- Amazon.co.jp ・本 (305ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167907679
作品紹介・あらすじ
天朝様が江戸城に玉体を運ばれる日が近づく。が、六兵衛は、いまだ無言で居座り続けている……。虎の間から、松の廊下の奥へ詰席を格上げしながら、居座るその姿は、実に威風堂々とし日の打ち所がない。それは、まさに武士道の権化──。だが、この先、どうなる、六兵衛!浅田調に笑いながら読んでいると、いつの間にか、連れてこられた場所には、人としての義が立ち現れ、思わず背筋がのび、清涼な風が流れ込んでくる。奇想天外な面白さの傑作です。解説・青山文平
感想・レビュー・書評
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江戸城無血開城が決まっても居座る旗本がいた。彼の正体について様々な説が出る。全てを明らかにしない終わり方もありである。
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面白かった。しかし、ちょっと消化不良です。
江戸城明け渡しが決まった中、一人だけ居座り続ける御書院番士、的矢六兵衛。
彼をめぐるミステリー仕立て?の展開となっています。
下巻では、六兵衛の正体がさまざまな憶測で語られていきます。
誰も顔を見たことのない徳川慶喜説
公家からの間者説
イギリスからのスパイ説
などなど。
そんな中、六兵衛の居座る場所は宿直部屋からどんどん格上げして、ついには、最も高貴なお座敷の黒書院へ。
果たして、天朝様のご到着までに、退城させることが出来るのか?
六兵衛の正体は?
といった展開です。
六兵衛を通して武士の矜持が語られています。
そんな中、ミステリーとしては、その正体含めて、ちょっと納得がいかない設定です。
なので、ミステリー仕立てではありますが、ミステリーとして読んではいけません。
しかし、江戸時代末期に忘れられつつあった武士のあるべき姿や矜持が、新しい時代に変わっていく姿という意味では、とても意味ある終わり方でした。 -
武士道は言葉で表すものではないんだな。
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初めて読んだ歴史物
慣れなくて読み進めるのに苦労したー
武士の矜持、良心、わかるようなわからないような… -
的矢六兵衛とは何者だったのか?
ただただ無言で座り続ける男の正体を推理してゆくうちに、武士の矜持のとてつもない大きさをすこし実感できた。
徳川260年を最後に時代が大きく変わる様がよくわかるし、何より感動し、記憶に残る大好きな浅田先生の中でもとても大好きな二冊です。 -
そうかー、って終わり方でいまいち消化不良気味
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登場人物がストーリテラーとなり一人称で語っていく手法が盛り込まれていて、テンポ良く読み進めました。
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武士の鏡の黒兵衛。
最後の武士の黒兵衛。
浅田文学の真骨頂のラストがさわさか。