増補新訂版 アンネの日記 (文春文庫) (文春文庫 フ 1-4)

  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (597ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167651336

感想・レビュー・書評

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  • アンネの日記を国語の教材として用い、1年かけて精読する中学校があると知り、私も読み始めました。13歳から15歳のアンネが書いた日記ですが、彼女の成長していく様子が読み取れて感服します。自分の思春期と比べるとアンネが物凄く大人に思えますが、共感する部分もあります。より多くの中学校でアンネの日記を扱って欲しいです。それほどに良かったです。

  • おそらく世界で1番有名な個人のかつ、一般の人の日記。
    14歳前後の多感な時期の悶々とした気持ちが真っ直ぐに描かれている。
    壮絶な最後は当たり前だが描かれておらず、このような罪のない人と巻き込まれた時代だったことがよりよくわかる。
    アウシュビッツを訪れたり、アムステルダムを訪れたりした中でようやく読み終えることが出来た。

  • 今まで、アンネの日記に対して、手が出しにくいところがありました。食わず嫌いならぬ読まず嫌いです。

    だけど、呼んでみたら人の悪口ばっかりで、日記らしさがすごかったです。人の悪口ばっかりで人名もたくさん出てきますので、あんまり内容は覚えてないんですけど(覚えてないんかい)、あ、アンネもちゃんと年相応の子供やんって思いました。これどういうふうに終わんの?って思っていたら、まあ小説じゃないんでそりゃそうだけど、唐突な終わり。しかも、最後から二回目の日記に、戦争の状況が好転したっていうことが記されて、すごい嬉しそうに綴ってあったのがますます悲しいです。

    今年わたしも小学校卒業してとてもワクワクしてますけど、そんな気分の時に絶望のどん底に落とされたアンネの気持ちが、よくわかる気がします。とにかく、同じことが起こらないように。今起きてるウクライナ侵攻やガザ地区でのことも、はやく終わってほしいです……。

  • 第二次世界大戦中に隠居生活を余儀なくされたユダヤ人少女による日記。行動が制限される中でも、気丈に生きた少女の「夢」や「悩み」が凝縮されている。

  • 物語を読んでるみたいだった
    政治や恋愛、親への批判がリアルだった
    想像できない状況なのに書き続けてすごい

  • 悲劇の日記ではない。アンネ自身は等身大の14歳の女の子。隠れ家だけれどそこでの生活は彼女たちにとったら日常生活。喧嘩も笑いも恋も思春期の葛藤も当たり前にある。もう少しだったのに、希望が見えてきたところだったのに。なぜアンネたちが、ユダヤ人が迫害されなくてはならなかったのか、なんでこんなおかしなことがまかり通っていたのか。ずっと心を占めるのはこのこと。人間が人間に生きることを脅かされるなんて。

  • 【企画展示】姫路大学学生の 読みたい本 読んでほしい本
    姫路大学附属図書館の蔵書を確認する→https://library.koutoku.ac.jp/opac/opac_link/bibid/BB00003899

  • ユダヤ人迫害下における隠れ家生活を、思春期の少女のみずみずしい感性で筆記した日記文学。ユネスコ世界の記憶。

    ホロコーストの悲劇を象徴する一冊として有名なので、大体の概要は知っていたが読むのは初めて。
    13歳の誕生日に父から贈られた日記帳にキティという愛称をつけ、友人として語りかけるように日々の生活をつづっていく。作家志望だったアンネは、最初から出版を意識して、推敲した清書版も書き残していたとのこと。冒頭の学校生活の描写から非常に鋭い人間観察力を発揮しており、13歳の文章にしては天才すぎると驚いた。

    隠れ家という狭い世界の中で、母親への反抗心や恋愛感情など思春期特有の悩み、迫害や戦争への恐怖、人生と世界に対する俯瞰したものの見方などが、みずみずしい筆致で書かれている。10代において誰しも一度は考えるようなことが、卓越した視点と優れた文章で書き綴られていて、自分がティーンズの女性だったらきっと愛読書になっていただろうと思わせる内容だ。本書においてよく言及される「性」に対する描写も、素直で赤裸々な態度で好感がもてた。

    いっぽうで本書はユダヤ人迫害の実情を知る上でのリアルな資料でもある。戦争の本質を鋭く捉えた日記の内容は、その後の本人の結末も含めて、今日の私たちに深い感動と決意を呼び起こす。悲惨の記憶として、また思春期の文学として、永遠に読みつがれるべき一書。


    P86 とにかく、これでひとつ勉強しました。ほんとうに他人の人柄がわかるのは、そのひとと大喧嘩したときだということです。そのときこそ、そしてそのときはじめて、そのひとの真の人格が判断できるんです!

