知っているとうれしい にほんの縁起もの

著者 :
  • 徳間書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (111ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198625382

作品紹介・あらすじ

日本には縁起のいいものがいっぱい!毎日の暮らしのなかに取り入れてみませんか?

感想・レビュー・書評

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  • 2013.9.9市立図書館
    「飾る」「祈る」「身につける」「愛でる・食べる」の四章に分けて
    見開きに一項目ずつ、日本の縁起物を紹介。
    おなじみのものが多いけれど「金魚」や「蚊帳」「風鈴」「火打ち石」は知らなかったな。
    「もり塩」の作法なども載っているのは勉強になった。
    「背守」を刺繍など別の形でアレンジするのもおもしろいかもしれない。

  • 絵本ではないですが、
    かわいいイラストと共に紹介される縁起物。そばに置いておきたい本です。

  • 日本には、縁起物の品が、沢山ある。

    断捨離というわれる昨今で、もう、必要ないかと、思いながら、整理していたのだが、この本を読んで、又元の棚へ戻してしまった私。(笑)

    ちょっと、大人の絵本のようで、楽しい。
    招き猫の色で、ご利益が、違ったり、アメリカ向けの招き猫も、手に向きを反対にしている事など。

    蚊帳、神棚、箒、盛り塩など、今の若い方には、縁が無いものばかり。
    段々風化して行っている。
    我が家も、私の小さい時には、神棚があったのだが、引っ越しと共に飾らなくなり、無くなってしまった。

    そういえば、家の玄関に祝日は、日の丸の国旗を飾っていてけど、それも今はしないし、お正月のしめ飾りもする家も少なくなってしまった。

    先日贈答品に 熨斗紙を頼んだら、レジの若い方は、解らず、困った事もあった。

    段々省略化して行く現在だけど、このような縁起物は、残って欲しいと思いながら本を閉じた。

  • 日本のかわいい縁起物について、キュートなイラスト付きで各トピック見開きで紹介。 
    ほっこり。

  • 摂南大学図書館OPACへ⇒
    https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB99095312

  • 日本の古きよき風習、旬の食材、仏教など、ずっと身近にあったけれど意識に上ることがなかったものについて、もっと知りたいと思うようになったのは、最近のこと。えんぎものについても、そう。
    先日婚約し、顔合わせや両家顔合わせの日取りなどを決めるうちに六曜を知り、縁起のよいものについても知りたくなったので本書を読みました。
    達磨は全色そろえて新居の各方位に配置したいな、とか、夏は蚊帳を吊って寝たり桃湯につかったりしたいな、とか、赤ちゃんを授かったら帯祝いをして、産まれたら命名祝いをしたり背守りをつくったりしたいな、というように夢がふくらみました。

    p12
    (前略)七福神を元旦から七日の間、もしくは十五日までよ間にお参りして歩くことを七福神巡りといいますが、福を招くといわれて江戸時代に大流行しました。

    p20
    ほうきに宿るのは「ハハキガミ」という名の神様。
    出産に関わる神様なので、赤ん坊が生まれる部屋にほうきをたててお酒を供えたり、妊婦のおなかをほうきでなでたりする習慣がありました。安産を祈る方法としてほうきの一部をとって髪にさすこともありますが、これはほうきが物を集めたり掃きだしたりするという力に関係しています。赤ん坊の魂をしっかりと集めて離さないように、また無事に赤ん坊がおなかから生まれてくるようにという意味があります。
    ほうきの相棒として、ちりとりの原型で「はりみ」というものがありますが、これも「実がはいる」ということにかけたえんぎもの。和紙にぬってある柿渋の色が美しく、飾り物として使われることもありますが、ゴミを受け取る口はやわらかく地面にフィットしますし、静電気も起きないので、実用品としても優秀です。お値段も手頃でおすすめです。

