結婚のアマチュア (文春文庫 タ 9-6)

  • 文藝春秋
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (481ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167661984

作品紹介・あらすじ

結婚30周年を祝うパーティが開かれた晩、「それなりに楽しい結婚生活だったわよね」と振り返るポリーンに、「地獄だった」と夫のマイケルはつぶやく。それはいつもの夫婦喧嘩のはずだったのだが-どこにでもいる夫婦の60年間を、円熟味あふれる筆致で巧みに描く。しみじみおかしくてほろ苦い"身につまされる"小説。

感想・レビュー・書評

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  • 文学

  • 一気に読みました。上手いなぁ。マイケルとポーリーン夫婦の60年に及ぶ悲喜交々を描いた、ほろ苦物語。喧嘩ばかりの夫婦の歴史にも、ふと、美しい時間がきらめいて。最後はホロリとさせられました。雪かきを済ませて帰るマイケルに赤いミトンを振って見送るポーリーン。その姿がバックミラーに映るシーンが、愛おしく、切ない。

  • アメリカの典型的な一夫婦の結婚からの生活を描いた物語。
    結婚をしようと考えるときに読んでおきたい本。

    大きな事件に巻き込まれるとかいった話ではなく、何処にでもあるような夫婦の何処にでもあるような物語が延々と続く、おおよそ60年間分も。

    内容自体が面白いといったものではない。アメリカ文化に馴染みがないのもあって雰囲気がつかめなかったので余計に読むのはしんどかったが、最後まで読むとなんとも言えない不思議な気持ちになった。
    結婚というものは期間があるイベントといったものではなく日常である。それを忘れないようにしたいと強く思った本。

  • 人生って結局のところこういうもんなんだな、と思った。
    原因や結論がすぐにわかるわけない。ただ投げ出さず生きていく、それが人生。
    私、ポーリーン的かも。
    安定を楽しめず、劇場型結婚になってしまう。
    だけどマイケルがすべて善でもない。
    対峙しないのは偽善か。
    やはり相性なのか。
    でもマイケルが晩年思うのはポーリーン。愛はあったのだと信じたい。

  • 現実的なのだけれど、だからこそ、ここにあるような清濁を併せ飲めないと結婚って難しいのかな、なんて感じながら少し物悲しくなったり。前向きになりたいときに読む本というよりは、本当にその人と結婚して良いかを調べる試金石的な本という印象でした。

  • 日本の小説は、愛の成就とか、愛の喪失とか、死者との別れとか、比較的、短い人生の期間に起こった出来事を取り扱った作品が多いが、米作品にはパール=バックの大地のように人々の生涯を描いた作品が割りと多いような気がする。

    本作品は、ごく普通のありふれた男女が出会い、恋に落ち、相思相愛で結婚し、子供をもうけ、仕事も順調、本来であれば全てが上手くいっている筈のカップルが、日々の生活ですれ違い、相手のあらが気になってしょうがない。夫婦喧嘩はいつものことで、お互いに結婚すべき相手ではなかったのではと疑問に思いつつも、いままでの投資した時間を全て失ってしまうという離婚をなかなか決断できない。

    波乱万丈の人生記ではない。主人公が自分であっても不思議ではない、ごくありふれた人々の60年にも及ぶ生活がしみじみと描かれている。ついつい、自分の人生と照らし合わせて読んでしまうところに、この475頁のボリューが読み応えがあるのかもしれない。

    しかし、登場人物は全て平板で、彼らの悩みもありふれているため、「ある人物の一代記を読み終えたぞ」以上の読了感を得ることができなかった。同様のタイプの小説としては、「メモリー・キーパーの娘」の方がはるかに面白く、味わいも深かった。悪くはないが、星5つはちょっと多すぎだ。

  • 結婚30周年を向かえ 「それなりに楽しい日々だったわよね」 というツマに対してこともあろうに 「いや、地獄だった」 とオットが言う、どこにでもいる夫婦の60年間を巧みに描くしみじみおかしくてほろ苦い”身につまされる”小説、、、ふむふむ、面白そう、と買ってみました。劇的な一目ぼれをしたあとすぐに戦争に行き負傷兵として戻って来てお互いを知り合う期間もほとんど過ごさないまま結婚したマイケルとポーリーンの60年間。好みとは、少し違ったものの、それなりに面白かったです。

  • 最強。アン・タイラー最強説が急浮上。たぶんボブ・サップより強いと思う(古い)。・・・ところで、これが面白いと言える人は、人間的に成熟した人なのか、未熟な人なのか、どっちだかね?ま、ちょっとのっぺりしすぎかなと思わないでもないけど、おれのストライクゾーンの広さをアピールするために絶賛しておくよ。ところで、訳文がいいのか悪いのか謎なんだけど、この人アリステア・マクラウドの翻訳者か。どうなのこの日本語?タイトルは巧くないけど、記憶に残る。

  • 以前、小林信彦はアン・タイラーのことをずいぶんほめてたね。

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