龍時 02-03 (文春文庫 の 12-2)

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  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (409ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167687021

感想・レビュー・書評

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  • 正直なところ、
    ここまでのスポ根な小説を読んだのは初めてだったので
    色々な意味で衝撃でした。

    話が進むにつれ、どんどん世界に入り込んでいく感覚が分かる。
    心境描写が巧みだからか、
    "自分自身がサッカーをしている"とまではいかないけれども
    個々の心境と、プレー面の繋がりが分かって、ゲームの展開にどきどきする。
    手に汗握る、とはこんな感覚なんだろうな。

    実際のプレーヤーを見たことがなくても理解できるほど、
    特徴がよく表現されているんだと思います。

    古本屋から入手したため、
    3部作の2作目から読み始めましたが、十分楽しめました。

    スペインにとっての「サッカー」の存在の大きさ。
    存在の大きさゆえの衝突や苦悩、悲しみ。
    スポーツなのに、それだけじゃ収まらないエネルギーの大きさに驚きました。

    リュウジの年齢(17歳)で、ここまで覚悟を決めている人って
    実際どれくらい居るんだろう。。
    リュウジの覚悟や心の強さもカッコいいと思うし、尊敬できるけど、
    彼を支える家族や周りの人たちの強さや温かさも大きい。

    スペインのサッカーが観てみたい。
    …というか、サッカーが観たい!

    通勤時間だけでは我慢できずに、
    お昼休みにも手放せなくなった1冊です。

  • 岩月基洋先生推薦

    サッカーを経験したことがある人なら、こんなに身体感覚を伴って読める本はないでしょう。若者が大人になっていく過程が見事に描かれているので、サッカーに詳しくない人も楽しめます。もっと続きが読みたくて仕方がなかったと思う一番の本です。

  • 一巻と比べると物足りなさもありますが、スペインという地。マリアとの出会い。熾烈なポジション争い。面白い!

  • 2年目あるいは2作目のジンクスなのか、1作目の激動から比べたら確かに振れ幅は小さい。だけれどもリュウジが体験している熾烈なポジション争いこそが、これからリュウジがヨーロッパでやっていくための本当の戦いです。言わば前作は序章であって、本格サッカー小説としての本当の力はこの作品の方が強いかなと思います。遠征に帯同できないもどかしさと言った感情などが伝わってきているところが、この本の魅力かと思います。

  • 熱くさせてくれる本格サッカー小説。プレーの描写も素晴らしい。素人も玄人も楽しめる。

  • 最後で鳥肌が。

  • 前作01-02の続編。
    スペイン・リーグ リーガ・エスパニョーラのレアル・ベティスにレンタル移籍し、
    リーガの強豪クラブとの死闘が描かれている。
    もちろんおもしろさは変わっていません。

  • 「俺にはあと20年しかないんだ」と言い放ってスペインへ旅立ち、順調とはいえないまでも所属チームのトップチームへすべり込み、「あのチーム」相手に鮮烈なデビューをしてしまったリュウジくんを描く第2巻。ある中堅有力チームへレンタル移籍となった彼の1年間を描きます。時は日韓W杯の直後のシーズン。この巻は第1章「ミス・ジャッジ」からすっと物語に入っていけました。W杯韓国戦での「?」なジャッジから輪を狭めていくようにリュウジくんの周りの世界に入っていきます。野沢さんの筆の物語の運びが滑らかになっているのが見事。それにルポルタージュ調の面白いつくりです。彼は変なジャッジに嫌悪感を抱く自分と、それを利用しようとする自分に気づき、いらだちを募らせる。この苦い現実には、Mr.Children「フラジャイル」の、「妥協も卑怯も場合によっちゃ有効だろう/優雅な理想はこのさいもう切り捨てろ」というシニカルなフレーズが響くような気がします。試合シーンに登場する選手はぜいたくこの上なく(ある意味「ドカベン/プロ野球編」)、「脳内ウイニングイレブン」状態で読んだほうがエキサイティング感倍増です。とはいえ、ストーリーテリングが整ってきたせいか、少し気を抜いても大丈夫です。リュウジくんにとって、どのような展開が必要か少し見えてくるので。それに、イタリア語でいうところの「ドルチェ・ヴィータ」な面もあります(スペイン語でどう言うか知らない:笑)。そりゃ、それくらいなきゃ異国暮らしはやってらんないかも!逆星一徹のようなお父さんは今回出番なしです(笑)。お母さんとミサキちゃん、応援してます!読んでいる途中から、「退路を断って腕(この場合は脚)一本で生きるハイティーン男子」という、このハードボイルドな感じはどこかで読んだことがある…そうだ、打海文三さんの「裸者と裸者(上)」だ!と思い当たって驚きました。このモチーフは男性作家のツボ?。「01-02」の☆の数は甘めですが、こちらは正味の☆の数です。でも、表紙はどうにかなりませんか(笑)。

  • 1巻よりもさらにおもしろいです。舞台がスペインというのもGOODです。

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