神と王 亡国の書 (文春文庫 あ 77-2)

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167917944

作品紹介・あらすじ

 大ヒット『神様の御用人』の著者・浅葉なつの新作は、
 『古事記』からインスピレーションを得て生まれた
 「神」と「世界の謎」をめぐる壮大な物語。

構想に4年をかけ、緻密に作りこんだ設定、個性的なキャラクターたちが、
誰も知らない魅惑の世界へと誘ってくれます。
彼らの冒険を追ううち、いつしか読者は「命を司る者の正体」に迫ることに――? 


(『神と王』あらすじ)

 この世界に乱立する国々の中、古い歴史を持つ国・弓可留(ゆっかる)。
父の後を継ぎ、歴史学者として日々研究に励んでいた慈空(じくう)は
あの日、すべてを失った。
 他国の「神と歴史」を奪って肥大する隣国・沈寧(じんねい)が、弓可留の
宮殿に攻め入って王族を殺し、信仰のよりどころである国の宝珠『羅の文書』
を奪い去ったのだった。

命からがら逃げ出した慈空の前に、謎の二人組が現れ、ある「石」の在り処を問う。
その石こそは、慈空が親友だった王子から託されたもの――弓可留のもう一つの
宝珠「弓の心臓」だった。

「神はなぜ、国を見殺しにした?」

片刃の剣を持つ風天(ふうてん)、不思議な生物を手首に飼いならす
日樹(ひつき)、そして行商集団・不知魚人(いさなびと)出身の瑞雲(ずいうん)ら
と交わり、信じていた世界が根底から覆ってしまいそうな日々の中で
慈空は、『羅の文書』の奪還を決意する。
踏みにじられた故郷のため、亡き親友のため、そして――

●カバー画を担当するのは『キングダムハーツ』シリーズ『FF XIII』『グラブル』
『Fate/GO』『NieR リィンカネ』等に携わったイラストレーターの岩佐ユウスケ氏。
生き生きと躍動し、それぞれの信念を感じさせるキャラクター造形で『神と王』シリーズを盛り上げます。


大国の王太子や王太女、謎の青年たちが「世界のはじまり」を秘めた宝の争奪戦を
繰り広げつつ、「神は存在するのか」という根源的な問いに挑む――
読む者の胸にたくさんの矢が刺さる異世界ファンタジー誕生!

感想・レビュー・書評

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  • 【Vol.2:浅葉なつ】編集者が注目!2022はこの作家を読んでほしい! | ほんのひきだし
    https://hon-hikidashi.jp/enjoy/141835/

    【12月7日発売!】浅葉なつ新作ファンタジー『神と王 亡国の書』 | 特設サイト - 文藝春秋BOOKS
    https://books.bunshun.jp/sp/kami-ou

    文春文庫『神と王 亡国の書』浅葉なつ | 文庫 - 文藝春秋BOOKS
    https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784167917944

  • この作品もとっても楽しみにしていたのに、長らく積み上げたままで、やっと本日手にとり、その面白さに一気に読んでしまいました(*^^*)

     神話が中心になる物語はやはりとても心惹かれます。(古事記が元ネタと言われれば読みますって♪

     この物語は神のものである『羅の文書』と『弓の心臓』といわれる宝珠が中心になります。

     沈寧国は歴史が浅く、他の国を侵略し、その歴史を身の内に入れることによって、国の威信や長い歴史は自分たちの物であったということで誇りを保っているという設定が、とても面白かったです。

     そして神に近い地位にある人が語る「神は本当に助けてほしい時にたすけてくれるのか」という言葉や、「人を助けるのは人である」という言葉がいろいろと考えさせられました。

     それを読みながら思っていたのが、どなたか忘れてしまったのですが民俗学の先生が『神は自らを神とは主張しない。人がそれを求めた時、神は誕生する』という言葉だったりします。

     では、この二つの宝珠が今後どのような役目を果たしていくのかというのは次の巻へのお楽しみということになると思いますが、雨の一日を楽しく過ごさせていただきました。

     闇戸(くらど)とか、気になる言葉もあり、ワクワクです(≧▽≦)

