世界を変えた10冊の本 (文春文庫 い 81-2)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (279ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167900366

感想・レビュー・書評

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  • 一度は触れてみたかったけど、なかなか手が届かなかった世界的名書を、池上さんがわかりやすく噛み砕いて説明してくれる本です。

    特に、
    第4章 プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神
    第8章 種の起源
    が個人的に面白かったです。
    宗教の定義や自然科学の定説が、その当時の人のビジネス観に大きく影響を与えていたというお話がありました。
    無関係に思える世界が影響を与え合っているという事実が新鮮で興味深かったです。

  • 世界に影響を及ぼしたであろう10冊の本が、池上さんらしく紹介されています。

    元々世界文学に興味があり、それらを読み解くには宗教・聖書や神話などの知識がないと理解が浅くなるな、と感じてはいましたが、この本によってさらに再感しました。宗教vs科学、社会・経済発展vs自然など一方に偏らず、「さあ、皆さんならどう感じますか?どう考えますか?」と問いかけてくる内容が、池上さんらしい文章になっています。
    紹介されていた本を読みたいとは思いますが、この本を読むだけでも、現在の世界が抱えている問題・課題を知ることができるように感じました。

    雑誌で連載されていたものをまとめた書なので、さらっと読める点も良かったです。

  • 本が自分自身を変えたのと同じで、世界を良い方にも悪い方にも向かわせることができる本が世界を変えうることを知った。
    おそらく自分からは手に取らなかったであろう名著を池上さんのわかりやすい解説で興味がそそられた。

    小手先のHOWTO本を読む前に、まずは原点を理解しなきゃなあ、そう思えました。宗教・経済学についてより深く学んでみたいというきっかけをくれました。

  • 宗教、経済、人類創生、進化論など多岐に渡る世界にインパクトを与えた本の紹介。著者の解説を読むと、世界は宗教に大きな影響を受けていることがよくわかる。

  • 聞いたことはあるが読んだことがない本の紹介で新鮮。わかりやすく書いてもらってはいるが個人的には難しいものが多かった。

    ・アンネの日記:イスラエル存続の一因
    ・旧約聖書:ユダヤ教徒、新約聖書:キリスト教徒独自
    ・コーラン:イスラム教の教え
    ・プロ倫:禁欲に関するキリスト教の教え→資本主義
    ・資本論:資本主義の欠陥を知る
    など。

  • ちっぽけな一個人の考えなんて、世界どころか近くの人間にさえ大した影響を与えられないんじゃないかと諦めに似た思いを持っていた。だから、一個人(複数人もあるけど)がその思想を記した一冊の本が世界を大きく変えたという事実は衝撃だった。これは素晴らしいことでもあり、同時にとても恐ろしいことだとも思った。

  • 聖書の違いを理解できた。
    池上さんの解説はやはりわかりやすい。

    紹介していた本の中でも特に「アンネフランクの日記」は読みたくなりました。
    池上さんの指摘する箇所を意識しながら読むと面白そう!

  • ご存知 池上彰氏が選ぶ世界を変えた本。
    大きな影響を与えたものということでいうと、宗教や経済などがどうしても挙げられますが、もう少し広い分野で選ぶとなると、どういう本だったのか、というのは、興味があります。
    原典にあたるのが当然いいとは思いつつ、なかなか手が伸びないものも多いので、こういった概要をつかんで理解しつつ、将来的には原典に挑戦したいと思います。


    ①アンネ・フランク『アンネの日記』
    ・「弱いものは狙われます。けれども強いものは生き残り、けっして負けることはないのです!」
    ・中東問題の行方に大きな影響力を持っている
    ・イスラエルが今も存続し、中東に確固たる地歩を築いているのは、この本の存在があるから

    ②『聖書』
    ・「罪が赦されるように、多くの人のために流されるわたしの血、契約の血」
    ・世界史そして欧米文化を知る基礎

    ③『コーラン』
    ・「汝らに戦いを挑む者があれば、アッラーの道において堂々とこれを迎え撃つがよい。だがこちらから不義をし掛けてはならぬぞ。アッラーは不義なす者どもをお好きにならぬ」

    ④マックス・ウェーバー『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』
    ・「労働者は労働を神が望まれた生活の目的と考えて、熱心に働くのだった」
    ・宗教と経済の意外な関係を分析
    ・厳しい禁欲を守っていたプロテスタントこそが、職業倫理を守ることで、資本主義経済で成功していった道筋を分析
    ・資本主義の精神「正当な利潤を組織的かつ合理的に、職業として追い求めようとする心構え」→資本主義的な企業を推進する原動力

    ⑤カール・マルクス『資本論』
    ・「資本制的私的所有の終わりを告げる鐘が鳴る。収奪者たちの私有財産が剥奪される」

    ⑥サイイド・クトゥプ『イスラーム原理主義の「道しるべ」』
    ・「イスラームが全人類を導く役割を果たすためには、イスラーム共同体が原初の形でよみがえらなければならない」
    ・オサマ・ビンラディンの教本

    ⑦レイチェル・カーソン『沈黙の春』
    ・「私たちはだまされているのだ。その行きつく先は、禍いであり破滅だ。」
    ・世界が環境問題に取り組むきっかけ

    ⑧チャールズ・ダーウィン『種の起源』
    ・「われわれの知識は浅いのに、思い込みだけははなはだしい」
    ・キリスト教社会の根底を揺るがした

    ⑨ジョン・M・ケインズ『雇用、利子および貨幣の一般理論』
    ・「われわれが生活している経済社会の際立った欠陥は、それが完全雇用を与えることができないこと、そして富と所得の分配が不公平なこと」
    ・経済不況を救う処方箋となった

    ⑩ミルトン・フリードマン『資本主義と自由』
    ・「政府の仕事は、個人の自由を国外の敵や同国民による侵害から守ることに限るべきだ」
    ・リバタリアン(自由至上主義)
    ・小さな政府と個人の自由を重視


    <目次>
    第1章 アンネの日記
    第2章 聖書
    第3章 コーラン
    第4章 プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神
    第5章 資本論
    第6章 イスラーム原理主義の「道しるべ」
    第7章 沈黙の春
    第8章 種の起源
    第9章 雇用、利子および貨幣の一般理論
    第10章 資本主義と自由

  • 10冊の選び方にストーリー性があってよい

  • 聖書、コーラン、アンネの日記、道標、プロ倫、沈黙の春、ダーウィン、マルクス、ケインズ、フリードマンの要約。もともと雑誌の連載。Good read

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著者プロフィール

池上彰(いけがみ・あきら):1950年長野県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、73年にNHK入局。記者やキャスターを歴任する。2005年にNHKを退職して以降、フリージャーナリストとしてテレビ、新聞、雑誌、書籍、YouTubeなど幅広いメディアで活躍中。名城大学教授、東京工業大学特命教授を務め、現在9つの大学で教鞭を執る。著書に『池上彰の憲法入門』『「見えざる手」が経済を動かす』『お金で世界が見えてくる』『池上彰と現代の名著を読む』(以上、筑摩書房)、『世界を変えた10冊の本』『池上彰の「世界そこからですか!?」』(以上、文藝春秋)ほか、多数。

「2023年 『世界を動かした名演説』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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