    特に畳の部屋を掃除するときはやっぱりほうきです。

    p22
    さて江戸時代には、凧揚げは子供の遊びではなく、風を受けて勢いよく高く揚がる様子から商売繁盛、服を招く象徴とされていました。

    p24
    十一月に開かれる酉の市。
    その日は開運招福、商売繁盛のえんぎもの「熊手」をもとめる人で毎年大賑わい。最近は恋愛成就を願う人もちらほらいるとか。
    熊手は物をかき寄せる道具ということから、「運をかっこむ」「福を掃きこむ」というえんぎを担いでいます。

    p26
    蚊帳は蚊を防ぐためにつるしますが、魔除けの意味もありました。

    綿、麻、ポリエステルなどいろいろな素材が販売されていますが、麻の蚊帳の中は外よりも湿度が低く、気温も一度程低くなるという効果があるそうですから、少し値は張りますが一番おすすめの素材です。

    昔は雷が鳴ったときも蚊帳の中に入れば安全、といわれていたのでピカピカとなればみんな蚊帳の中へ入ったとか。それは魔除けの力で守ってもらうためとか、麻が電気を通さない絶縁物だったから、とか諸説あります。

    p28
    昔、風鈴は占いの道具でした。竹林にさげて風の向き、音の鳴り方で吉凶を占ったのだそうです。中国から日本に伝わってからは厄除け、魔除けとして使われました。いまもお寺の四隅に掛かっている「風鐸」がそうです。その音が聞こえる範囲では災いが起こらないといわれていました。また、鎌倉時代には縁側にさげると病気が家の中にはいるのを防ぐと考えていました。風によって起きる「音」の力を信じていたのです。確かに風鈴の音が部屋中に響くと、空気も気持ちも澄んでいくような気がしますね。
    現在は江戸風鈴や南部風鈴などが人気ですが、風鈴のルーツを知る人達のあいだで、朱色と厄除けの風鈴が静かなブームになっているのうです。

    p29
    犬張子は安産のえんぎもの、子供の魔除けとして伝えられてきました。それは犬のお産が楽だといわれているからで、デンデン太鼓を背負ったもの、ザルをかぶったものの二種類があります。

    p48
    現在、実際に使われているものは小さめのものが主流ですが、正式なものの珠の数は百八つ。除夜の鐘と同じ数ということからもわかるように、これは「煩悩の数」。また、それに関係している「清浄な心の数」のことだそうです。

    p50
    ちなみに紙垂のついた榊のことを「玉串」と呼びますが、人間と魂と神様の魂をひとつに結ぶという意味があるとされ、神様が一番喜ぶ捧げものだそうです。

    p52
    その昔、中国の皇帝にはたくさんの愛人がいました。皇帝は牛車で出かけていたそうですが、自分のところへ寄ってほしい!と思いをつのらせた愛人が知恵をしぼります。そこで思いついたのが皇帝の通る時間にあわせて、牛の好物である塩を自分の家の前にもるというもの。こうしておけば塩をなめたい牛がその愛人の家の前で足をとめてしまうというわけです。やがて客の足をとめるご利益のあるえんぎものとして、もり塩は時を経てはるか日本にも伝わってきました。

    p56
    三方は神事やお祝い事のお供え物をのせる台です。

    まず秋のお月見。十三夜は十三個のお団子を十五夜には十五個のお団子をのせて。赤ちゃんが生まれて名前が決まった時、お正月に鏡餅をのせるときなどなど。七夕のお飾りをのせるのも素敵ですし、季節の花の花包みをつくって飾る時にも使います。お供え物の下には半紙などをひくのが一般的です。
    桧でできた白木のものが正式で三つの穴が空いていますが、お供えするときは穴のないほうを神前に向くようにするのが決まり事。空いている穴はえんぎのよい宝珠の形。三方の歴史は古く、後醍醐天皇が吉野に都を移した時、天皇への献上物の入れ物として使ったのがはじまりだといわれています。

    p64
    赤ちゃんをおなかに授かるといろいろな行事がありますが、最も心にのこるのが「帯祝い」。妊娠五ヵ月になると腹帯を巻いて出産の無事を祈ります。

    お祝いと安産とふたつの意味がある帯祝いですが、基本的には戌の日ちその年の恵方を向きながら腹帯を巻きます。戌の日を選ぶのは犬が安産であることにあやかるため。おなかの中の大切な魂を母親の体の中に結びつける、という意味もあるそうです。

