- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167667016
作品紹介・あらすじ
「アロエが、切らないで、って言ってるの。」ひとり暮らしだった祖母は死の直前、そう言った。植物の生命と交感しあう優しさの持ち主だった祖母から「私」が受け継いだ力を描く「みどりのゆび」など。日常に慣れることで忘れていた、ささやかだけれど、とても大切な感情-心と体、風景までもがひとつになって癒される13篇を収録。
感想・レビュー・書評
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吉本さんは良い意味で道徳的な話を書かれる
生きていることには本当に意味がたくさんあって、星の数ほど、もうおぼえきれないほどの美しいシーンがわたしの魂を埋め尽くしいるのだがら生きていることに意味をもたせようとするなんてらそんな貧しくてみにくいことはもう一生よそう、詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
タイトルの通り、「はっきりとした根拠はないけどなんとなく体がさまざまなことを感じ取ってしまう体験」を共通テーマとした短編集。
「みどりのゆび」と「田所さん」が特に好き。
よしもとばななさんの文章は美しいなと改めて思いました。筆者本人も体調を崩していた時に書いた作品らしく、年末に数日寝込んだ身としては体を大切に生きようと改めて思いました。 -
五感で気付く瞬間が人生の中にいくつも散りばめられている。
本当にハッとして、ストンと落ちてくる感じ。
「体は全部知っている」
まさに表題通り。
感情移入はしないけど、そのハッとする瞬間の感じが綴られていて、心地いい。
感覚が鈍ってきた時に読みたい一冊。 -
なぜだかすごく好きな本。サラサラ読めるのに、読み終えた最後に何か心に残る。ステキです。
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ちょっとだけ日々に疲れたようなときに読むと元気が出る、お守りみたいな一冊。
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止める事のできない時間は惜しむためではなく、美しい瞬間を次々と手に入れるために流れている。
西日とくろいアゲハが好き。 -
吉本ばななさんの文章はとても好き。読み終わったあと、やわらかい気持ちになって、からだに情景や想いが染み込んでくる感じがする。彼女の文章はわたしが好きな淡い色。
無理に考えなくても、結局は体が一番自分を知ってるんだ、ってことに気付かされた。よく、友達の方が自分を知っているとか聞くし、わたしもそうだと思っていたけど、違うんじゃないか…と。耳を澄ませてみよーっと。
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13のお話からなる短編集。
いちばん好きだったのは「おやじの味」という短編で、私も何度も主人公と同じことで悩んだことがあるので、私だけが悩んでいる訳じゃないのかと救われた気持ちになりました。どれだけ多くの人が同じように安心したのだろうと思いました。
80年代後半「ばなな現象」と呼ばれるブームがあったそうなのですが、若い女性を惹き付けるものは30年経っても変わらないのだなぁと思いました。 -
体は正直で、言葉よりも感じるものがある。
温かくて大切にしたい一冊でした。 -
吉本ばななさんの本に裏切られたことがない……ひとつの文章の読みやすさと程よい軽さのユーモアといったら!授業中にこそこそ読むのにぴったりで、