弥勒の掌 (文春文庫 あ 46-1)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 276
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  • Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167717674

感想・レビュー・書評

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  • ラスト…え?えぇ?やっちゃいますか?

    こういう所が我孫子武丸さんの本の好きな所。まるで想定外だった。
    情報化社会、より広く深く情報を持っているものが、勝ち組になるんだろうなぁと納得のお話でした。

  • 好き!
    身勝手な人物と救いのない結末に嫌悪感が相殺されて、嫌な話だけど読後感は嫌じゃない。引き込まれて一気読みした。サクッと読めて分かりやすく、頭の悪い自分にありがちな読み終えた後の疑問やモヤっと感がなかった。神様なんていない。居るのは人間だけなんやな〜。面白かった!

  • 最後が駆け足だったのと、蛯原はともかく辻が殺人を隠せていたのが現実味なくてう〜んという感じ
    トリックは殺戮にいたる病と同様、叙述トリックのどんでん返しですごくおもしろかった!!
    インタビューは全部読まなかったけど、他の作品を読んだらちゃんと読みたい
    自分で推理しながら読めるようになったらもっと楽しいんだろうな〜

  • タイトルからは難しい内容かと思ったけど、かなり読みやすく、新興宗教を軸に展開される内容がおもしろくて、最後はそうきたか!と思える展開だった。

  • 最後の最後で「そうなってしまったのかー!」って思った。読者の思い込みを使って見事に仕掛けてくる我孫子さんの作品は凄い!

  • 10年以上の積読本。お互いをあまり信用していない、教師と刑事のバディものなのかなと思って読みすすめて最後にガツンとやられる。ぜんぜん違うけれど、我孫子さんだけに『殺戮に至る病』に読後感が似ているように思った。まんまとやられた。

  • 【あらすじ】
    高校教師・辻の妻が失踪した。しかし辻はある理由で妻と不仲だったため、愛想をつかして出て行ったのだろう、と探そうともしなかった…それが後々自分の首を絞めることになるとも思わずに。時同じくしてチンピラ(のような)刑事・蛯原の妻が殺害された。復讐に燃えるエビちゃん。一見無関係な2人を結びつける新興宗教『救いの御手』が事件とどう関わってくるのか…。

    【以下ネタばれ感想】
    2人の妻たちが『救いの御手』に関わっていたことから出会う2人であり、『救いの御手』が当然辻の妻の失踪やエビ妻の殺害に関わっているだろう、と。

    そこに引っかかってたまるかー!という気持ちで読んでいくのですが、『救いの御手』が本当に怪しい宗教団体として描かれているので決意も揺らぐ訳です。

    まさか『救いの御手』が事件に全く関わっていないばかりか、殺人事件の犯人が当人たちだったなんてね…それは思いつかんですよ。

    というか伏線がないこともないが、その伏線からこの結末は予想できないよ(*´・ω・)(・ω・`*)ネー

    でもって短い後日談もあるのですが、どこかのレビューで『地球に隕石が落ちてくる動画にドリフのオチの時のテーマソングをかぶせてくるあれを思い出した』とあり、全くもってその通りでございます。非常に的確です。

    ※2006年3月-2011年1月までやってたブログより転載

  • サウンドノベルだったらマルチエンディングのバッドエンドでは・・・。
    人物相関でドキっとさせられました。(ちょっと強引っぽいですが)

  • 刑事ものと言われてもピンとこないが、ハードボイルドと言われるとさもありなん。という感じ。文章がこなれていて非常に軽く読み進めることができる。それでいて、最後のどんでん返しは、爽やかにしてやられた感が残る。個人的には、「ふざけんな」という騙され感ではなく、「やられたー」という感覚だった。
    多分、新興宗教、殺された人間がいる、ボディーガードが犯罪者らしい。と言った固定概念や先入観で誘導されており、刑事の嫁がこれはちょっとありえないよ。と言った気持ちは無きにしも非ずだが、ラストのダーティーさは(予想ははずされたが)許容範囲内で、どちらかと言えばミステリーらしさに心地よくなってしまう。
    そこが、ミステリー的なマジック要素で、これがハードボイルドって銘打ってあればダーティーさにブルーになるところなのに、ミステリーってだけで認められてしまうのだ。
    もっとも、こんな考え方は僕だけかもしれないけれど、さ。

  • あらすじには「失踪した妻を捜す男一人、妻を殺され仇打ちに燃える男一人。やがて、二人の男は怪しい宗教団体“救いの御手”に辿り着く。この団体の正体は?妻はどこへ?妻は誰に殺されたのか?驚天動地の結末があなたを待ちます。」と。こんだけ言われたら、どんな結末でも驚かねぇよ、と高を括ってたら、作者のしたり顔を見る羽目になった。あー悔しい。すごく注意して読んでたはずなのに(流石、作家殿は違う)。
    これは捜査小説で、サスペンスで、ミステリーで最後はホラー級に背筋が凍る。ボリューム満点の品となっている。面白い。自分の騙されっぷりに後味スカッと清々しい。主要人物の辻には始終呆れっぱなしだったが(コイツ、軽いぞ!)、そんなことはもういい。忘れた頃にまた読んでみたい。今度は引っかからんぞ。

著者プロフィール

1962年、兵庫県生まれ。京都大学文学部中退。在学中は推理小説研究会に所属する。89年、『8の殺人』で作家デビュー。主な作品に、『人形はこたつで推理する』にはじまる「人形」シリーズほか、『殺戮にいたる病』『ディプロトドンティア・マクロプス』『弥勒の掌』『眠り姫とバンパイア』『警視庁特捜班ドットジェイピー』『さよならのためだけに』『狼と兎のゲーム』『裁く眼』『怪盗不思議紳士』『凜の弦音』『修羅の家』などがある。小説の枠を越えマルチに活躍し、ゲームソフト「かまいたちの夜」シリーズの制作でも知られる。

「2022年 『監禁探偵』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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