空中庭園 (文春文庫)

著者 :
  • 文藝春秋
3.28
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本棚登録 : 7054
感想 : 872
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  • Amazon.co.jp ・本 (281ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167672034

感想・レビュー・書評

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  • 好きな作家だけど、本作は読んでいて辛かった。読み手の精神状態によって評価は分かれるんではないだろうか。この作品。
    全体的に乾いている。人間の嫌な部分だけが次々と語られている。
    良かったのは最後の1ページだけだった。

  • 家族の闇を描いたのだろうけど、どの人も嫌なものを胸に抱えていて読んでいてとても暗くなる。誰にも共感できず嫌悪感すら覚え、これなら途中でやめるべきだったとひたすら後悔。かなり最悪だった。

  • 希望の無い物語。築17年のダンチという、どこかに希望があってもおかしくそうな場所で、さらに気力を奪うような日常が降り積もっていく。
    角田さんの作品は、名作『八日目の蝉』しか拝読していなかったため、この無気力な現実だけが淡々としつこく書かれる作品には驚いた。読んでも何の感慨も得られ無い。

    裏の紹介文を読んだら何がしか賞を取られていたので、失礼ながら、賞を取るために書かれたのでは?と感じた。それくらい、何というか構図ばかりが浮き立って、6人の物語それぞれにそれなりの、しかし空虚な不幸が転がっているのを見せつけられる感じが強かった。多作の作家さんなので次に当たる作品に期待。

  • 人物も気持ちもまったくもってリアルとは思えず、、

    母親がコンビニで立ち読みとか、ラブホでおばあちゃんと孫とナプキン買わせる家庭教師の女??そしてそれは父のセフレでもあり、、、B級昼ドラかよ、って感じだった。
    8日目の蟬は深いな〜と思ったがこれは、無理。
    何も心に響かないしなにを伝えたいのか、
    ただの気持ち悪い家族のはなし。

  • それぞれの視点から家族を観ている。すると、色々面倒なことが、自分も含めてわかってくるが、家族という、ひとくくりの絆がまるめてくれている。しかし、何の物語か、ようわからん。

  • こんな高校生いねぇよ。こんな中学生いねぇよ。こんな女いねぇよ。と思いました。両親と祖母だけは実在しそうでしたが・・・。いかんせん「小説」感が強すぎて私はだめでした。

  • 登場人物全員に対して共感できる要素なし。いくらなんでも考え方が極端に寄ってないかい?それとも相性がまったくあわなかっただけか?。

  • いやー、本当、陰鬱。心が荒む。視点が変わるのものの、真相は闇のままだったり、解決してなかったり。なんだかんだ引き込まれてしまったけれど。
    長野まゆみの「団地でくらそう」のイメージが、どちらかといえばこの内容。
    2015.08.06

  • 何事も隠さない・・・と言いながら秘密ばかりの家族。笑っているけどお腹の中では何を思っているのか分かったものじゃない、と溜め息が出ました。家族仲が良いって本当に紙一重なんですよね、もちろんそうじゃないご家庭も多くあるのでしょうけど。それにしてもこの家族は夫が最悪すぎました。計算ずくの妊娠→結婚だったのだろうけど、それでもここまでヘラヘラ出来るものか、と夫の部分を読むと虫唾が走りました。誰もが可哀相、でもこれも本当の家族の形なんだと思います。思う所があって手に取ったので嫌悪も納得も倍増でした。

  • ぼんやり終わってしまったという印象。表の家族と裏の家族。それぞれの登場人物が語る章で明らかになっていく様子が面白いのですが、家族って無理矢理作ろうものなのかなと考えてしまった。
    展開に期待し過ぎてしまったかもしれない。

著者プロフィール

1967年神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部文芸科卒業。90年『幸福な遊戯』で「海燕新人文学賞」を受賞し、デビュー。96年『まどろむ夜のUFO』で、「野間文芸新人賞」、2003年『空中庭園』で「婦人公論文芸賞」、05年『対岸の彼女』で「直木賞」、07年『八日目の蝉』で「中央公論文芸賞」、11年『ツリーハウス』で「伊藤整文学賞」、12年『かなたの子』で「泉鏡花文学賞」、『紙の月』で「柴田錬三郎賞」、14年『私のなかの彼女』で「河合隼雄物語賞」、21年『源氏物語』の完全新訳で「読売文学賞」を受賞する。他の著書に、『月と雷』『坂の途中の家』『銀の夜』『タラント』、エッセイ集『世界は終わりそうにない』『月夜の散歩』等がある。

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