侠飯6 炎のちょい足し篇 (文春文庫 ふ 35-7)

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 273
感想 : 49
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167914752

作品紹介・あらすじ

シリーズ累計30万部突破!今回も、侠客の飯は熱くて旨い!!ひきこもりで毎日ゲーム三昧の風見蓮太郎、27歳。ある日、蓮太郎は父の意向で自立支援施設に無理やり入所させられます。施設の生活は退屈で、三度の食事はコンビニばかり。そんなとき、近所の食堂に現れたのは、頬に傷持つあの男!男は蓮太郎たち寮生に絶品料理をふるまうのだが、そこに隠された思惑とは⁉ストーリー展開の面白さはもちろん、コンビニ食材を活用したメニューや、ひと手間で激的に旨くなるコツなど、マネしたくなる料理テクニックも魅力のシリーズです。

感想・レビュー・書評

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  • 福澤徹三『侠飯6 炎のちょい足し篇』文春文庫。

    早くもシリーズ第6弾。文庫書き下ろし。今回も柳刃竜一と火野丈治の2人が料理の腕をふるい、悪を斬る。今回はコンビニ惣菜にひと手間加えた激ウマ料理のレシピが紹介される。

    大学を卒業するも司法試験に挫折し、引きこもりとなり、毎日ゲーム三昧の27歳の風見蓮太郎は父の意向で自立支援施設に無理やり入所させられる。退屈な施設の生活を送り、コンビニの三度の食事にも飽きた蓮太郎が訪れた近所のヤカラ食堂で出会ったのは、こわもての柳刃竜一と火野丈治だった……

    毎度お馴染みのワンパターンなのだが、全く飽きが来ないのは日本人の身体に染み付いた水戸黄門のお約束パターンと同じだからだろう。

    ①最初に問題を抱えた一般人が主人公として描かれる。②主人公の前に、謎の男、柳刃竜一が火野丈治を従えて現れ、料理で魅了する。③大詰めを迎えると柳刃と火野が自らの正体を明かし、主人公の背後に居る悪を懲らしめる。④柳刃と火野は次なる悪と対決するために静かに去る。

    今回もまたお馴染みのパターン。

    本体価格670円
    ★★★★

  • すっかりおなじみ、侠飯(おとこめし)シリーズ第6弾。

    風見蓮太郎(かざみ れんたろう)27歳は、製薬会社重役の父と二人暮らしだが、独善的な父と対立し、目指す“司法試験予備試験”にもなかなか受からず、ゲームにはまりこんで引き篭りになってしまった。
    そこへ、自立支援施設の職員と名乗る男たちがやってきて、父の意向で施設に入ってもらうことになった、と連れ出される。

    この本を読み始めたタイミングで「引き出し業者」の事件をヤフーニュースで見て、初めてその名を知った。
    何とタイムリー!

    今回も、悩める青少年の味方(本業はそこじゃないけど)、柳刃さんと火野さんが料理をふるまってくれる。
    近所にはコンビニしかないので、コンビニ飯のアレンジが今回のテーマだ。
    主人公たちと目線の近い火野さんの、話の聞き出し方が絶妙。
    そこへぼそっと、柳刃さんの渋い人生論が入る。
    息ぴったり。
    今回、柳刃さんの「ひきこもり」に対する考え方にはちょっと驚いたが、なるほど。

    そして、最後は二組の親子の問題でもあった。
    親の心子知らず、蓮太郎親子のケースは、子の心親知らずなところもあった。
    「炎のちょい足し篇」という副題がついているけれど、別の本だったら、エピソード⑧の「涙の親子丼」がサブタイになったかもしれない。

    お約束で、前作の主人公の名前がちょっと出るサービスも健在。


    プロローグ――ひきこもりと引きだし業者
    ①ちょい足しとアレンジで絶品コンビニ飯
    ②自家製タレと焼き方が秘訣。本格焼肉
    ③ジャンクな食材が大ごちそうに。手作りもんじゃ
    ④鍋とリゾットで二度美味しい。熱々ポトフ
    ⑤鯨ベーコンと貝柱とヅケマグロ。簡単海鮮づくし
    ⑥ステーキと本場のサルサが決め手。激旨タコス
    ⑦富士宮に横手に日田。ビールが止まらぬ名物焼きそば
    ⑧父と子の心をほぐす、この一膳。涙の親子丼
    エピローグ――弱きを助け、強きをくじく。任侠の道に挫折なし

    ―――――――――――――
    次回作に名前が挙がる時は、蓮太郎は弁護士になっているかなあ~?

