インド・エリートビジネスマンの「日本体験記」 喪失の国、日本 (文春文庫 シ 18-1)
- 文藝春秋 (2004年1月9日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (387ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167651381
感想・レビュー・書評
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インド人の目を通して日本とは何かを学ぶ。ありがちな、ここが変だよ日本、みたいな感じではなく、自分の視野を広げる重要性を教えてくれる。
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とにかく面白かった!仕事人間だった父親に全力で勧めた唯一の本。
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日本とインドを相互に深く理解できる。鋭い考察。
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「インド人ビジネスマンによる日印比較文化論」
所蔵情報
https://keiai-media.opac.jp/opac/Holding_list/search?rgtn=K24557 -
1992年から1年余り日本に滞在したインド人の体験記。先進国日本の優越感を味わいつつ、二国間の文化の違いを笑いながら気軽に読める。
そんな中、ところどころに相当優秀だと思わせる著者の視点や思考が披露され考えさせられることも。
今年読んだ本で、ベスト10入り間違いなし。 -
◆今でこそ少なくないインド人ビジネスマンは、平成バブル崩壊直後にはいかほど居たのだろう。その希少な印人ビジネスマンによる日本滞在・見聞録である。当時の日本の生活模様も見て取れる◆
2004年(底本2001年、雑誌初出1998~2000年)刊。
著者は1992~94年まで日本に滞在した印市場調査会社勤務のビジネスマン。
◆バブル終焉期の日本、しかも東京が殆ど全部を占め、さらには「佐藤氏」という極めて特定の人物の情報に依存(つまりバイアスがかった)した日本滞在記だ。
そういう意味でも、また観察眼におけるインド特有の目線が、宗教面、食事やその作法など極一部を除き特異とは言い難いので、ステレオタイプ日本論の趣き。アジア蔑視の視線と、良くも悪くも性善説的なありように終始する日本人の特徴もまた然り。
ただし、商売をするにあたり、相手の国のことを知らなさ過ぎるのは考えものであることは、日本文化に対する称揚と嫌悪とが著者の中に同居することを考えても、十分伝わってくる内容ではある。タブーを知らず知らずに犯してしまうことが生む生理的嫌悪感こそがその要因だからだ。 -
1992ー93年、ニューデリーの調査会社から派遣されて日本に一年八ヶ月滞在した、エリートインド人のシャルマ氏による日本滞在記。
シャルマ氏の日本滞在時期は、今から25年前だが、日本とインドの習慣や常識、ビジネス慣行の違いについての鋭い洞察は、今でも十分に通用すると思う。
特に、「目的よりも体面や手段の在り方に拘泥し、ややもすると目的を見失う」日本人と、「目的のためにあらゆる手段を講じ、いかなる場合にも目的と手段を混同することがない」インド人が、ビジネスを行うと、「日本人はインド人のやり方を「ずる賢い」とか「卑怯だ」とか「見境がない」と感じ」軋轢を生じさせるであろうと予測ている点は、正鵠をいているんしゃないかなぁ。
「過剰なまでのナルシズム」、「兵士として戦場へ征かず、命を惜しんだという記憶に苛まれた者が起こした自己恢復の行為」とズバリと指摘する三島由紀夫論なんかも切れ味が鋭い。
カースト制度に基づくインド社会では、各カーストの役割が決まっていて、靴も手で揃えず落としたペンも拾わない、という。この不合理さは日本人にはほぼ理解不能。インド社会では、外国人のランクを量るのに肩書きを持ってする(肩書きがないと低いカーストと見なされて軽んじられる)、というのは知らないと大変だ。
シャルマ氏は、日印文化の違いへの洞察に留まらず、近現代文明そのものへの深い思惟に至り、人生を達観して田舎町に隠棲したようだ。
シャルマ氏のような本質を鋭く見抜くインド人が多いとすると、やはりインドという国は奥が深い。世界的大企業のCEOを多数輩出していることも頷ける。 -
3回目の読みが終わりました。5年前、3年前そして2017年9月…
一昨年就職をした長男に読まそうと思います
2017年10月 -
ただのインド紹介本ではない。
インドのエリートビジネスマンが、インド人の視点から日本とのビジネス、文化の違いに関して描かれた本。
文化だけでなくビジネス習慣の違いも知ることができたのが、非常に面白かった。
日本人の謙虚さが、インドでは低位カーストにみられる、というのが衝撃だった。