新装版 波の塔 (下) (文春文庫) (文春文庫 ま 1-122 長篇ミステリー傑作選)
- 文藝春秋 (2009年9月4日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (407ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167697235
作品紹介・あらすじ
結城頼子の夫は政治家がらみの情報ブローカーで、R省を舞台にした汚職事件に深く関わっていた。特捜部の担当検事として捜査をし、喬夫は初めて頼子の真の姿を知る。悩んだ末に新たな道に踏み出そうとする喬夫だが…。新任検事と被疑者の妻の悲恋を、彼に憧れる若い女性の思慕と対比して描いた異色の恋愛小説。
感想・レビュー・書評
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登場人物が、すべて収賄事件に巻き込まれていく。富士山麓に果てしなく広がる樹海。当時のケジメの付け方としては、読者にこういう結末が支持されたようだが、現代では、果たしてどうか?
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複数巻の長編を平行に読破しよう月間。ちょっと飽きてきた。
上巻の印象の悪かった、松本清張の作。上巻でお膳が建てられた、汚職関係の話が露出し始める。それに伴い陥れられていく小野田。
半分は自分の問題とはいえ、周りが悪い方に悪い方に進んでいくジレンマというのを描くと、やっぱり巨匠と思わせるものは有る。そのへんで、上巻の印象の悪さのかなりをリカバーしている。
…のだが、状況を知ってからもグダグダと関係を続けようとしたり、そもそも汚職周りが背景としてしか描かれなかったりと、どう読んでも不満が残る作品でも有る。逮捕される側ももうちょっと工作しようよ。失楽園、ねえ…。
上巻に引き続き、内容の割にスカスカの会話で埋めるスタイルは健在で、あっという間に半分くらいまで読めてしまうのもなんだかなあ。
わざわざ上下巻2冊の成長を読むのなら、もっといい作品があります。 -
何の予備知識も無く、久々に大御所の作品を読んだのだが、ミステリーでは無く、単なる不倫恋愛小説であった。『長編ミステリー傑作選』とサブタイトルが付いているのにミステリーの要素は無い。昔で言うところのよろめき小説。なんだかなぁ。
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不倫ものは、好かない・・・。
義父曰く、“この作品のヒロインが、俺の理想の女性。だから娘(ぼくの妻)にその名前をつけた”と・・・・・。...不倫ものは、好かない・・・。
義父曰く、“この作品のヒロインが、俺の理想の女性。だから娘(ぼくの妻)にその名前をつけた”と・・・・・。
どんな素敵な女性が活躍するのだろう?と、やはり予備知識なしに読んでみて・・・・がっかり。
娘に、不倫妻キャラの名をつけるだなんて・・・・・・(哀)。2013/06/17
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期待してしまっていた
読んでも読んでもなかなか死なな〜い!
この時代に不倫の話
さすがだなー -
一気に下巻まで読んでしまった。さすが清張。
めまぐるしく物語が回転していくというわけではないんですが、ぐっと引き込まれました。
しかし、移動でのタクシー使いが多すぎるような。。。 -
松本清張にしては、少々通俗的だと感じた。
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清張のなかでもダントツで登場人物が良かった。最後……何故だ…。現代女子ならもっと現実感ある自分に有利な道を選ぶよ…というところで、現代には生まれえない物語。そこが切なく、その時代に思いを馳せる