  • シリーズ第六作。今回の舞台は、ひきこもりに対応する自立支援施設。その施設がブラックというより犯罪レベル。登場する料理は、焼肉、もんじゃ、ポトフ、タコス、焼きそば、親子丼。これは美味そうというのが無かった。


  • シリーズ6弾。
    貧困ビジネスに搾取されるひきこもり少年たちを襲う悪手。
    自立支援施設と称される寮での生活は軟禁生活。

    近所のヤカラ食堂に現れるはあの二人。
    頬に刃傷を持ち、小指が飛んだあの男とその舎弟。

    本作も実に美味しそうなレシピと共に味わいました。

  • 今回も任俠道まっしぐら!
    シリーズ第6弾の舞台は自立支援施設。
    入所するのもハードルが高く辛いのに、この施設が真っ黒!
    シリーズの流れを知っているだけあって、印籠がいつ炸裂するのかワクワクしながら読んだ。

  • ひさしぶりに続編を読んでみたけど、わかりやすくて面白い、スカッとした。料理も凝ったものではなく、でもガッツリしてて食べたくなるようなイメージ。
    170冊目読了。

  • 大学法学部を卒業して司法試験を目指す風見蓮太郎だが、ネットゲームにはまり挫折し引きこもりに入る。そんな時、青少年自立支援センターを名乗る男にびたみんビレッジという施設に入れられる。月80万で父親が依頼したという。実態は何もなされず外部との連絡も閉ざされほぼ監禁状態。唯一日に千円の食事代を渡されコンビニ通い。ある日寂れた飯屋に立ち寄るが、そう、そこは柳刃と火野の店。柳刃たちの目的は?ここからが、大きく話が展開し、企業と支援センターとの特別背任罪など立件となる。わかっていながら、柳刃と火野がどのように正体を明かすのか楽しみでワクワクする。

  • 水戸黄門化してきた本シリーズ。マンネリ感はあるものの、終盤のスカッと感が勝るので、なんだかんだで毎度楽しみにしていたりします。

    今回は悪徳自立支援施設が舞台で、親とソリの合わない青年引きこもりの蓮太郎がメインキャラ。

    悪役がいい感じにワルでムカつく分、大団円の爽快感もひとしお。

    蓮太郎が父と和解する場面は、よくある内容だったので何とも言えず。

    ラストにちょっと顔を出す葉月と和斗は前作登場キャラだったかな? 読んだのがだいぶ前なのでかなり記憶が…… 次からは最新刊読む前に復習しておこうと思います。

  • 久々に出社したので本屋をのぞいたら新作出てた〜と購入。通勤しないと本を読まないなぁとしみじみしちゃいました。

    というわけで今回は超ブラックな引きこもり矯正施設のお話。ある意味施設内の掃除をさせたり労働をさせては居るからあながちウソではないのかも(笑)友達も出来たしね!

    柳刃さんの、自分とひとを比べることで不満が生じる、という言葉にはそうだよな〜と納得しました。もちろん不平等は正さなければいけない問題もあるけれども、自分が他人になれるわけではないし。自分の人生は自分で何とかしないとイカンのだよな〜と頷きました。

    料理は相変わらず美味しそう。
    サルサソース、自分は火を入れたことないな。そっちの方が日持ちするんだろうか。餃子の皮でトルティーヤ代用ってのも面白いな〜 今度やってみよう!

  • お馴染みシリーズ第6弾。
    いつもクライマックスでは涙がホロリと来てしまうな。今回もグッとくるラストだった。
    料理もいつも通り美味しそうだけど、今回はコンビニで買えるものがメインだからいつも以上に簡単そう。試してみたい。

    前作の和人と葉月のその後も知れて良かった。

    続編も楽しみ!

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著者プロフィール

福澤 徹三(ふくざわ・てつぞう):1962年、 福岡県生まれ。ホラー、怪談実話、クライムノベル、警察小説など幅広いジャンルの作品を手がける。2008年、『すじぼり』で第10回大藪春彦賞受賞。著書に『黒い百物語』『忌談』『怖の日常』『怪談熱』『S霊園』『廃屋の幽霊』『しにんあそび』『灰色の犬』『群青の魚』『羊の国の「イリヤ」』『そのひと皿にめぐりあうとき』ほか多数。『東京難民』は映画化、『白日の鴉』はテレビドラマ化、『Iターン』『俠(★正字)飯』はテレビドラマ化・コミック化された。

「2023年 『怪を訊く日々 怪談随筆集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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