    p68
    昔から扇子のことを「末広」といいますが、先の方がひろがっているかたちから、末永くいろいろなものがひろがっていきますように、と繁栄を意味してつけられた名前です。

    p78
    文香は手紙に添えるお香のこと。

    p82
    日本では古くから悪いものは背中から入り込むと信じられていました。背守りさ「どうぞ子どもたちが無事に育ちますように」という祈りをこめて、母親が産着や子どもの背中に刺しゅうをしたものです。背後から魔物が入らないように、という愛情のこもった魔除けの印でした。
    背守りの種類はその土地でさまざまですが、背中の中央に白や赤い絹糸で縫いつけたり、縁起の良い柄の、麻の葉、折り鶴、亀、石車、蛇の目を縫い付けます。ちりめんの押し絵のものなどもあります。

    p92
    「難を転じる」えんぎものの木として、昔から家の鬼門やお手洗いのそばに植えられてきた南天。

    p94
    まるで「品」という言葉をかたちであらわしたような蓮の花。
    開いた花も美しいけれど、精巧なつくりの大きなつぼみのかたちも魅力的です。神聖な花として知られるその理由は、にごった泥の中から茎を伸ばし、汚れなく花を咲かせる様子が、欲におぼれることなく清らかに生きることを象徴しているためだとか。

    p96
    桃の花は鼻を近づけてみても、ほとんど香りがしないのですが葉をとってもんでみるといい香り。この葉を乾燥させて煮出した汁をお風呂に、入れると桃湯が楽しめます。江戸時代には土用の日に桃湯で暑気払いをしていたとか。桃の甘い香りが楽しめ、あせもや湿疹に効果があるそうです。

    p104
    まずは新茶。新茶は四月の終わり頃から五月初旬の八十八夜の頃、お茶の木の一番最初の芽をつみとったもの。春の芽生えを待つ冬の間ち、しっかりと栄養をたくわえてきたみずみずしい新芽だけをお茶にしたものです。その時期だけの初物、旬のもの。苦味の成分も少なく味は甘くまろやか。お茶屋さんから漂ってくる香ばしくておいしそうな香りについつい立ち止まってしまうのもこの頃です。
    新茶を飲むと不老長寿になるとか、一年間無病息災だといわれていますが、成分的にも栄養は豊富。生命のエネルギーもぎっしりとつまっています。
    お茶の出がらしの利用方法としての定番は、お掃除の時ですが、おすすめはガーゼに入れて浴槽に入れる新茶風呂。疲れが取れて、お肌にもとてもいいようです。えんぎのいい新茶のお風呂で温まる。お手軽で経済的なのに、とってもぜいたくなお風呂です。

    p108
    重陽の節句の日は、菊の花を浮かべた菊酒を飲んで長寿を願う日。

    【達磨】
    赤→魔除け
    白→財運・人間関係運上昇。北に置くとよい
    黒→出世運上昇。東に置くとよい
    緑→健康運上昇。南に置くとよい
    黄→金運上昇。西に置くとよい

    【招き猫】
    右手が上がっている→金運を呼ぶ
    左手が上がっている→人とのご縁を結ぶ力がある
    白→福
    黒→厄除け
    赤→病除け
    黄→縁結び
    青→安全
    緑→合格
    金→満願成就

    【金魚】
    金運上昇のチカラあり

    【ほうき】
    安産のおまじない
    足もとにさかさにたてる。新しいほうきでおなかをなでる

    【凧】
    火防凧→飾ると火の難を逃れる。息災繁盛
    六角凧→男の子が生まれたお祝いに凧をあげ、健やかな成長と家の繁盛を願った。武者絵は出世を願う凧

    【熊手】
    熊手を飾る場所
    玄関→入り口に向けてなるべく高い所に飾る。北へは向けない

    かっこめ熊手守り→小さな竹の熊手。稲穂を付けたお守り。福をかっこむ。商売繁盛。家内安全

    【蚊帳】
    目に見えない魔物をはらう

    【風鈴】
    黄→金運
    赤→魔除け
    緑→健康

    【犬張子】
    安産のお守り。子供の健康を願う
    竹ザルつきの犬張子→犬という字に竹かんむりをつけると「笑」。笑いの絶えない明るい子に育ちますようにの意味
    デンデン太鼓つきの犬張子→デンデン太鼓は裏表がない。素直な子供に育ちますようにの意味

