ジーヴズの事件簿 大胆不敵の巻 (文春文庫 ウ 22-2)

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  • Amazon.co.jp ・本 (271ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167705947

作品紹介・あらすじ

時は20世紀初頭。ロンドンのマンションの一室に、執事ジーヴズは今朝も流れるように紅茶を携えやってくる。村の牧師の長説教レースから実らぬ恋の相談まで、ご主人バーティの難題をややいじわるな脳細胞が華麗に解決(?)。バーティたちが通うドローンズ倶楽部の愉快な面々も少し顔をのぞかせる、ユーモア小説傑作選第2弾。

感想・レビュー・書評

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  • もう古くなってしまった時代の産物のような「紳士と従僕」に庶民は憧れるのだよね。あくまでも主人公は従僕のジーヴズである。ちょっとゆるーい金持ち若者に、やや意地悪な仕えかたで、本人並びに友人の事件・難問を解決しながら働いているのが、なんともおかしみがある、ユーモア光る軽い読み物で、そこが心地いい。今時、時代離れしているからね。

    この作者はそのような作品を膨大な数をものして、イギリスをはじめアメリカでたくさん発表しつづけたという。しかも93歳の長生きだった(1881~1975)から、その全作品をまとめるのはなかなか容易ではないというが、してやられるお坊ちゃんという構図が好まれる心理はわかるから人気だったのだろう。

  • 「田舎の牧師長説教レース(ハンデ付き)」はもう発想が馬鹿で大好きすぎる。賭けるなよ笑。相変わらずふにゃふにゃのバーティもビンゴも面白いがそれを勢いで上回ってくる双子がお気に入り。元気が出てくる。モンテカルロで勝負師の血を滾らせるジーヴスのスピンオフが欲しいよ。

  • 収録は以下の通り
    トゥイング騒動記
    クロードとエスターの出航遅延
    ビンゴと今度の娘
    ジーヴズと白鳥の湖
    ジーヴズと降誕祭気分
    ビンゴはすべて事もなし



    田舎の村での賭け事
    説教の長さ
    村の運動会
    ビンゴの恋
    南アフリカ行きになった従兄弟達
    またまたビンゴの恋
    バーティの恋
    ビンゴのカジノ
    等々


    賭け事に関しては、ジーヴズは儲けてるけど主のバーティはトータルで損してないか?w

    それにしても、イギリス人は賭け事がお好きですよね


    読んでよかったと思ったのは解説かな
    この「ジーヴズの事件簿」という文庫が作品群の中の位置づけがわかった
    確かに前作ではアメリカに行ってたりしましたものね
    短編やその連作としての繋がりはあるけれども、修正や改変、分岐があるので誰も総体を把握できないと
    そういうことですね

    まぁ、ジーヴズというキャラクターのユーモアセンスは面白く読めた

  • こちらはシリーズ第二弾で、前作より先に読んでしまったけど問題なく読めた。
    人はいいけど頼りない主人バーティとその友人(主にビンゴ)が巻き起こすゴタゴタを執事のジーヴズがスマートに解決してくれる。
    シュールで時々ブラックで、まさにイギリスのユーモア小説という感じ。
    主人に忠実に尽くしてくれてるようでいて時々意地悪な助け方をするジーヴズが好き(笑)

  • ウースター家の子息である、バーティが執事であるジーヴズの
    助言や手助けにより、降りかかる問題をうまいこと回避していく
    ユーモア小説の連作短編集の下巻。

    今作では、15年来の学友である、ビンゴに翻弄されていく内容および、
    バーティの人生を揺るがす精神科医であるおじとの対峙もある。

    上巻である、才智縦横の巻 を読んでから2年も経過していて、
    この作品が下巻であることも気づかず、年月が経過していた。
    そもそも上巻が思ったほどな感じで、当時は次をすぐに読みたいと思えなくて、
    保留していたら、こんなに経過していた。
    (今読めば、評価は変わっているかもしれない・・・。)
    その間、本を読むのが嫌になっていたわけでもなく、コンスタントに
    いろんな小説をメインに読んでいたのになぜか読もうとならず、
    ようやく読んでみて、結果として、おもしろいが、ページ数のわりに、
    割と時間がかかってしまったかな。

  • 小さい頃読んでいた海外児童文学を読み返したくなりました
    海外っぽいなあっていうユーモアととか皮肉とか馬鹿らしい事件とか、すきです
    ジーヴスが意外と頑固ですぐ服装のことでバーディの冷えた関係になるのもにやにやしてしまいます

  • 2019.02.17 #005

    このシュールなジーブスの華麗な解決が楽しい。
    最初は読解が難しく苦戦していたが、最後にはイギリス的ユーモアに苦笑してしまうほど。

  • そう 「 バーティの事件簿」 じゃなくて「ジーヴズの事件簿」だった。お気楽で憎めない、何と言っても拙いと思ったら素直に訂正できるバーティが好きなんだけどなぁ。
    先読みの出来るジーヴズも嫌いじゃないけどね

  • 金のハートを持っている(むしろそこにしか美点が見られないかもしれない)バーティと、 完全無欠のジーヴズコンビ再び。

    親族からのバーティの扱いは散々だし、親友ビンゴの惚れっぽさも相変わらずだけど、テンドンなのでなんだかホッとする。従兄弟のクロードとユースタスには眉をひそめてしまうところも、変わりなし(笑)

    バーティの悪趣味な洋服を、一足先に「実は今朝がた、そう(焼却)させていただきました」としれっとのたまうジーヴズのスッとのびた鼻筋と澄ました顔が目に浮かぶようでした。

  • イギリスの人って賭け事が好きですよね(笑)何でも賭けの対象にしちゃってる。
    (現にジョージ王子が生まれる前は男か女か?生まれた後ではどんな名前がつけられるのか?とブックメーカーの賭けの対象になったというニュースがあったし。)
    バーディやビンゴ、ジーブスも。そして叔母さんの夫みたいに一山儲けてでっかい土地を買ったりしてる。
    この巻はどっちかというとビンゴが主人公のよう。
    反対にバーディは踏んだり蹴ったり。
    前回この2人は結婚には向かないよね、しない方が良い。なんて思ってたのにビンゴが結婚してビックリした。
    思わず声が出た(笑)
    人生何があるかわからないね。
    この2人は何時までもジーブスに頼って賭け事に勤しみ、叔母さん・伯父さんに戦々恐々としてるんだろうな。

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