月読 (文春文庫 お 45-1)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 390
感想 : 53
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  • Amazon.co.jp ・本 (515ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167717599

感想・レビュー・書評

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  • 続編を先に読んでいたが、やはりこの設定は好き。人が亡くなると月導があらわれる。
    いくつかの事件が複雑にからんで、他の事件の動機になったり手掛かりになったり。
    でもクライマックスで盛り上げておいて、双子でしたっていうオチ?はちょっと…。

  • ネタばれあり

    月読-現れた月導を読む能力を持つ人。月読師として生計をたてる人間は昨今少なくなっているらしい。

    月導-人が死に際に強く想った事、気にしていたことがどこかに、何れかのかたちで現れる現象。発生する現象と死者との因果関係及び月導の法則性は解明されていない。

    従姉妹を殺した犯人を探す刑事。彼は殺された従姉妹の部屋の隣に住む一人の月読と知り合い、彼が探している養父の捜索に協力する。

    また、己が養子であることを知った高校生は自分の進路で喧嘩をする養父母に挟まれ、悩んでいた。


    全く接点のないふたりだけど、所々で関わってる。
    正直養父が失踪した理由とか納得できないんだが、月導と月読の関係は面白いと思った。

  • うーん、面白くなかったわけではないけれど、途中話がだらけてしまう部分が気になった。発想はとっても面白いのに、ひきつけられるほどのめりこめなかった、残念。

  • 2010.10.20読了。

  • 雨の日に読みたい本!

  •  結構分厚いけどサクサク読める、設定や世界の書き方がすごく自然でうまい作品だった〜。「えっ、月導なんて知らんのだけどそれって一般常識なん??」としばらくキョドってしまった(笑)<br>
     でもなんか謎に対して引きが足りないというか、そもそも何が謎なのかよく分からないまま漠然と進んでしまい、全ての真相が明らかになっても、登場人物が衝撃を受けてるのが伝わってくる上手い描写も特になく、全部読み終わっても「ふーん」って感じでした。<br>
     あと炯子がどうしてもムカつくんですよね。単なるイタいカンチガイ少女にしか思えないんだけど。

  • まず、設定が面白いなと思いました。<br>
    死者の想いがなんらかの形を持って残ったもの、「月導」。<br>
    それは人によって様々な姿をもって死と共に現れる。<br>
    歪んだ信号、氷点下のような温度、無数の光の粒…<br>
    それを読み解くことのできる能力者「月読」。<br>
    <br>
    ダイイングメッセージがファンタジックになることによって<br>
    ほのぼのした話かと思っていたのですがもっと切れ味の良い話でした。<br>
    高校生の克己と、刑事の河井さんの二者視点で描かれるので<br>
    いいところで場面展開があったり<br>
    ちょうど場面がシンクロしたりで飽きません。<br>
    ミステリなので事件の展開がメインでしたが<br>
    「月読」の能力メインで読んでみたい気もします。<br>
    続編が短編集で出ているようなので楽しみです。<br>

  • 人が死ぬと必ず月導が残る 庭に岩が突然現れたり、冷たい風が吹いたり…この美しい世界観がとても好き
    科学で解明できない事が誰の目にも映る形で本当に現実に存在していたら、どんな社会になるんだろう。
    でもきっとこの本の登場人物のように疎ましく思ったり大切に思ったり人それぞれに受け入れて、または排除して適応していくのが人間か
    この設定だったらもっと穏やかでしっとりなストーリーが作れると思うのだけど…他にもあるような推理・ミステリ系になっているのが私的には残念…

  • ★…3.5くらい。とても読み易い。わりと厚さがあったけど、それほど時間をかけずに読み終えることが出来た。続編もあるようだから、それも読みたいなぁ。

著者プロフィール

1959年名古屋市生まれ。名古屋工業大学電気工学科卒業。81年「星新一ショート・ショートコンテスト」で「帰郷」が優秀作に選ばれる。その後、会社勤めをしながら「ショートショートランド」「IN★POCKET」にショートショートを掲載。1990年、長編ミステリー『僕の殺人』を上梓してデビュー。2022年『麻倉玲一は信頼できない語り手』が徳間文庫大賞2022に選ばれる。

「2022年 『喪を明ける』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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