質問する力 (文春文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (228ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167679354

作品紹介・あらすじ

国のいいなりに自分の人生を過ごすのか。それとも自分で理論だてて考え充実した人生を送るのか。盛田昭夫氏など政財界有名人のエピソードを交えながら、85年以降の世界情勢の変化、年金、郵政民営化、日本の教育など諸問題を鋭い視点でとらえ「質問する力」こそが人生やビジネスにとって最大の武器になると説く。

感想・レビュー・書評

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  • 15年前(2005年)に文庫化された本

    問う力(批判的思考)が乏しいことがいかに不利益を生じさせるかを説明し警告する。特に,日米関係,日本政府の景気対策について。

    問う力,議論する力,考える力,表現する力,人間関係を適切に作る力,等 ⇒ ジェネリックスキルと呼ばれる汎用技能(教養)の大切さが改めて分かる

  • 2003年の著書だが、不動産バブルや高齢化社会など現代の課題から、どのように変わっていくべきか、どのようなことが考えられたのか大前さんの考えが述べられている。

    一方で、大前さんの先見性や論理的思考の凄さは感じられるが、そもそも大前さん自身はどのように質問力を身につけていったのか、考えるとは具体的にどんな方向性で何を対象としているのか等、具体的に質問力をつける内容ではなかった。結局本書自体が、質問を掻き立てる構成になっているのか?

  • 大前研一さん、すごいです。
    昔に書かれていたことが、今でも生きているところが、すごいです。

    マイクロソフトのビルゲイツ登場前と登場後の世の中を
    対比して、世界の社会情勢を説明しています。

    勇気を持って、ものごとに「why?」と質問してみること。

    シンガポールが英語を第2外国語として躍進したこと。
    日産が、外国人経営者を呼ぶことで成功した日本人の性格について。

    日本の低金利、原子炉の事故、郵政民営化、高速道路建設。。。
    2003年当時の問題と本質をひとつづ、丁寧にひもといています。

    驚いたのは、年金問題をこの時代に、もう指摘していることです。

    とても面白い本でしたが、この本にでてくるようなデータを客観的に見て、
    「なぜ?」という本質を見抜けるようになるには、ずいぶん先が遠そう。。






    第1章 地価の下落は予想できた

    1993年細川首相の「経済改革研究会」から
    「社会的規制は『自己責任』を原則に最小に」
    とある。政府や会社が、国民や社員をあざむく時代になってしまった。
    なぜか。。。

    第2章 1985年から世界は変わった

    ゴルバチョフ・windows1.0・プラザ合意で世界が変わった。
    ゴル →冷戦構造の崩壊
    プラザ →これまで、1$360円の圧倒的円安ドル高で、日本は
    米国に安くものをつくって発展してきた。
    その後、アメリカの財政赤字を日本が米国債を買う
    ことで日本の収益は、米国に吸い取られた。
    win →共通プラットフォームであるOSの世界標準ができ、
    インターネットで世界が「英語」という共通語で
    シームレスにつながった。結果、世界の秩序や発展の
    段階がインターネットの発展によって急速な競争を
    うながすこととなった。


    第3章 シンガポールの奇跡

    シンガポールは、国策として英語を国の教育として位置づけることで
    国際社会を生き抜く策をとった。
    世界における日本という国のプレゼンスは、1980年代後半でピークを迎えた。
    あとは、ゆっくり下り坂をおりるだけ。これは、人口動態から導かれる必然な結論。


    第4章 質問せよ、さらば開かれん

    日本の国債は、だいじょうぶなのか?
    銀行はつぶれても新規参入がある。
    国債は、未来からの借金である


    第5章 「質問する力」を育てる

    アメリカは、教師の考えに反対することを求められる

    「織田信長は、明智光秀に本能寺で殺された」
    →なぜ光秀は、信長を殺そうと思ったのか?

    マンガとアニメとゲーム、文部科学省が手をださなかった
    ジャンルがことごとく世界に通用している

    今の教育のやり方では、とがった人材は育たない。


    第6章 説明する力

    答えがわかっている学校のテストと違い、
    実社会では、正しい質問をしない限り答えどころか
    「何が問題なのか」さえはっきりしない


    第7章 解答を考える

    個人に企業会計を導入せよ

    欠点の列挙では問題は解決しない
    振興産業を興すための手段は何か考えること

    本を読むと、その読むのに要した時間の3倍、
    できれば、5倍時間をその本を頭の滋養(じよう)
    とするために考える時間をとる

    一連の質問を何時間も考えてみるところからはじめよう

  • いくつか気になった言葉をメモ。

    ・昇給するのは、1985年以前の話
    ・日本は工業化は優れていたが、情報化は劣っている
    ・日本人は株を持っていないので、株価が下がっても困らない
    ・銀行は利子を払うことが仕事
    ・国のリスクと郵貯のリスクは同じ。郵貯は国債をたくさん買っているので。
    ・国の借金は、未来の子孫からの借金。未来において、返せなければ、切られるのは高齢者(つまり今の世代)
    ・問題の本質は、質問することから始まる。

  • 古本屋で購入。大前研一さんの本を初めて読んだのがこの本。論理的な思考で考え、質問する力を身につけることで、これからの社会を歩んでいけるという本。1985年を境に世界が変わり(ビルゲイツの登場前と後)、道なき道を歩む世界になったからこそ、質問力が重要だといっている。ごもっとも。

  • タイトルと内容の関連性が低すぎると感じた。8割は読み飛ばして問題ないと、個人的主観で感じる。

  • 内容にまとまりがあまりない。

  • 会議や講義での質問力を高めたいと思って読んだ。
    何事にも疑問点を持つことが大切とのこと。

    なお、思いもしなかった子育てについての記述があり、これがおおいに役立った。

    ところでこの本ではまだ原子力発電を肯定していた。
    東北大震災の後は完全に否定していた。
    ここで学べることは、尊敬できるオピニオンリーダーといえども、人は変わる、考えは変わる、ということだ。
    大前研一氏は日本でも珍しく尊敬に値する人物であることは間違いないが、普遍的な真理を追究する人にとってフォローする相手ではないことがわかる。

  • 日本最高の経営コンサルタントにして世界最高級の切れ味を誇る大前研一さんに本質の見抜き方を見取り稽古してもらうような本です。 この本は、まさに「成功者の脳の借りる」入門書です。

  • 質問する力の大切さが書いてあった。
    具体的に、相手とコミュニケーションをするためにどのように質問をするかを知りたかったため少し残念。

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著者プロフィール

1943年、福岡県生まれ。早稲田大学理工学部卒業後、東京工業大学大学院原子核工学科で修士号を、マサチューセッツ工科大学大学院原子力工学科で博士号を取得。(株)日立製作所原子力開発部技師を経て、1972年、マッキンゼー・アンド・カンパニー・インク入社。 以来ディレクター、日本支社長、アジア太平洋地区会長を務める。現在はビジネス・ブレークスルー大学学長を務めるとともに、世界の大企業やアジア・太平洋における国家レベルのアドバイザーとして活躍のかたわら、グローバルな視点と大胆な発想で、活発な提言を行っている。

「2018年 『勝ち組企業の「ビジネスモデル」大全 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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