子盗り (文春文庫 う 17-1)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (342ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167699017

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  • 夜中の産科病院。マタニティドレスに身を包んだ女が新生児のベッドに近づいていく。空になったベッドと残されたタオルに気がついた看護婦、潤子は駐車場で怪しい夫婦を発見する…。

    序盤はいろいろな人のそれぞれの立場と視点で描かれており、どのあたりに感情移入すればよいのかがわかりにくい。まあ全員悪人で良いけど、というスタンスで読んでいくのだが、そうでもない人も出てくるからややこしいのだよな。意識の焦点が合いにくい。

    中盤から、ようやくそれぞれの人達が交差をしはじめるというか、ほぼ全員集結してしまい、話はかなりわかりやすくなっていく。その後は…予想されるような展開に。

    中盤辺りに、読んでいてきついと言うか、胸糞悪いストーリーが続いていくのだが、文章は軽く書かれているのでどんどんと先に進める。かなりの速度で読み飛ばしても、内容を誤解することもなく読みすすめることはできるだろう。

    一方で、概ね予想のつくような展開だし、そのための京都の山奥の旧家のしきたりのようなものを長々と説明された部分は、バランスの悪さが気にかかる。後半の「じゃあ…」からの部分も、あまりにも省略されすぎて、それを逆手に取ったようなオチというのもどうなんだろう。妄想だけで突っ走るんでなくて、もう少し登場人物同士の接点があっても良かったのではないか。

    中盤で、胸糞悪い展開になった部分は評価できて☆3、その他の部分で減点か。

  • 淡々と進んでいく。旧家で子どもができずに追い詰められていくのしんどすぎる。
    そらおかしくもなるわ。まだご主人が味方なのが救い。
    関口ひとみのお菓子食べる描写が気持ち悪くて堪らなかった。

  • ちょっと読み進めるのがしんどかった。

  • 何人かの登場人物の話が各章で語られ
    それらが交わりだして終盤へ
    子供が欲しいけど授からない夫婦のお話
    起こるべくして起こったっていう
    感じの流れでした

  • ハラハラドキドキが足りない

  • 結婚して13年、不妊治療しても子供に恵まれない夫婦を中心に、離婚で子供から引き離された母、不注意で妊娠した肥満女性の話が織り込まれ、重なっていきます。
    京都の田舎の旧家で子供が生まれず、姑同居に親戚も近所という環境、文章から薄暗さや息苦しさがひしひしと伝わってくるようでした。
    子供ができない=嫁の責任という認識は、延々と続いているんですね。特に地方は顕著なのかもしれませんが。田舎にお嫁さんが来ないこともわかるような気がします。
    ただ、赤ん坊がやってきただけで薄暗い旧家が急に活気づいたことに新しい生命の持つ力を感じました。
    赤ちゃんの誕生は喜ばしいことだけど、子供に恵まれない場合の夫婦のあり方(きっぱり諦める、養子縁組するなど)は夫婦で決めるべきと思います。外野は黙っているべきでしょう。
    読後感はあまりよくもないのですが、子供は幸せに育っていくのではないかと期待できました。

  • 読むほどに暗い気分になる本。

    登場する女性(男性も)全てがなんだか不気味で
    でもこれがオンナなのだ、という感じ。

    最後のどんでん返しが哀れなほどにまともな結論。

  • 京都の旧家、榊原家に嫁いで13年。美津子にも夫の陽介にも異常はないはずなのに子供に恵まれない。「跡継ぎを産めないのなら・・・」姑のクニ代や親戚からの圧力に耐え切れなくなった美津子は、妊娠を偽装してしまう。
    美津子に産婦人科の看護婦の潤子、製薬会社のプロパーの峰岸、自堕落なホステスのひとみ、登場人物が皆どこか狂気じみている。特にひとみが美津子に近づき榊原家にまで押しかけてくるくだりは、読んでいて空恐ろしく感じた。ストーリーは飽きさせず、始めから、完全犯罪になり得ないと見せかけながら、何度かどんでん返しが仕込まれている。
    ☆サントリーミステリー大賞・読者賞

  • こんな記憶力を持ってみたい。

  • 子ができない女、子と引き離された女、子がいらない女の話。

    サントリーミステリー大賞という割りには、まったくミステリーしてなくて残念。
    描かれている女性がえぐすぎて嫌悪感。
    まぁ、実際いるんだろうけれど。

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