  • 古事記からインスピレーションを得て生まれた浅葉なつのファンタジー。
    と言われればどうしても『神様の御用人』シリーズの印象が強い故、日本神話に纏わる物語かと思ってしまうが、いい意味で裏切られる。
    祖国を暴力により滅ぼされた主人公。王太子より託された宝珠を抱え命からがら逃亡するも謎の追手が彼に近づく。世界に存在する国と統治する国王、そこで信仰される神、国民、体の一部が獣である混ざり人、国籍を持たない行商集団の不知魚人、御柱の森、闇戸の住民である杜人等、物語の世界観を構成する謎の要素が満載。漢字の読み方に難を感じるもののグイグイ読ませるストーリーで楽しめる。

  • 古事記からインスピレーションを得て書かれたこの物語
    面白かったです!
    謎も色々あってこの先が楽しみ♪

    植物を凶暴化する「種」という生物とか、一軒の家ほどの大きさの甲羅を持つ不知魚(いさな)とか、混ざり者とか、大好き

    「神」とは何でしょう?

  • 始めは中々ストーリーに入っていけなかったが、途中から夢中でページを捲る。神とは?王とは?
    これ続く感じかなぁ?

  • 登場人物や国の名前がなかなか馴染まなかったのと、世界観が結構読み進めないと入ってこなくて途中までは詰まったけれど、最後は怒涛でした。

    とある国が滅ぼされ、追われる身となった少年が仇を取るという物語なのですが、それがいつの間にか物語の主軸ではないことに気づき、このファンタジー世界の序章のなかの一つのエピソードできた。

    主人公、この子じゃないの?のモヤりが、最後に解消されました。この子ね、と。


    2023.11.10
    179

  • 神とは、王とは何か
    不思議な力や急展開にドキドキ

  • 痛々しい場面や悲惨な場面も多いけれど、凄く面白くて読了後暫く胸がドキドキしてた
    1冊の書物を巡る重厚なファンタジー

    一人一人の登場人物とても良い、名前は覚えるの大変だけれども
    今作の主人公の慈空(表紙の人とは違う!笑)
    彼は大切な兄と呼べる者を殺される
    託された国の宝珠と共に逃げるが…彼が敵国に捕まり拷問を受けるのが痛々しい!
    爪を剥がされ指は折られ…拷問というからには実際にそういうものなのかもしれないが、読むだけで痛かった…


    神のあり方、そして王のあり方
    神は本当にいるのか、いるのであれば何故助けてくれないのか

    つい人は神に救いを求めてしまう
    そして、助けてくれないことに対し憤り諦める
    けれど本来の神とは助けてくれる存在なのだろうか
    ご利益ご利益と言われるが、ご利益をもたらしてくれるものなのだろうか…と
    けれど本来の神とは、人間に必要な火や水、風や土といったとのから生まれたり、素晴らしき偉人が神として祀られている
    だから、人が勝手に願望を押し付けたところで叶うはずが無いのかもしれない

    神という存在とは?と、問いかけてくるような1冊

  • こういう世界観ですよ、という挨拶も兼ねた話だったと思うので次巻に期待するところも多いけど、相変わらず名前の読み方以外は読みやすいです(笑)
    最後が少しあっさりした印象だったので、前述通り次巻に期待です。

  • 途中からわくわくがとまらなくなって一気に読んでしまった。神とはなんなのか、というところからラストのセリフに痺れてしまった。
    薫蘭とても好きだ……!!慈空も、まっすぐでとても好き。日樹も瑞雲も!(風天も、好きだけど…!)またみんなに会えるといいな。
    友であり兄である彼との関係がとても切なかった。
    これからシリーズをおいかけるのがとても楽しみ。

    神様の御用人を描かれた浅葉さんの、あらたな神の話。でも芯はやっぱり浅葉さんで、登場人物たちそれぞれの胸にある神の姿に引き込まれる。

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著者プロフィール

第17回電撃小説大賞で<メディアワークス文庫賞>を受賞。「空をサカナが泳ぐ頃」でデビュー。

「2023年 『神様の御用人 継いでゆく者』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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