ジブリの教科書9 耳をすませば (文春ジブリ文庫 1-9 ジブリの教科書 9)
- 文藝春秋 (2015年4月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (239ページ)
- / ISBN・EAN: 9784168120084
作品紹介・あらすじ
みんな何かを探してがんばってる公開から20年経っても心をとらえる伝説の作品の魅力について、芥川賞作家・朝吹真理子さん、藤本由香里さんらが読み解く。
感想・レビュー・書評
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今回の「解題」はこれまで以上に辛口だったのでびっくり。
作品がどうのというより、宮崎駿監督の少女漫画観批判という印象。
『耳をすませば』に出てくる図書館が好き。
雫が一心不乱に勉強し始めるシーンは何度見てもワクワクする。
旅行鞄を持って旅に出るよりも、書物の中に潜る旅の方が興奮してしまう。
『耳をすませば』は心ときめく少女漫画でありながら、家や家族の描写はとてもリアルだと思う。
雫の住む団地の暗さや、ものが収納しきれていない感じはとても懐かしい。
この空気を私は知っている。むしろ染み込んでいる。
お父さんと雫が話すシーンは、雫の態度とお父さんの抑えた口調がリアルだなぁと思う。
静まり返った空気の中でポツリポツリと交わされる言葉のもつ重みが私の知っているそれととても近い。
これも知っているなぁと思う。
そんなよく知っている日常が、よく知らないキラキラした非日常(突然の演奏会やら、プロポーズやら)に入り込む足掛かりになっている。
最初は見るのが恥ずかしかったラストシーンがだんだん微笑ましくなってきたのは、加齢による変化なのか単なる慣れなのか…。
それにしても、「カントリー・ロード」の訳詞が鈴木さんのお嬢さんの作だったとは!
大好きな詞なので、巡り合わせの奇跡に感謝!
宮崎駿監督の手直し部分も含めて大好きです。
近藤監督ごめんなさい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
この映画を観た小学生の当時、本が好きって普通のことなんだな、と思った。周りに取り立てて本好きの友人がいなかったため、そう思ったのだろうが、この時確かに雫に憧れ自分も小説を書いてみようとしたことを思い出した。もう少し大きくなると、ラストシーンへの憧れや甘酸っぱさに目が行きがちだったが、夢に向かって真っ直ぐに頑張る雫と聖司の姿がとてもカッコ良かった。 そんなピュアな気持ちを抱いたことを忘れてしまっていたことに、本書で気づかされた。 制作秘話が毎回楽しみ。
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耳をすませばを好きな人には堪らない1冊!
宮崎監督だけでなく、様々な立場の方達のインタビューも載っていて面白かった。
裏話が特に良かった。
このシーンはこんな意図があったのか、歌詞にはそんな裏話が、だとかとにかく読んでいて楽しかった。
これを読んだ後に耳をすませばを見るとより理解が深まると思う。
もう少しだけ、宮崎監督のお話を載せてほしかったかな。 -
大好きな「耳をすませば」のこの本を読まなきゃ知らなかった話がてんこ盛りでホクホクしてる。自分は気づくことのできなかった視点からの感想や、原作者の柊さんのお話を読んでさらにこの作品が大好きになった!ジブリの教科書ありがたい…。早くジブリパークの地球屋に行きたいな〜。
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これまで出会うことのできた色々な作品のなかで、わたしの1番大好きな作品、『耳をすませば』。
『耳をすませば』が好きな人にとって、製作に関わった人の声、まつわる話、そういう特別なものが詰め込まれた最高の1冊だと思う。
そして何より『耳をすませば』を知れば知るほど、監督が、近藤喜文さんだったことに、言葉では表せないほどの幸福、感謝を感じざるを得ない。 -
■書名
書名:ジブリの教科書9 耳をすませば
著者:スタジオジブリ
■概要
1995年に公開され、邦画ナンバーワンヒットとなった“耳をすませば”
は、信州の山小屋で宮崎駿が手にした漫画誌がきっかけだった。監
督にはジブリの実力派アニメーター・近藤喜文を抜擢。青春映画の
金字塔と称される作品の魅力を、芥川賞作家・朝吹真理子を筆頭に
劇作家やポーランド人アニメーターまで多彩な執筆陣が読み解く。
(From amazon)
■感想
ジブリの中でもかなり好きな作品です。
ファンタジーではないのですが、ジブリらしさはあると思います。
この作品は、監督が違うので、主人公の女の子が普通の子なんですが
そこがオリジナル性となっています。
関係者のインタビューも、それぞれの視点での話しが聴けて面白い
です。
この本を読むと、宮崎駿という人物は、クリエイターとしての才能は
文句なくピカイチですが、人を育てる能力には本当に乏しい人なんだ
な~と思わされます。
典型的な「出来る人」という感じです。
「自分が出来る事は、他人も出来る」「自分の意見は絶対」という考え
から逃れられない人なんだと思います。
もともとジブリを創った目的は、人を育てる事ではないので、初心貫徹
しているとは思いますし、悪い事ではないのですけどね。
なんだか、もったいないな~という印象が残ってしまいますね。
あ、あと相変わらず無関係の人の評価、評論は全くの不要です。
無責任な論者なので、素人の感想と何も変わりません。
金を出して読む価値はありません。
■自分がこの作品のPOPを作るとしたら?(最大5行)
近藤さんの最初で最後の監督作品です。
ジブリにあった珍しい才能が観れる映画となっています。
ファンタジーであり現実でありという映画です。
最後は微妙ですけどね・・・