花の鎖 (文春文庫 み 44-1)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167860011

作品紹介・あらすじ

9月にドラマ化決定。驚きのラストが胸を打つ!元英語講師の梨花、結婚後に子供ができずに悩む美雪、絵画講師の紗月。3人の女性の人生に影を落とす男K。著者渾身の傑作ミステリ。

感想・レビュー・書評

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  • 花、雪、月と3つの章立てでストーリーが進む。
    いずれも主人公の名前から一字が引用されている。花の章は梨花、雪の章は美雪、月の章は紗月が主人公の物語。梨花は両親をなくし、育ててくれた祖母がガンで入院している。謎の'K'と名乗る人物から毎年同じ日に母親宛に立派な花が届く。どうして届けられるのか、母親とKの関係は?母親は生前その理由を語らず、母の死により謎のまま封印されている。美雪は伯父のいる会社で職場結婚するが子宝には恵まれない。夫は伯父の息子(美雪の従兄弟)と仕事で繋がっていくが、従兄弟と出かけた先で突然崖から落ち亡くなる。美雪は死に至る不自然な経緯が納得できてない。美術館の設計で最終選考に勝ち残った夫の設計、夫が勤める事務所を経営する従兄弟との間には確執がある。紗月は母親と二人暮らし、水彩画の講師をしながら、梅香堂という和菓子屋でアルバイトをしている。大学時代に入っていた山岳部の旧友から夫を助けてほしい、と突然の連絡をうけるが、どうしても承諾できない訳がある。過去の因縁か理由は語られないまま謎として残る。この3つの章は、梅香堂の和菓子を通して関係性ができてくる。独立していると思われた3つの物語は、Kの謎が解明されることで急速に繋がっていく。複雑な人間関係が時を隔てて、急速に収斂する。整理しながら読まないと迷路に迷い込む。改めて、湊かなえ作の素晴らしさを知る。

  • 改めて湊かなえさんの作品の良さを感じました。
    何人かの登場人物の視点から話が最後に繋がりますが登場人物の多さと人によって状況や場面が違うので頭の中で整理するのが大変でした。
    整理しきれず読み終えましたがなんとか最後で繋がってすっきりすることができました。
    少しずつ話が繋がってくるまでこの話とこの話がどう繋がってくるのかとわくわくしながら読んでいました。
    まだ何もわからない最初の段階から和菓子屋さん、お花、山など所々に伏線がありそれが少しずつ回収されていくので続きをどんどん読みたくなりました。

  • 物語の見せ方がとても綺麗だった。
    3人の女性の展開や関係性が独立だったのが,徐々に紐解かれる感じがよかった。気づくタイミングは個人差ありそう…
    もう一回読んで,伏線(?)を楽しみながら読みたい。

  • 普遍的な愛というより、女性的な観念を押し付けられているように感じてしまいました。
    長く引っ張った割にインパクトの無いKの正体は単なる自己満足おじさんをはじめ、男性登場人物がつまらない...
    ただ単調になりがちな山登りのシーンの、草花や岩石の表現がさすがで自然の美や優しさや孤高を文章で表現するのは本当に素敵です。

  • 3つの話の主人公と登場人物がパズルのようにはまっていくのだが なんだろう?「お〜!」と感動しないのは 構成で楽しませる作品かな?肝心の本筋や真相であまりひきこまれなかったです

    雪月花ー親と子の名前にこんな美しい繋がりを持つことができれば、どんなにすばらしいでしょう。

  • 3人の女性の物語。

    湊かなえ独特のドーンとくる暗さはなく、ミステリー要素はあれどそれぞれの女性の生き様が描かれる。途中、人間関係があれれ?てなりメモ取りたくなったがそのまま一気に読み切った。

    衝撃のラスト!わぁ!みたいのはなかったが、読後感はいい。

  • これ、わたしすき!!!!
    三人の女性がそれぞれの視点で話が展開してきます。
    全てが繋がった時!!!!ああ!!!!
    ってなる!
    すきー!!!

  • 梨花の家には毎年Kという人物から花束が届きます。
    湊かなえさんの作品のNの為にのようにイニシャルにKが付く人が沢山出てきてこのKという人物の特定が困難になっています。
    作品名「花の鎖」ですが、3人の女性主人公目線で描かれていますが舞台となる場所や登場するお店が全て同じ為に読み始めは少し混乱してしまう所がありました。
    3人に共通するアイテムは花なのですが何故鎖なのかというと、この3人祖母「美雪」母「砂月」娘「梨花」の関係にありGeneretion chainという感じです。
    描き方が巧妙で物語半ばまで3人が親族であるという確信が持てず、いつか鉢合わせるのではないかと思ったほどでした汗
    3世代に渡る北神家との確執も最終的には晴らす?解決?なんという表現をしていいのか私には難しいですが丸く収まってよかったのかな?

  • 途中途中であれ?となる部分があり自分の中で人間関係の様子が繋がっていくのが面白かったです。相関図がないと少し頭がこんがらがりますが面白いです。人物名の呼び方などから時代が読み取れて時代がわかるくらい特徴がある日本語(喋り方?)って凄いなって思いました。私はまだまだ未熟なので個人的にはもうちょっとスッキリしたかった感はありました。

  • 2024/2/23

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著者プロフィール

1973年広島県生まれ。2007年『聖職者』で「小説推理新人賞」を受賞。翌年、同作を収録した『告白』でデビューする。2012年『望郷、海の星』(『望郷』に収録)で、「日本推理作家協会賞」短編部門を受賞する。主な著書は、『ユートピア』『贖罪』『Nのために』『母性』『落日』『カケラ』等。23年、デビュー15周年書き下ろし作『人間標本』を発表する。

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