- Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167705824
感想・レビュー・書評
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「夕暮れをすぎて」のセットの短篇集。
お勧めは「N」と「どんづまりの窮地」です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
アーサー・マッケンの『パンの大神』に影響を受けたという「N」から、これぞキングのお下劣な最高傑作ともいうべき「どんづまりの窮地」まで珠玉の全6篇です。
30年前にキャバリエ誌に発表された作品「魔性の猫」のシンプルなお話が好きかな。想像力で色々背筋が凍る「聾唖者」もうなった。
でもまあやっぱ、トップを飾る「N」の怪奇譚っぷりが一番イカスね。キングが「脅迫観念の重みで自壊していく人間精神の物語でもある」とサンセットノートで語っているが、これいには激しく同意したい。
僕がこの日記であの場所へ行くと書き記して去ったなら。
どうかあなたは絶対に近づいてはいけない。あの場所に!!!!!!!! -
仮設トイレに閉じ込められる(短編集)
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キングの短編集です。
久しぶりにキングの本を読みましたが、
短編それぞれちがった怖さがあっておもしろかった。
猫好きとしては、「魔性の猫」が一番怖かった。
最後、電車の中で読んでて本を取り落としそうになったよ。。。
「N」は、要するに強迫観念症でしょ、と思えるのだけど当事者にとってはそうではなく、好奇心の末、当事者の立場に立ってみるともう後戻りは出来ない。。。と
「どんづまりの窮地」は。。。。
キングってこういうの書いたら天下一品だよ。
ランチしながらこれを読むのはおすすめしないです。 -
いずれも短編でありながら、心に深く残り様々なことを考えさせてくれる。
特に好きなのは、興味を誘う不気味さを見事に描いた『N』と、ありがちな話だが感動的な『ニューヨークタイムスを特別価格で』。
『魔性の猫』は『Magicats』というオムニバスの短編集にも載っていた。 -
2010.07.31-08.03、ト
久しぶりのキング -
哀しくも美しい死からみじめな怒り、ノンストップ絶体絶命の窮地までまったくよく楽しませ苦しませてくれる。巻末話ときたら、いやはや。
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キングの短編集。
*N
*魔性の猫
*ニューヨーク・タイムズを特別割引価格で
*聾唖者
*アヤーナ
*どんづまりの窮地
やっぱり、キングはホラーの帝王です。
というのを、再認識した。
「N」と「魔性の猫」が、とんでもなく怖い。よく映画とかドラマとか見てると、そこに近づいちゃ絶対だめっていうシーンがあって、主人公は引き寄せられるようにそこにいってしまう。
この「引き寄せられるように」というところがポイントなのだ。
キングのそれは、まるで地面が砂になってさらさらと崩れ落ちて、蟻地獄に落ちてしまうように、じわじわとそして絶望的なのだ。
とはいえ、そんな絶望的な状態から脱する「どんづまりの窮地」は、妙な図太さというか生命力があって、前向きであることの意味の多重性を感じた。
「ニューヨーク・タイムズを特別割引価格で」がすごくよかった。
読み終わったあと、タイトルの妙が効いてくる。生きているということは、何かを失い続けることではあるのだろう。けれど、一番の痛手は人が失われるということなのだと、普遍的であるけれど、永遠のテーマなのだろう。
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久々にキングの近刊を読む。気づいたら底なし沼に引きずり込まれていた、というキングらしい怖さの「N」、夫婦愛・家族愛を描かせるとひときわ輝きを見せるのが常だが、「ニューヨークタイムズを特別価格で」。わたしはこれが好きだった。「魔性の猫」は、ちょっとステロタイプだったなぁ。「グリーンマイル」をちょっと彷彿とさせた不思議な「アヤーナ」もよかった。
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短編集。Stephen Kingは、スタンド・バイ・ミーしか読んだことがないみいちゃんはあちゃんだったが、ホラーの巨匠といわれているだけあって(本書は霊的な怖さではないが)背筋がゾクッとするようさものがいくつかと、心温まる話もあった。ただ、波長のあわないものもいくつかあったので読むのに時間がかかった。
N/魔性の猫/ニューヨーク・タイムズを特別割引価格で/聾唖者