- Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167838911
作品紹介・あらすじ
いまならば斬れる!田沼時代から清廉な定信時代への過渡期。人を斬ったことのない貧乏御家人が刀を抜く時、なにかが起きる。第18回松本清張賞受賞作。
感想・レビュー・書評
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ミステリー仕立てでなかなか面白かった。しかしヒロインも脇役も唐突にあっさり死に過ぎ。江戸の頃は箱崎のあたりに中洲なんてのがあったんだねえ。
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時代小説ながら、途中までのミステリー感はすごかった。これが最後まで続けば文句なしの五つ星だったが。。ミステリーなしとしても、一人の青年の成長の物語として読み応えがあった。
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時代ミステリーの形をとっているが、いろんな読み方ができ、作品の主題も人によってはいろんな風に捉えるのではないだろうか。
現在にも通じる格差と貧困、若者のアイデンティティ探し、友情とは?様々なテーマを含んでいるので、読む人によって違う読み方が出来るでしょう。
文章が良いので非常に読みやすかったのですが、もう少し書き込んで欲しいところもあったかな。 -
254頁を薄いとみるか、厚いとみるか。
筆者作品は「妻をめとらば」から惚れ込んで読んできただけに、文体、内容、着地は文句ない。
が、しいて言えば人間性の書き込みがあっさりしすぎか。
松本清張賞という冠に疑問を抱いたが、次々と殺されて行く江戸の社会と舞台の中州で蠢く邪念疑念のウソ寒さ・・若者を取り巻く息苦しさに加えて圧倒的な貧困と先の見えない人生の道程。
見方を変えれば種々の面白さが見えるだろうが、全く五里霧中の筋と捉える向きがいても驚かぬ・・終始流れる霧の様な。。
私はあえてそこをミステリーの醍醐味と思い、筆者ならではの語彙の美しさも楽しんだ。 -
賄賂まみれだった田沼意次の時代から、清廉潔白な松平定信の時代に移り始めた頃の江戸。幕府が開かれてから百八十年余りたった天明の時代に、貧乏御家人の村上登は、道場仲間と希望のない鬱屈した日々を過ごしていたが、ある時、一振りの名刀を手にしたことから物語が動きだします。第18回松本清張賞受賞作。
(2011年)
— 目次 —
白樫の樹の下で
解説ーーラスボスを捕えよ/島内景二 -
可哀想な登、恋人も大切な友人たちも大勢が死んでしまった!
刀を手にしているって大変なことなのね! -
えー、青山文平氏って天才じゃん!!
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内容(「BOOK」データベースより)
いまならば斬れる! 人を斬ったことのない貧乏御家人が刀を抜く時、なにかが起きる――。
幕府開闢から180年余りが過ぎた天明の時代。江戸では、賄賂まみれだった田沼意次の時代から、清廉潔白な松平定信の時代に移り始めた頃。二本差しが大手を振って歩けたのも今は昔。貧乏御家人の村上登は、小普請組の幼馴染とともに、竹刀剣法花盛りのご時勢柄に反し、いまだに木刀を使う古風な道場に通っている。他道場の助っ人で小金を稼いだり、道場仲間と希望のない鬱屈した無為の日々を過ごしていた。ある日、江戸市中で辻斬りが発生。江戸城内で田沼意知を切った一振りの名刀を手にしたことから、3人の運命は大きく動き始める。
令和3年2月26日~3月2日