世の中で一番おいしいのはつまみ食いである (文春文庫 ひ 20-1)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 24
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  • Amazon.co.jp ・本 (247ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167753016

感想・レビュー・書評

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  • 料理を作るのに手を使う。ちぎる、こねる、もむ、むく、つまむ……。考えてみるといろんな言葉がありますね。おもしろかったです。

  • もう、タイトルを一瞥しただけで買い(笑)。おっしゃるとおりでございますー!フードジャーナリストの平松洋子さんが、ご自身のお料理、身の回りのあれこれについて語るエッセイです。

    目次で一目瞭然なのですが、料理の中でも「手」で行うしぐさでまとめられています。まず、「手でちぎる」。これが動作そのものだけではなく、「ちぎる」という言葉の響きから切り込んでみたり、もちろん、その動作を主に使ったお料理を紹介してくださったり…これが…料理が不自由な私でも料理心をそそられる簡単レシピ(巻末にはカラー写真つき)。この項でも、紹介されているちぎりキャベツの炒めものの美味しそうなこと!ビールでもご飯でもオッケーです(笑)。ひとり暮らしのかた、もう1品作り足すのが苦痛なかた(男女問いません)、特におすすめです。

    読んでも味わっても楽しめますし、人生が豊かになります。エッセイのコアである食べものの話題だけではなく、時にはドキッとするオトナの色気や哀しみを感じさせる部分もあって、なんだか森まゆみさんのエッセイを思い出してしまいます。全てがみごとなのですが、素晴らしさであと1篇挙げるとすれば「手で割る」の項。散文というより、詩の美しさの見事なこと!久しぶりに文の美しさにはっとしました。

    ハードカバーからの改題がばちっとはまった見事さと、もの柔らかながらも芯はストロングな本で、この☆の数です。歌人、穂村弘さんの解説も可笑しくていいですよ。

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著者プロフィール

平松洋子=1958年、倉敷生まれ。東京女子大学卒業。エッセイスト。食文化、暮らし、本のことをテーマに執筆をしている。『買えない味』でBunkamura ドゥマゴ文学賞受賞。著書に『夜中にジャムを煮る』『平松洋子の台所』『食べる私』『忘れない味』『下着の捨どき』など。

「2021年 『東海林さだおアンソロジー 人間は哀れである』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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