石のささやき (文春文庫 ク 6-16)

  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (376ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167705558

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  • つまらないわけではないが、
    面白いと断言できるわけでもない。

  • 統合失調症で入院歴のある父親(故人)の強い影響下で育った姉ダイアナと弟デイブの悲しい物語。事故で息子を亡くして以来不安定になった姉について、姉が抱えていた、事故ではなく息子は元夫に殺されたのではないかという疑問について、父親から引き継いだ悪い血のせいで姉もまた狂ってしまったのではないかという薄情な元夫の疑いについて、そんな姉にどんどん傾倒していく世間知らずの自分の娘について、弟の視点で語られます。冒頭で<三つの死>が絡む話であることがほのめかされ、弟は独房に拘留されているのですが、その理由は最後まで分からないのです。独房に尋問に来た刑事とのやりとりと、弟の回想シーンが交互に出てくるのですが、静かな文体なので逆にサスペンスフルで、途中は息苦しいようなそんな風にも感じました。重厚なミステリです。ミステリですが、小説としても読み応えあります。読後感は若干重いですが、とても面白かったです。

  • やっぱり読んじゃった、クックの新刊。フラッシュバックで隠れたエピソードをあぶり出す手法、どうにもねじれた悲しい家族関係はいつも通り。悲しさの中のほのかな光もいつも通り、だけど今回はなぜか?あまりぐぐっと来なかった。残念。ミステリ性が薄いからかな。でも未読のクック作品を求めて図書館にまた行こう(と思っちゃうのもいつも通り)。こんな風に★2つ評価したけど、それは私の精神状態と作品が合わなかっただけかも、と思っちゃうほどクックの作品には駄作なし、と信じている。

  • 最近読んだミステリーの中では、ベスト。海外出張の飛行機での睡眠時間を削って、一気に読んでしまった。ミステリーは(もちろん、色んなバリエーションがあるのだけれども)、最初に事件が起こって、その犯人が誰か、っていう展開が、一般的でオーソドックス。この「石のささやき」は、事件に関係した人(それがどんな関係かは正確には分からないのだけれども)は分かっているのだけれども、いったい何が起こったのか、ということが最後になって分かる、という構成になっている。クックの小説では、他にもある構成だけれども、そこへの持っていき方が抜群だ。これも、クックの本ではいつものことだけれども、最初の1ページから、この物語は悲劇で終わるのだろう、ということが強く予感される。この小説もそうで、まぁ、最後は救いようのない話になってしまうのだけれども、その文体(もちろん翻訳がうまい、ということも大きいはず)には、いつものことながら、強く引き込まれてしまった。

  • 重苦しい。

  • 崩れた姉の心。そして悲劇が。みずみずしく細やかな文章で綴られる姉と弟の物語。

  • 癌でもそうですが、家族に患者がいた場合、自分も何れ発病するかもという恐れを抱いていくのは、怖いものです。この話も、怖かったなあ。最後の1行は、いらないかもと思います。

  • 10月18日読了。

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