ひよっこ社労士のヒナコ (文春文庫 み 51-2)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167913663

作品紹介・あらすじ

「退職理由を自己都合から解雇に変えて!」元社員が怒鳴り込んできた。嫌がらせで異動させられたと言う彼女と会社の主張は平行線、やがて会社の不正が明らかに……(「五度目の春のヒヨコ」)。新米社労士の雛子(26歳、恋人なし)が6つの事件で奮闘。労務問題とミステリを融合させた人気シリーズ第1弾! 解説・吉田伸子

懲戒解雇でいいですね?⇔待ってください!

正しいのは、会社のリクツか人情か!? 新米社労士・ヒナコが挑む! 労務ミステリー登場


社労士とは?
社会保険労務士(国家資格)の略。労働・社会保険問題から年金まで、クライアント企業のお手伝いをする。

やりがい搾取 vs. 社員に登用
人事計画 vs. 産休育休
パワハラ上司 vs. 労災認定
利益 vs. 残業代

シリーズ第2弾文庫
『きみの正義は 社労士のヒナコ』
も好評発売中!

感想・レビュー・書評

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  • 新米社会保険労務士・朝倉雛子の6つの短編奮闘記。

    得意先で相談に乗りながら、問題を解決していく主人公を微笑ましく感じつつ、社労士の役割や労働に関する知識を得ることが出来て面白い作品だった。

  • ❇︎
    以下、6作の短編

    五度目の春のヒヨコ
    綿菓子とネクタイ
    カナリアは唄う
    飾りより、灯りより
    空に星はなく
    握りたい手は

    卒業時に内定が獲得できず、派遣社員として
    働く雛子は派遣先であらぬ疑いをかけられ、
    続くはずだった契約の終了を告げられた。

    自分が守られることのない立場だと痛感して
    悲しく悔しい思いを痛感する。

    雛子は職を勝ち取り、自分自身を守るために、
    切り捨てられない武器を身に付けようと
    一念発起して社労士を目指し、必死に勉強して
    社労士の資格を得、やまだ社労士事務所で
    資格を武器に働き始める。

    とは言っても、社労士としては全くの新人。
    ヒヨコの雛子の奮闘の日々の物語。

    社会で働いていくための参考になる法律や
    制度が分かりやすく物語になっていて、
    とても勉強になりました。

    法律は知ってるか否かで、労働者視点でも
    雇用側の視点でも、自分自身を守れるかどうか
    変わってくるため、少しでも知れてよかったです。

    ヒヨコと雛子の今後の成長を楽しみながら
    期待してます。

  • いろんなパターンで巻き起こる、企業内のいざこざ
    新米社労士が調べたり悩んだり考えたりする、そんな本。
    社労士って身近なのか身近じゃないのか、よくわからなかったけど
    あぁそうか総務経理部とは密接だよなーと改めて知ったし、自分が勤めているような中小企業には必要だよなと思った
    二十歳から社会人になり、かれこれ十数年
    分かっているようでいて分かってなかったことが沢山書いてあった。
    労働者の権利とか、会社のルール、沢山の決まり事の中で働いてて
    それでもやっぱり守らない企業が多くて泣き寝入りする人もいるし
    本の中で主人公のひなこがまだ若いからか弱い。
    これドラマにした方がいいんじゃないの、NHKあたりでどうだろうか

  • 今の私には受験資格が無いけれど、舞台が整えばいつか試験に挑戦してみたいと思っている社労士のことを少しでも知れたらいいな、と思い手に取った一冊。

    新米社労士のヒナコが、日々クライアントからの要望に応えていく中で学び、成長していくお仕事小説です。
    お仕事小説でありながら、ミステリー要素も兼ね揃えていて、読んでいて楽しみながら労務の知識を学ぶことが出来ました。

    クライアントからの無茶な要望に対し、法律を後ろ盾にして毅然とした態度で向かうヒナコはすごいなぁと思うと同時に、モヤモヤしたまま解決とされてしまう問題もあるのが、実際の現場のリアルさでもあるのかと感じました。

    続編2冊もまとめ買いしているので、次作でのヒナコのさらなる成長も楽しみです!

