- Amazon.co.jp ・本 (395ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167915605
作品紹介・あらすじ
終戦後の昭和21年2月、内閣法制局の佐藤達夫は突然、憲法問題担当大臣に呼び出された。新憲法の日本政府案をGHQが拒否し、英語の草案を押し付けてきたという。その邦訳やGHQとの折衝を命じられた彼は、白洲次郎らと不眠不休で任務に当たる――。現憲法の成立までを綿密に描く、熱き人間ドラマ。今こそ読むべき「日本国憲法」誕生の物語。
感想・レビュー・書評
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終戦当時のエリートたちがいかに苦心して日本国憲法を作り上げたかがうかがえる本で、非常に勉強になりました。
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大人になったら憲法のことも勝手にわかるようになるのだと思っていました。大人になってからン十年、勉強せずに来たら何もわからないまま。自分の無知を暴露するようですが、日本国憲法は日本人が考えた憲法だと思っていたので、米国から差し出された原案を翻訳して作ったものだということに驚き、これはモキュメンタリー(=フェイクドキュメンタリー)なのかと訝ったほどです。恥ずべき私の物知らずぶり。
難しくて読了まで時間はかかったけれど、知ってよかった。原案があったとはいえ、日本人が考え抜いたことには間違いありません。白洲次郎が佐藤達夫を抱きしめるシーンには私も胸が熱くなりました。 -
今の日本国憲法はアメリカを始めとした外国から押し付けられたものではあるが、当時の日本人達が少なからずプライドを持ち、敗戦国であっても一国家であるという意地を持ち作り上げたもの。その憲法をどう育て、使いこなすかが今後の課題である。
本書はこう言ったことを伝えたかったのではないだろうか。
吉田茂、白洲次郎、マッカーサーといったメンツについては、色々エピソードや思想などについてまとめられた書籍を今まで読み漁ってきたが、肝心の憲法について、そして主人公佐藤達夫についてはあまり知識がなかった。その点で、また少し、終戦占領日本についての知識の幅が広がったような気がする。
一体、会話のどこからどこまで一言一句合っているのだろうか。ノンフィクション小説を書くことに対する疑問が強くなった作品であった。というのも、どれもこれも、特に金森氏の言葉の操り方が秀逸すぎたのだ。
吉田茂のGHQなんてゴーホームクイックリーだ!という言葉をまさか小説の題名にしてしまうなんて、吉田茂ファンとしてはこれ以上の喜ばしいことはない。 -
面白いけど、結構難しい
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戦後の日本の進む道をどうしていくのか、その礎となる憲法の草案、連合国軍総司令部のマッカーサーとの押し合いへし合い、日本人として譲れないところは、一歩たりとも譲らない。
アメリカ押し付けの憲法とも言われるけれど、敗戦・占領下で日本人の精神を憲法に反映させようとした当時の苦労が赤裸々と語られた史実に感慨深く読みました。 -
戦後すぐの改憲にまつわる事実をベースにして書かれた歴史小説。ぼんやりとしか知らなかった日本国憲法の成り立ちの解像度が一気に上がった気がする。
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終戦後の昭和21年2月内閣法制局の佐藤達夫は突然、大臣に呼び出される。それからの、彼の戦後人生を歴史の姿と共に描き出す。
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日本国憲法制定時にこのようなやりとりがあったことを初めて知る。誰もが必ず時代の制約のもとで生きなければならない。この言葉こそ、本作品のもっとも大事なメッセージではないだろうか。その中で、いかに精一杯生きるか。当時奮闘した人々の生き様を通じて、思い知った。
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【今こそ読むべき! 日本国憲法成立までを綿密に描く熱き人間ドラマ】昭和21年2月、GHQに憲法試案を拒否され英語の草案を押し付けられた日本。内閣法制局の佐藤らは不眠不休で任務に奔走するが。