- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784167920227
作品紹介・あらすじ
★今村夏子ワールド全開の衝撃作!
村田沙耶香の解説で文庫化
アパートで母親と暮らす亜沙。
友だちも、金魚も、家族でさえも
彼女の手からものを食べようとしない。
「お願い、食べて」
切なる願いから杉の木に転生した亜沙は、
わりばしとなり若者と出会った――(表題作)。
他者との繋がりを希求する魂を描く、
いびつで不穏で美しい作品集。
単行本未収録エッセイ3篇を増補。
〈目次〉
木になった亜沙
的になった七未
ある夜の思い出
ボーナス・エッセイ
解説・村田沙耶香
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
今村夏子さんの作品がとても好きだ。どの作品もテーマが通底しているというか…簡単に言うと「人間の純粋さ」みたいなものかなと思うんだけど、それがこういう不気味なお伽話に展開していくのが面白い。
木になった亜沙も的になった七未も、なんとも切ない終わり方なんだけど、彼女らにとってはあれが救いだったのかもしれないし、あれしか救いがなかったのかもしれない。現実における所謂はみ出し者の行く末について考えさせられる。 -
独特の世界観でファンタジーと現実の狭間のような作品
-
三遍の小説とその他エッセイ等等。辞書には載っていない、けれど確かに在る理不尽、不愉快、もやもやする感じ、そういうのを上手いこと言語化してくれる。文芸はこうでなければ。
-
なんて感想を書いたらいいかわからない、一言では言えない。今村作品を読むに連れて作風に慣れ始めている自分が怖い。どう読んだって狂っているはずなのにどこかわかる、そんな気持ちある、みたいな...
-
久々に読書
読みやすいけど本ならではの内容で、読書の楽しさを久々に獲得
どっかのタイミングではるちゃんに返却せねば -
自分の手渡したものを誰にも食べてもらえない亜沙
的になっても決して誰からも当てられない七未
たった一つのことだけなのに、こんなにも人生が孤独になっていくなんて…。
わりばしになった亜沙は喜々と々としていて、若い男性もそれに応えるかのように気持ちよく食べていて、亜沙よかったね…と思いました。
「ある夜の思い出」の、真由美にプロポーズした腹ばいの男性はなぜ人間に飼われていたのか?
読み終わっても、頭の中から?がなくならず、不思議な世界に迷い込んだ気分。 -
若者の部屋で暮らす亜沙の仲間たちの一員になれたらすごく居心地がいいのだろうな。その人の生前の絶望や希望が形になるとしたら、私はどんな姿になるんだろう。