    【写経】
    現世、来世に幸せをもたらすといわれている
    写経の手順
    ①お水で手を清めて口をすすぐ
    ②香をたき心をしずめる
    ③墨をすってから合掌し、静かにはじめる
    書き終えた写経
    お寺に納経する
    額装して飾る
    合掌して一礼。焼却する/水をかけて土に埋める

    【神棚】
    置く場所
    清らかで静かな部屋の高い場所。天井近くの南向きか東向きに
    神棚の神拝の仕方
    ①顔を洗い口をすずぐ
    ②米、塩、水をお供えして榊の水をかえる
    ③二礼二拍手して神拝
    二礼で神様にごあいさつ
    二拍子で神様を呼んで願い事を伝える
    最後の神拝は神様への感謝
    神棚の手入れ
    毎日のお供え→米、塩、水
    毎月一日、十五日、お祭りの日→お酒、榊、季節のもの/初物

    【仏像】
    仏像のもちもの
    宝珠→財宝を降らせ災いを除く。地蔵菩薩、吉祥天がもつ
    蓮華→観音菩薩がもっている。煩悩に汚されていない清らかさをあらわす
    錫杖→地蔵菩薩が六道をめぐる象徴として
    宝剣→不動明王や天部がもつ。煩悩を断ち切る

    【念珠】
    葬祭、仏事などで使う。持っているだけで魔除け、お守りの効果あり
    左手で房が下にくるように持つ
    合掌するときは両手の親指と人差し指の間にかける
    テーブルなどの上におきっぱなしにしない。左手の手首にかけておく
    瑪瑙→危険から身を守る。身につける人を華やかにみせる
    珊瑚→心の興奮、混乱をしずめる
    虎目石→精神をとぎすます。古代よりお守り石として知られる
    水晶→古代より精霊が宿るといわれている。全てを浄化する
    白檀→落ちつきのある香り。困難な状況で強い精神力をもてる
    琥珀→松、杉、ひのきなどの植物の樹脂が化石化したもの。邪気をはらう
    菩提樹→釈迦が悟りをひらいたのが菩提樹の下。使うほどに味わいがでる

    【もり塩】
    邪気や厄をすいとり、気を浄化する力がある
    もり塩を置く場所
    引越しの時、車に、旅先で、石や宝石のお清め
    玄関や家の入口、台所、トイレなど清めたいところに置く
    もり塩のつくり方
    ①円形に切った紙を半分におる
    ②クルクル丸めて円すいをつくる
    ③水で少ししめらせた塩をつめる
    ④半紙が小皿の上にひっくりかえす。3〜7日に1度取りかえるとよい
    ⑤流し台やトイレに流す。におい消しやぬめりを取る効果がある

    【盃】
    ハレの日にお酒を飲むために使う。結びつきのえんぎもの
    お神酒のいただき方
    ①両手で盃を受けて三口で飲みほす
    ②軽くぽんと拍手をうつ
    盃の作法
    片手でつぐのが基本。銚子の口先が盃にふれないように。八分目ぐらいに注ぐ
    ついでもらう時は両手で

    【三方】
    命名祝い→生まれた子供の名前が決まったら三つ折りにした奉書紙に墨で書いて三方にのせる

    【根付】
    ふくら雀→冬の雀。ふっくらとしていることから「福来雀」
    雪うさぎ→えんぎのいい南天の葉でつくる雪うさぎ
    達磨→七転八起のえんぎもの。由来は達磨大師
    打ち出の小槌→ふるとなんでも願いごとがかなう
    亀→鶴は千年亀は万年。長寿のえんぎもの
    ひょうたん→ひょうたんを6つ集めると「六瓢」ということから無病息災
    柏餅→柏は新しい葉が出るまで古い葉が落ちないことから「子孫が絶えない」
    筍→ぐんぐんのびる。はやい成長
    ふくろう→「不苦労」「福来郎」から苦労しない。幸せを運ぶ

