怒羅権(Dragon) 新宿歌舞伎町マフィア最新ファイル (文春文庫 お 61-1)
- 文藝春秋 (2012年4月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (284ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167801878
感想・レビュー・書評
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歌舞伎町を舞台に、怒羅権を中心とするアウトローに焦点を当てたノンフィクション。怒羅権はマフィア的性格が強く、葛西・王子・赤羽・横浜など各地域にグループがあり、ヤクザと比べて上下関係が緩く組織としてのまとまりは薄いなどの特徴が理解できた。
中国で「小日本人」といじめられ、日本では「中国人」と蔑まられながら、自らのアイデンティティについて自問自答し、仲間以外の他人を信じることなく、社会の表と裏の間を行き来する残留孤児二世達は、今も自らを解放できる場所を探し求めているのかもしれない。
「仲間以外の他人に、自分のことを分かってもらおうなんて思わない。そんなこと絶対に無理だ」
「〈小日本人〉と、中国で俺たち残留孤児二世は中国人にいじめられた。日本に来て、〈この中国人が、中国人が〉って言われた。いったい俺は何人なんだ!」詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
アウトロー系で現在1番面白かった。
仲間以外に自分の事をわかってもらおうとは思わない。が響きました。仲間、ですよ。大事なのは。 -
ヤクザ相手にひかない集団、恐ろしいというか
訳の分からない怖さ。
この程度の連中に
本当にヤクザは何もしなかった、できなかったの?と
逆に心配してしまいます。 -
新宿歌舞伎町って思っている以上に恐ろしい。ドラゴンに関東連合にいろんなマフィアにヤクザ。そして警察も?
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ノンフィクションなんだけど、著者の自分語り的な要素も強くて、思い入れたっぷりの文章にグイグイ引き込まれました。
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一般社会で生活している者には見ることの出来ないアンダーグラウンドが分かる一冊。
裏社会の根底に存在する出自、差別。
金、暴力、権力。
これを知らずに歌舞伎町は歩けない。