火花 (文春文庫 ま 38-1)

著者 : 又吉直樹

• 文藝春秋 (2017年2月10日発売)

感想・レビュー・書評

[くりりんさんの感想 · 2023年8月6日]

芸人にしてはもったいない上手い文章を書くひと

[くにたさんの感想 · 2023年8月2日]

小説を読んでから映像化をみたが
本のほうが圧倒的に読み応えがあった。
★5とまではいかなかったが
とても読みやすく、芸人ならではの語り方や表現でよかった。

[you さんの感想 · 2023年6月16日]

お笑い芸人という己をさらけ出して世間に問う生き方の過酷さや哀しさを初めて覗き見た気がします。繊細すぎて器用に生きられない主人公が筆者のイメージと重なり、せつないような、愛しいような、複雑な気持ちになりました。心を鈍感にしてサバイブする会社員と真逆の、繊細で不安定で創造的な生き方。どちらが幸せなんだろうか。きっと後者を選んだ人は、前者にはそもそも選べない人なんだろうな。

[ロトロさんの感想 · 2023年6月2日]

芸人が書く漫才師の話。
自分のプラットフォームの話なので、すごくリアリティがあるし、本当にこういう人いるんだろうなとか思ってしまう。

しっかり小説だった。
すごく話題になった本だけど、思った以上にすごい小説だった。正攻法というか。

会話は芸人っぽくテンポが出るんだけど、心情描写とかすごく小説だった

[あきとさんの感想 · 2023年5月23日]

何故これが芥川賞？とは思ったが、芸人特有の「自分は他と違うんだ」という痛い感じが面白かった。

[うめおさんの感想 · 2023年5月20日]

スパークスのラストの漫才で泣きました。
あの漫才にしようって考えた又吉さんすごいな。

神谷さん生きづらそうだな、、
苦しそうだな、、ってずっと読みながら感じた。
巨乳になったところはもう本当に悲しくなってしまった。何が正解か分からなくなっちゃったんだろうな。自分にも極端に独りよがりになって周りが見えなくなる性質があるから余計に心が抉られた。本当はすごく優しい人だから幸せになってほしいって私も思った。

就活の面接結果待ち中に読んだ。このタイミングで巡り会えて良かった。
自分にとって大事にしたい本になりました。
読み終わってからもなぜか暫く涙が止まりません。
又吉さんありがとうございます。

[あかりんごさんの感想 · 2023年5月19日]

うぁーー、好きだなぁ。。
最後まで、あからさまにやってやりました感がないこのかんじ、けど、じわぁって響くこの感覚。

特に後半が良かった、神谷さんというあほんだらが言うからこそなんか染みる言葉。面白い表現も多々あって、、芸人さんだからこそ書ける文体がなんかよかった。しかし最後のライブは泣けるよ。


漫才の世界って、その世界に関わってない限りあんま知ることはないけど、なんか世の中こういう人達もいるんだ、今もきっといるんだろな、って思えた。


◉メモ
スパークス　僕、相方
あほんだら　神谷さん、大林さん
真樹さん、由貴さん

・この長い月日をかけた無謀な挑戦によって、僕は自分の人生を得たのだと思う。
・神谷さんの頭上には泰然と三日月がある。その美しさは平凡な奇跡だ。

[主婦ねこさんの感想 · 2023年5月3日]

YouTubeの『有隣堂しか知らない世界』を観て又吉直樹さんの本に興味を持って今さらながらに手を取りました。好きなようなモヤモヤするような。とりあえず、読み終わった後に「次はどれ読もう」と、芥川賞受賞作品一覧を調べちゃうくらい面白かったけど、手元に残すのは…なんか抵抗感ある。これは小野不由美さんの『残穢』以来の感覚。

不器用ながら世間の価値観になんとか合わせて生きてる凡人の主人公・徳永さんの気持ち、すごい共感できて辛かったです(涙)。

自分の価値観を貫く神谷先輩に憧れる気持ちも、世間の価値観と自分の価値観を、針に糸を通すような気持ちで(作中の表現では“ざるの網目細かくして”)懸命に合わせてるときに、自分の価値観100%で生きてる人にイラっと来てしまう気持ちも、覚えがあるぞ。芸人さんもサラリーマンも一緒っすね。

ただ、神谷先輩が価値を感じている(ようにみえる)昔ながらのお笑いの感覚、女性の自分からすると苦手。「地獄」とか、(たとえ反対の意味でも)「死ね」とか強い言葉には抵抗感あるし、お金がないのに女の人にたかって、後輩に無理して奢るところもちょっと…。

既存のメディアよりはるかに厳しい倫理観のもとで魅せる作品を作ってる、まともなYouTuberに比べると、普通にテレビ出てる芸人さんに対してさえ、なにやってんだろ、と思うときがあります。いわんや神谷先輩をば。

というわけで、『火花』との相性はすこぶる悪い読者層なわけですが、それでも、おおいに『火花』にも神谷先輩にも魅力を感じた不思議な作品でした。

[おおつぼさんの感想 · 2023年4月25日]

案外に良くて、又吉をうらめしくも思った。芸人を目指す人生、それも悪くなかったんだろうな。

[いちゃ＠読書さんの感想 · 2023年4月15日]

第153回芥川賞受賞作品。
自身が芸人である著者にしか書けない心の機微、人間関係、芸への想いが書かれている。
こんなに素敵な文を書かれる方とは知らなかった。

著者プロフィール

又吉直樹（またよし・なおき）
1980年、大阪府寝屋川市生まれ。2003年より、お笑いコンビ「ピース」として活躍。2015年『火花』で第153回芥川賞受賞。代表作に『東京百景』『劇場』『人間』など。

「2021年 『林静一コレクション 又吉直樹と読む』 で使われていた紹介文から引用しています。」