現代日本文学館 李陵 山月記 (文春文庫 な 70-1 現代日本文学館)
- 文藝春秋 (2013年7月10日発売)
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感想 : 8件
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- Amazon.co.jp ・本 (379ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167838676
感想・レビュー・書評
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図書館で借り。
万城目学『悟浄出立』で中島敦の本の紹介があったので読んでみようと思った次第。
「山月記」読んだ。有名な話であるが読んだのは初めて。
才能あふれる主人公の自分への過信?将来の自分の姿が想像できて日常に倦んでしまった?中年になって何も重ねられなかった自分に絶望し人を羨んで失ったものを嘆いてももう遅い。
それは私自身の姿ではないか?現実の雑事に背を向け、賢しらぶってリスクを冒さず、逃げ続けた結果醜い虎になる。自責の念にかられても、僅かにでも自分の可能性が残っていないか期待しても、徐々にその気持ちも薄れて虎になってしまうのだ。
刺さるなー…詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
山月記と弟子と悟浄出世が納まっててやばい1冊
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万城目学が中島敦の『悟浄出世』をよんで、『悟浄出立』を書いたと述べていたので、どんな作品か気になったため読んだ。
これは悟浄が我とは何か知るために、あらゆる賢者を訪ねるストーリーなのだが、悟浄はどの賢者の言葉も納得がいかない。
私は賢者の言葉に納得するものがあったのだが、悟浄にはピンと来なかったようだ。
悟浄はあらゆる賢者の言葉を聞き、心の琴線に触れるものがあったが、最後の最後まで明確な答えは出せていない。
生きていく限り、悩みは続くのだろう。