現代日本文学館 李陵 山月記 (文春文庫 な 70-1 現代日本文学館)

著者 :
  • 文藝春秋
3.83
  • (5)
  • (10)
  • (7)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 134
感想 : 8
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (379ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167838676

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 図書館で借り。

    万城目学『悟浄出立』で中島敦の本の紹介があったので読んでみようと思った次第。

    「山月記」読んだ。有名な話であるが読んだのは初めて。
    才能あふれる主人公の自分への過信?将来の自分の姿が想像できて日常に倦んでしまった?中年になって何も重ねられなかった自分に絶望し人を羨んで失ったものを嘆いてももう遅い。
    それは私自身の姿ではないか?現実の雑事に背を向け、賢しらぶってリスクを冒さず、逃げ続けた結果醜い虎になる。自責の念にかられても、僅かにでも自分の可能性が残っていないか期待しても、徐々にその気持ちも薄れて虎になってしまうのだ。
    刺さるなー…

  • 山月記と弟子と悟浄出世が納まっててやばい1冊

  • 万城目学が中島敦の『悟浄出世』をよんで、『悟浄出立』を書いたと述べていたので、どんな作品か気になったため読んだ。

    これは悟浄が我とは何か知るために、あらゆる賢者を訪ねるストーリーなのだが、悟浄はどの賢者の言葉も納得がいかない。
    私は賢者の言葉に納得するものがあったのだが、悟浄にはピンと来なかったようだ。

    悟浄はあらゆる賢者の言葉を聞き、心の琴線に触れるものがあったが、最後の最後まで明確な答えは出せていない。
    生きていく限り、悩みは続くのだろう。

著者プロフィール

東京都生まれ。1926年、第一高等学校へ入学し、校友会雑誌に「下田の女」他習作を発表。1930年に東京帝国大学国文科に入学。卒業後、横浜高等女学校勤務を経て、南洋庁国語編修書記の職に就き、現地パラオへ赴く。1942年3月に日本へ帰国。その年の『文學界2月号』に「山月記」「文字禍」が掲載。そして、5月号に掲載された「光と風と夢」が芥川賞候補になる。同年、喘息発作が激しくなり、11月入院。12月に逝去。

「2021年 『かめれおん日記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

中島敦の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×