邪悪なものの鎮め方 (文春文庫 う 19-15)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 40
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  • Amazon.co.jp ・本 (339ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167900151

感想・レビュー・書評

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  • まえがきに「どうふるまっていいかわからないときに適切にふるまうためにはどうすればいいか」を書いたとあり、第一章、第二章まではワクワクしながら面白く読んだ。が、後半、テーマが微妙にずれてしまったような気がして、ちょっとガッカリ。

  •  私は内田さんの考え方が好きだ。
    この本も面白かったな。

  • 久々の内田樹。
    相変わらず小難しいこと書いてます。わからないところはすっ飛ばし(笑
    武田鉄矢がラジオ番組で取り上げ、朝から訳わからんこと言うてたことがあったな・・・ぷっ

  • 邪悪なもの、といえば感情? と思い読んでいたら
    そうでもなかったです…。
    てっきり嫌な人との付き合い方系かと思っていたので
    予想外でがっかり。

    言いたい事は何となく分かるのですが
    勝手に誤解して読み始めてしまったので
    何となくがっくり感が最後まで続いてました。
    おかげで内容がそれほども脳内に残っておらず
    自分に損した気分でした。

  • 邪悪なものと対峙した時、人はどう対応したらよいのだろうか?そんなとっかかりから話が進んでいきますが、かなり幅広いテーマを扱っていて、全然飽きない。確かにそうだとか、あぁそうか!とか。気がつかされることが多くて刺激的な本でした。

  • 内田さんのブログの記事の再録本。今回もいろいろ考えさせられました。
    「清水の舞台から飛び降りる」ような切羽詰った状況で下を見ずに飛び降りても、ちゃんとセーフティネットに引っかかるような直感の働き。「どうふるまってよいのかわからない場面で適切にふるまうことができる」こと。内田さんは人間の知性とはそういうものだといいます。なるほど~。

    『1Q84読書中』にある、「おそらく読者は物語を読んだあとに、物語のフィルターを通して個人的記憶を再構築して、『既視感』を自前で作り上げているのである」という記述は目からウロコ。小説を読んで、その中のエピソードや空気を自分の経験や感性と重ね合わせるとき、確かに脳内でそんなことしてるのかも。

    『記号的殺人の呪い』では、秋葉原の無差別殺傷事件を例に、無差別に命を奪われた「記号的殺人」の被害者たちは「誰でもよかった」と言われることで「死んだ後にもう一度殺される」、という表現にハッとさせられます。そして、こういう事件の容疑者が以前にあった無差別殺傷事件に言及することを「歌枕」の構造に喩えて論じる部分は、私にとってまったく新しい視点からの話だったけれど、本当にそうだと深く深く納得。

    『妥協と共生』の、ご飯を食べるときに忙しく箸を使う「右手」が「口」に対して「おれはただ筋肉疲労がたまるだけなのに口のヤローは美味しい思いしやがって」と不満に思うことだってあるかもしれないけど、身体全体としてはうまくいってる、という「共生」の喩え話には笑えました。

    次から次に面白い話が出てくる一冊。頭の中をガラガラと引っ掻き回される感じで楽しめました。

  • 内田樹の邪悪なものの鎮め方を読みました。
    内田樹の主張が記述されているエッセイ本でした。

    「子ども」から大人になれない人が増えすぎた社会、習慣としての「読字」の重要性、偏差値教育の弊害、記号的殺人の邪悪性、モラルハザードの構造、「常識」とは、現在の科学では証明出来ないものもあるかも知れないという柔軟性が大事、など面白い話題が満載でした。
    それぞれの主張は面白いだけではなく、自分の生き方に組み込んでみたいな、と思うものもたくさんありました。

    最後の章は内田樹が学生に向かって語りかける形で書かれていて、こんな先生に指導される学生たちは幸せだなあと思ったのでした。

  • 武道関連の話、霊的な話、家族とは、現代社会のわたりかた・・・内容としてはいつもの内田節、安定のおもしろさ。名越康文が解説で言及している「明るいニュートラルさ」が存分に発揮されていて、いい意味で感染力がある。
    読むと世間の情報に毒された頭がすっきりさっぱりする。だから毎日ちょこちょことでも読み続けるといいかなと思う。

  • 内田先生の霊性本
    といってもオカルトではない。いくつも、読み返したい項目があるが最後の小学生向けの文章は秀逸だと思う。学ぶとは未知に備える想像力を鍛えることだ。
    人を見る目もしかり。答えのわからないことへの直感が霊性なのだと解釈する。

    自分を愛すること、機嫌よくいること、なぜかこの人の言説は説教臭くない。

  • 「邪悪なもの」を怒ったり闘ったり、恐れたり避けたりするのではなく、「鎮める」というタイトル。「適切に振る舞う」ことへの示唆に富む内容。

    「秩序のようなもの」は「隗より始めよ」。「子ども」の数が増え過ぎた現代日本。「被害者である私」による呪い。シリアルキラーの凡庸さに呆れてみせること。なぜアメリカが日本にかけた呪いが解けないのか。「そのうち役に立つ」と合切袋へ放り込む。「内向き」内需を極めて何が悪い。レッツ、ダウンサイジング。
    文庫版あとがきの「うめきた大仏と人間的尺度」の話がまたステキ。

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著者プロフィール

1950年東京生まれ。東京大学文学部仏文科卒業。神戸女学院大学を2011年3月に退官、同大学名誉教授。専門はフランス現代思想、武道論、教育論、映画論など。著書に、『街場の教育論』『増補版 街場の中国論』『街場の文体論』『街場の戦争論』『日本習合論』(以上、ミシマ社)、『私家版・ユダヤ文化論』『日本辺境論』など多数。現在、神戸市で武道と哲学のための学塾「凱風館」を主宰している。

「2023年 『日本宗教のクセ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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