悲愁の花 仕立屋お竜 (文春文庫 お 81-2)

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784167919030

作品紹介・あらすじ

若かりし頃、廓の掟を破って遊女・お花を逃がそうとした文左衛門。しかし遊女は追手につかまり、折檻の末に亡くなっていた。その後悔を抱き続けてきた文左衛門は、隠居の身になってから弱い者に害をなす悪人を成敗する裏稼業を立ち上げ、お竜、井出勝之助を仲間にした。ところが、お竜はあることをきっかけに、お花を殺した男の消息を調べることになり……人気シリーズ第二弾!

感想・レビュー・書評

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  • 女を虐げる悪党を斬る仕立屋お竜の活躍の物語です。

    北条佐兵衛に三年間にわたり武術を仕込まれたお竜は、かの元禄の御世に名を成した豪商・紀伊国屋文左衛門の五代目となる隠居の文左衛門のもとで仲間たちと一緒に、女子供、弱い者に害を為す悪人を地獄へ案内してやるべく裏の仕事を始めた。
    お竜は、日頃は裁縫の腕を生かして呉服店の鶴屋孫兵衛から仕立物の依頼を受け、着物を仕立てているが。文左衛門の命でお竜は、鶴屋の用心棒兼手習師匠であり剣の遣い手の井出勝之助と二人で、地獄への案内人として極悪人を葬る。

    文左衛門は、三十年前に好きな遊女の花を足抜けいて連れて逃げたところを、遊女屋で働く功助に見つかり折檻された。花は、功助が見せしめのためにと激しく折檻したために死んだ。文左衛門は、花を殺した功助を憎み殺したく思った。
    その思いを知ったお竜と井出勝之助は、功助を見つけ出した。三十年ぶりに会った文左衛門は、あの悪辣な功助が、人を助ける男に変わっているのに驚く。功助は、花を死なせたことに悔いて心を入れ替えた。

    【読後】
    物語は、淡々と進んで行きます。お竜、井出勝之助と文左衛門の組み合わせがよく、裏で人を殺す家業ながら時々笑いがでてきます。
    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    悲愁(ひしゅう)の花 仕立屋お竜シリーズ2作目
    2022.07発行。字の大きさは…中。2022.11.27~29読了。★★★☆☆
    ならずもの、恩讐、寄り道、悲愁、の短編4話。
    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

    《仕立屋お竜シリーズ一覧》
    2.悲愁の花 仕立屋お竜 2作目 2022.11.29読了
    1.仕立屋お竜      1作目 2022.11.27読了


    「参考」
    ※参考は、私のメモ書きです。本の感想ではありません。
    悲愁。
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    「悲愁(ひしゅう)」とは、かなしんで心を痛めること。また、かなしみやうれい。
    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

  • シリーズ第二作。楽しみにしてました!

    人情あふれる作品だが、今回胸にぐっとくるのが、長太と粂三のコンビ。
    お竜を姐さんとしたう姿が可愛らしい。
    初登場は小物感ありすぎ。
    そこでぺちんとやられるのは、時代物の「お約束」。
    心を入れ替えた2人の危なっかしい活躍は、どうも母親目線になっていけない。

    もうひとつのエピソードが、孫兵衛の敵討ち。
    これがメインのエピソード。
    いやいや、これも目新しい展開ではないのに、時代劇らしい展開で。
    悪人退治に大立ち回り、それぞれの思いを抱えて裏稼業。
    なんだかてらそままさきのナレーションまで聞こえてきそうだ。
    三作目はあるだろうか。
    3部作で終わってくれるなら収まりがいいのになぁ

  • 202207/今回は更生方向もあり、シリーズ1冊目でもやもやした個人が善悪判断し殺人という点がちょっと解消された感じ。とりあえずしばらく続投。

  • 2023.12.01

  • 惚れるなよ

  • 内容(ブックデータベースより)

    若かりし頃、廓の掟を破って遊女・お花を逃がそうとした文左衛門。しかし遊女は追手につかまり、折檻の末に亡くなっていた。その後悔を抱き続けてきた文左衛門は、隠居の身になってから弱い者に害をなす悪人を成敗する裏稼業を立ち上げ、お竜、井出勝之助を仲間にした。ところが、お竜はあることをきっかけに、お花を殺した男の消息を調べることになり……人気シリーズ第二弾!

    令和4年11月23日~25日

  •  岡本さとる「悲愁の花」、仕立屋お竜シリーズ№2、2022.7発行。ならずもの、恩讐、寄り道、悲愁の4話。シリーズ2作目で、はや佳境に。お竜と勝之助の息がぴったりです。地獄に案内する極悪人にも、寄り添う者がいて、それがこのシリーズの奥行きを深いものにしています。

  • あの「お勝手のあん」シリーズの岡本さとるの新シリーズ。
    図書館で予約したら、2巻が先に。

    キャラクターに魅力を与えた必殺仕置人のようなお話。
    仕置きの内容なのに、読んで心地いいのは登場人物たちの心情が豊かで、優しさが出ているから。

    いろんな事情からことを起こすのだが、必ず殺すという訳でもなく、悪戯をして懲らしめたり、罪を正当に奉行所で捕まるようにしたり。

    予約順が逆になってしまったが第1巻が楽しみ。

  • 80

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著者プロフィール

一九六一年、大阪市生まれ。立命館大学卒業後、松竹入社。松竹株式会社九十周年記念新作歌舞伎脚本懸賞に「浪華騒擾記」が入選。その後フリーとなり、「水戸黄門」「必殺仕事人」などのテレビ時代劇の脚本を手がける。二〇一〇年、『取次屋栄三』で小説家デビュー。他に「若鷹武芸帖」「八丁堀強妻物語」「仕立屋お竜」などのシリーズがある。

「2023年 『明日の夕餉 居酒屋お夏 春夏秋冬』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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