両極をはらんでいるものだなぁと。
武士の世の終わり、京都守護職と新選組の関係、尊皇攘夷…新選組とはなんだったのか、と考えずにいられなくなる。
幕末から維新はとっても複雑だ。
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物語の縦糸に新撰組があり、話はそれに横から幾重にも幾条にも絡まる女性たちと共に流れていく。 女性は心底惚れた男のためなら、あんなにも強くなれるものなのだろうか・・・。 浅田さんは、「女というのは、剣を持たずに斬り合いができるらしい。」と結んだ。 親の愛を知らずに島原で育った女の、剣にも勝る強さを描く浅田さんの筆にまたホロリとさせられた。 これも再読本の棚に入れる。
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浅田次郎の新選組モノの女性目線版。
いやはや面白かった。一気に読んでしまいました。
物語としては文久三年の夏から芹沢鴨が暗殺される9月16日までの短い間の新選組とその周囲の女性達の物語。
一部沖田総司を語り部とする部分はあるが九割方は女性目線のお話。
この物語の面白いところは、史実上は我侭、酒乱、癇癪持ちの芹沢鴨を実に人間味豊かな本物の武士として描いている。
その反面、近藤勇は少し頼りなく、土方歳三は頭の切れる冷血漢として描かれています。
ペンの力の凄さを感じるこの作品は、題材が史実なだけに「大和屋の焼き討ち」「禁門の政変」最後のクライマックス「芹沢鴨暗殺」等の出来事は実際に起こったことですが、その史実に浅田次郎の推察(創作を含)で面白く味付けしてあり、史実を冷静に捉えないでこの小説だけ読むとまるで事実かと思ってしまう人が出るのでは?
もちろん浅田流の泣かせる部分もしっかりありました。
浅田次郎恐るべし! -
沖田視点の章が良い
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よっ!浅田の。
よっ!糸里
中島みゆきの「糸」の原作はもしかして・・・・・・? -
しんどかった
それぞれの女性の強さに震えた
最後の景色がすごく綺麗で泣きそうになった
幸せになってほしい -
新撰組土方歳三に愛された島原の大夫、糸里が悲しくて、強く女の道を生きていく物語。途中少し進まない部分があったが、一人称になると勢いがあった。