  • 26歳、新米社労士 朝倉雛子の物語。労務関係の問題解決に奮闘する姿は、新米と言えどもプロフェッショナル。

    社労士さんって実際どんなふうに仕事をされているのだろうと、ぼんやりと思っていた。この小説を読むと、その姿が浮かび上がってくる。また、労働関係の法律など今まで知らなかった情報にもふれることができて有益だった。

    雛子が社労士になる以前、契約社員だったころの話は理不尽で、実際の契約社員はこのような形でしか評価されないのだろうかと切なさと腹立たしさを感じずにはいられない。

    続編もあるので、ぜひ読みたい。

  • ややこしいからこそ仕事にできるし、なっているのだ。
    それまでに自分の身の丈を、合うようにせいいっぱい伸ばしていくのだ。

    社労士という仕事が少し理解できた気がする。
    社労士は働くみんなの味方かと思いきや、企業の経営陣を主な客とする1つの会社なんだと気づき、リアリティを感じた。
    一方で雇用されている側としても有給のことなどためになる情報がわかりやすく頭に入った。
    文章も癖がなく読みやすい。
    続巻は経営側、従業員側の視点両方で考えることができたのが有意義だった。ネットの炎上はやってしまった人が悪いと思っていたけれどその裏側にはブラックな会社体質などが隠れている場合があり、ただ責めるだけではだめなのだと学んだ。

  • 社労士に興味ありな人間としては楽しく読めたし、程よいリアリティの塩梅も良かった!!ちょっとお仕事ドラマとかになりそうな感じ。その分、本で読むにはやや心の動きというかドラマチックにややかけたかなぁという印象。

    あとがきより、
    >大海さんの物語は、映像喚起力が強いため、映像向きの作品が多いように思う。本書もまた然りで、個人的には、NHKの連続ドラマあたりに強く推したいところだ。  ちなみに、私の脳内妄想配役は、主人公の雛子は高畑充希、山田所長は尾美としのり、素子さんは石田ゆり子、丹羽さんは永作博美、というキャスティング

    是非是非、期待してしまう♡

  • 社労士はクライアントありきなのだけれど、心情として労働者も守りたい一心があり、そのあたりの落とし所に悩みや葛藤が生じる。こんさるをすることで、その職場環境が良くなり、かつ、会社の業績もあがるとやりがいを感じる。

  • 新人社労士ヒナコ
    社労士事務所のお客は会社の方なので働く人に肩入ればかりはできないもどかしさを感じる
    ヒナコは正社員になれない中派遣で働きながら国家資格の社労士をとったのだ
    いまの息苦しい働きかたをがまんしている多くの人々を描いている
    知ってるようで知らないことが分かるのは興味深いし読みやすい

  • 軽く楽しく、あっという間に読めた。社労士の仕事はこういう感じなのかと、様子がつかめた。お仕事小説で、今まで知らなかった職業について理解が深まるのは楽しい。主人公雛子は、色々と苦労しながらも、社労士一年目からクライアント先の様々な人たちと堂々と渡り合えてすごい。所属事務所のチームワークもよいからなのだろう。自分も自分の仕事に誇りを持って頑張ろうと、元気をもらえる。

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著者プロフィール

三重県生まれ。2009年、島田荘司氏選考の第1回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞優秀作を受賞した『少女たちの羅針盤』でデビュー。14年「五度目の春のヒヨコ」が第67回日本推理作家協会賞短編部門の候補に。20年『ランチ探偵』『ランチ探偵 容疑者のレシピ』が「ランチ合コン探偵 ~恋とグルメと謎解きと~」のタイトルでTVドラマ化。ほかに「社労士のヒナコ」シリーズ、『冷たい手』など著書多数。

「2022年 『ランチ探偵 彼女は謎に恋をする』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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