- Amazon.co.jp ・本 (429ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167902933
感想・レビュー・書評
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私が間違っておりました。申し訳ございません。
上巻を読んで、「男の人が好きそうな小説だよね~」なんて知った風なことを書きましたが、まったくもって浅はかでございました。
だってさー
“己の信ずるまま職務を遂行した。明日のためにではなく、今日のために今日を使い切った。”
とかさー
“「上は変わるが職務は不変だ。広報のことは広報室で決める。今ここにいる俺たちが決めるんだ」
「上イコール組織です。組織の意志を無視した広報なんて広報と言えません」
「個人の集まりが組織だ。個人の意思が組織の意志になることがあっていい」”
とか、男の人の好きそうなお仕事小説。組織論なんだもの。
女の私はたいがいこういうのの外にいさせられますから、「け」と思って読んでいた部分があります。
けど、残り200ページ、第二の誘拐事件が起きたことによって、大きく話が動きます。
まさに怒涛の展開。
ページを繰る手が止まりません。
そして事件の全貌が明らかになったとき、第二の誘拐事件の犯人たちの人生を思うと涙が止まりませんでした。
ネタバレになってしまいますから詳しくは書けませんが、実行犯の彼の義に殉じた人生と、彼の家族の今後を思うと…。
上巻を読んで感じた数々の小さな違和が、最後まで読んだときにきちんと決着がついていました。
そもそもこれは三上目線の語りなわけです。
彼は刑事という仕事、つまり人間を見きわめることを生業としてきたので、彼の人間観察は多分正しい。
だけど、彼が揺れると、私も揺らいでしまう。
誰が本当に信じられる人なのか。
どれが先入観で、どれが客観的な判断なのかを、常に整理しながら読まないと流されてしまう。
そう思いながら読んでいたのに、雨宮の「大丈夫か?」には、そんな意味が込められていたとは。
上巻を読んでいたとき、誘拐がメインじゃないのなら、タイトルに偽りありなんじゃないの?なんて思っていましたが、これはもう、このタイトルでなければなりません。
全てはそこから始まったのですから。
ただひとつだけ疑問な点を。
三上が佐藤浩一ってミスキャストじゃないの?
彼がお父さんだったら、娘の家出はないんじゃない?詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
下巻後半の後半にぐっとストーリーが進み出す。上巻から歯軋りするような苦しい人間模様に翻弄されたが、ここにきて全てはやはりここに繋がった気がするのだ、ロクヨン。物語はここまでだが、ロクヨンの捜査は新しい展開を迎えさらに続いていく。そして、それが解決されときには広報課は確実死ぬことになる。しかし今の広報課はそこで終わることはないだろう。三上をはじめ課員たちは必ずや記者や世間に叩きのめされても立ち上がり誇りを持って仕事を全うするはず。
ロクヨン被害者である雨宮の電話の数字ボタンを押す指先。元刑事、幸田の示す正義。松岡参事官の背中に、権力争いの上層部の怒鳴り声、記者たちの罵声に……いろんな人間の感情が上下巻を読み終わったあと胸の奥を駆け抜けていった。
「たまたまが一生になることもある」元刑事部長尾坂別の言葉は、わたしの中に重く響いた。 -
上巻があるなら下巻もと買った一冊
怒涛の展開の話だった。
64といわれる事件の解決の話ってより警察内部の問題の話って感じした上巻
下巻の後半は急に64事件の解決に繋がる事柄に
問題を新たな問題が潰したが、その問題がまた新たな問題を起こし、その問題を解決する為に動いたら過去の問題が解決しそうになる見たいな感じで、正に怒涛の展開だった。
主人公の考えを細かく書いてあるが、深読みがすごく理解力のない自分にはちょっと難しかった。
主人公の娘はどうなった?
警務部と刑事部の関係は?
なんとなく消化不良な所もあるが最後まで楽しめた小説でした。
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広報官三上は過去、刑事課に所属していた。
昭和天皇が崩御した、あの昭和64年に起きた幼女誘拐殺人事件、通称 " 64 ( ロクヨン ) を担当した捜査官であった。
事件は犯人逮捕に至らず、警察組織の大失態で未だ解決されていない。
記者クラブ、警察上層部、被害者家族との間で苦悩するが、迷いながらも懸命に立ち向かう。
横山秀夫ならではの上質なミステリーである。 -
まさか、まさかの展開。
雨宮さんは何かあるとは思ったけど、そう来たか!
ぐいぐい引き込まれてしまいました。
三上さんって男気のある人だなと思いました。そこに美那子さんが惚れたんでしょうね。