- Amazon.co.jp ・本 (247ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167900342
作品紹介・あらすじ
日本人とは何者か? 比類なき予言の書“あの事故”で国土を失い、世界各地の難民キャンプで暮らす日本人。確かな情報も希望もなき異邦の地で「日本人として」生きる人々。
感想・レビュー・書評
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東日本大震災前に、原発事故を予言したかのような内容は、その事だけでも話題性があるだろうが、日本という国において原発事故をシミュレートした物語を創作するのは、そこまで奇跡的な事では無いような気もする。寧ろ、事故を切り口に中国やチベットの関係に絡めながら抜き出したトリミングが、勝谷さんならでは、だろうか。しかし、純文学に寄せている分、ノンフィクション性が薄れたのは勿体ない。
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コーマック・マッカーシー「ザ・ロード」に負けない日本の文学。スケールも大きいし悲しみもかけています。テレビの印象があるのかもしれないけれど置いて読んでほしいな。質の高い文学作品だと思います。日常についていろいろ思ったり日本酒が飲みたくなったり原発の向こう側の作品です。福島原発事故前に書かれた作品で踏まえて書いてない中で、これを書いたのはすごいなと思う。ただ、そういうの抜きにして日本に住んでいる文学好きには多く手に取ってほしい作品。
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最後まで、読めませんでした。そんな内容です。
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原発の事故で日本に住めなくなり民族離散(ディアスポラ)した話。チベットの難民キャンプと被曝しながら日本に残った人達の二本立て。生活に民族としての苦悩やその生活の中での苦悩が描かれている。百田尚樹の解説によると、純文学で売れないらしい。話に救いがなく読みやすいわけではない。 -
【日本人とは何者か? 比類なき予言の書】“あの事故”で国土を失い、世界各地の難民キャンプで暮らす日本人。確かな情報も希望もなき異邦の地で「日本人として」生きる人々。
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10年以上前に書かれた現在の日本を暗示するかのような純文学的な小説。表題作の『ディアスポラ』の他に『水のゆくえ』を収録。
『ディアスポラ』とは民族離散という意味のようだ。ある事故で日本列島に居住不能となり、チベットの難民キャンプに暮らす日本人の物語…
『水のゆくえ』も原発事故後の日本を舞台に杜氏の一家を中心に物語が展開する…
二編のいずれも、日本人なら悲しみを覚えるような小説である。