    P487 戦争の責任は、偉い人たちや政治家、資本家にだけあるのではありません。そうですとも、責任は名もない一般の人たちにもあるのです。

    P365 わたしは、どんな不幸のなかにも、つねに美しいものが残っているということを発見しました。それを探す気になりさえすれば、それだけ多くの美しいもの、多くの幸福が見つかり、ひとは心の調和をとりもどすでしょう。そして幸福なひとはだれでも、ほかのひとまで幸福にしてくれます。それだけの勇気と信念とを持つひとは、けっして不幸に押しつぶされたりはしないのです。

  • COTEN RADIOでシンドラー編を聴いて、シンドラーのリストを観賞し、その感想を呟いたところ、相互フォロワーさんから中学生時代にアンネの日記とシンドラーのリストのWパンチを喰らったというお話を伺い、そう言えば有名な作品なのに読んでなかったことを思い出した。

    1942年初夏から1944年の夏までユダヤ人家族の3世帯8名が、ドイツの占領下にあったオランダの隠れ家で過ごしていたその記録と、アンネ・フランクが隠れ家で記した童話が数編。

    キティと名付けられた日記には、隠れ家生活での物理的な息苦しさ、不便さ、また、それだからこそ起こる人間関係の衝突、人々の戦況に対する不安や希望、日々切迫する食糧への焦り、自然への渇望などを背景に、13歳から15歳までの多感な時期に考えるであろうさまざまなことが赤裸々につづられている。
    特に母親との軋轢、父親に対する気持ち、自分自身についての考察は興味深く、また、若い彼女が思い描く未来への期待については、彼女の行く末を知っている読者にとって、何ともやりきれない気持ちでいっぱいになった。

    日記、だもんな。
    どんなノンフィクションよりも(翻訳ではあるが)現実感が濃く、さながらSNSで見知った誰かの日常を垣間見ているような気分になる。

    ところがこの覗き見は、ページを繰るごとに破滅に向かっているのを知っているので、彼女の内的成長を感じたり親近感を覚えれば覚えるほど、精神的に読むのがしんどくなるのだ。

    日記は自身の内省を綴る1944年の8月1日でパタリ止まっているのだが、1人生き残った彼女の父がこれを渡され、読み終えた時の気持ち…
    どれだけ悲しかったか、苦しかったか、切なかっただろうか…、
    想像しても計り知れない。

    日記の後は彼女のその後の運命が語られ、その後に彼女が作った数編の童話が収められているのだが、これも彼女たちの隠れ家生活を読んだだけの者にとってさえ胸に迫る内容だった。

    この日記を出版しようとしたアンネの父の行動自体にも感じたことなのだが、夜と霧を読んだ時とはまた違う感覚で、絶望の中でもがく人の「善性」に思いを馳せる。
    平和な時代、平和な土地で特になんの不自由もなく机上で考える、人間の善性など、どの程度の解像度なのか知れたものではないのだけれど、夜と霧であれ、シンドラーのリストであれ、アンネの日記であれ、混乱の世界情勢を人の善性から読み解こうとする何かしらのフックは自分の中にできたような気がする。

    遅くなったけど、読んで良かった。

  • 第二次世界大戦の本として「夜と霧」を読んだけど、それよりももっと有名な「アンネの日記」を読んでいなかったので、遅くなりましたが初読。

    外国ではありますが、戦時中の市民の生々しい生活状況を学べました。今私が当時の状況を知りたければ、80-90代の方と話さないと知ることはできないので、とても貴重な体験ができたと思います。

    特にアンネはユダヤ人というだけで、迫害を受けていた。ナチスに見つかり、強制収容所に送られないように、13歳から15歳の2年間、オランダの隠れ家で、一歩も家の外には出ることができない生活を送ることに。
    多感な思春期を特殊な近況で暮らすことになったアンネですが、終戦後に人々にこの状況を知ってもらうために書き始めたのが、「アンネの日記」。存在は知っていましたが、どういう経緯で書かれたものなのか全く知りませんでした。

    いつナチスにバレてしまうかもしれない緊張と閉鎖的な環境で生活する中、時には家族とぶつかり、時には家族と笑い合い、時には恋愛をして、時には戦後どのような職業につくのか、そして、どのような母親になるのかを夢みているアンネの全てが詰め込まれていました。

    時代が変わりましたが、人間がしていることは変わりません。今も争いはあちらこちらで起きています。
    アンネと同じ様な境遇で辛い思いをしている方がウクライナやイスラエルにいると思うと辛いです。
    一日でも早く平和が訪れますように。一人でも多くの命が助かりますように。

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