    【えんぎのいい文様】
    青海波→青い波のように幸せがどこまでも広がる
    梅鉢文→寒い時に花をさかす梅の強さ
    観世水文→お清め、災いや厄除け。ケガレを流す
    矢がすり文→モチーフは弓矢。悪魔をはらう
    笠松文→寒い冬も濃い緑を保つ松の強さ
    七宝文→円がたくさん。円満につながり広がる。不老長寿、子孫繁栄
    唐草文→どんどんのびる蔦の姿。子孫が代々続きますように
    うろこ文→不老長寿。霊力が強い

    【おせち】
    重箱のつめ方
    料理の種類は3・5・7種の奇数で。偶数の場合は南天などをあしらい奇数にするとよい
    末広→丸や四角の小鉢を中央に置く。黒豆、なますなぉに
    段取り→量の多いお煮しめなどに向く
    三種
    七宝→中央にはっきりした色をいれるとはえる
    市松→細かいオードブルなどに向く
    田の字

    黒豆→まめに働きまめに過ごせますように。無病息災
    ちょろぎ→「長老喜」とか「長老木」とも書く。えんぎをかつぐ
    お多福豆→字の通り福が多い
    数の子→子宝に恵まれますように。子孫繁栄
    栗きんとん→金の団子とも書き豪華な財宝をあらわす
    紅白なます→お祝いに使う水引を意味する
    蓮根→穴があいていることから先が見通せる年に
    昆布巻→よろこぶの語呂あわせ
    伊達巻→文や絵をしたためた巻きものに似ていることから文化・知識のふえることを願う

    【南天】
    南天の葉をあしらえば食中毒を防ぐ効果がある
    南天のふやし方
    古い株を20cm切り土にさす。3ヶ月で根が出る

    【蓮の花】
    れんこん
    お祝い事、おせち料理には欠かせない「えんぎもの」。てんぷらにするとサクサク。おろしてしぼった汁はせき止めの薬に

    【桃】
    桃葉風呂
    乾燥させた葉を煮だし、葉をこしてお風呂に入れる

    【カラスウリ】
    烏瓜の種
    実を割るとゼリー状。中の種は打ち出の小槌、大黒様のカタチ。財布に入れておくとお金が増えるとか

    【折紙】
    箸包み
    お正月には家族の箸包みを作り名前を入れる

    【福茶】
    年始や節分に飲むと無病息災
    ①昆布を細く切って結ぶ
    ②梅干しと結んだ昆布を入れあつあつのお湯を注ぐ
    福茶に入れるえんぎもの
    梅→えんぎのいい花。健康によい梅干し
    昆布→「よろこんぶ」昆布の古い名が「ヒロメ」から「広める」
    豆→まめまめしく働けますように。勉強できますように
    節分にいただく
    豆まき用の豆を三つぶ入れてあつあつのお湯を注ぐ
    元旦にいただく
    元旦一番にくんだ水(若水)を沸かしていただく

    【花火】
    八重芯菊→芯が二重の物
    三重芯菊→芯が三重の物。作るにはむずかしい技術がいる
    冠菊(しだれ桜)→尾が長くゆっくりとたれて落ちる
    千輪→多くの小花が散る

    【菊】
    菊酒→9月9日は重陽の節句。菊の香りをうつした菊酒を飲んで邪気をはらう
    【食用菊】
    さっとゆでておひたしに。酢を入れてゆでると色よく仕上がる

  • 日本で縁起がいいとされているものをイラストを交えて解説する本。挿入されている写真が美しい。箒や火打ち石が気になった。火打ち石、売っているんだろうか。気になる。事あるごとに日本、日本、日本に生まれてよかった、と出てくるのはまあこの本のテーマだから仕方ないのかもしれない。

  • いつも思いますが・・・イラストがかわいい。

  • アメリカ向けの招き猫の手のひらは、日本のと反対で手前に向いているのか。確かに「カモーン」ってときは、手前に手繰り寄せるようにするものな。

  • 縁起ものって持っているだけでわくわくするような、守られているような気になります。
    普段見慣れている縁起ものも、そのいわれまではわからないものだらけ。
    たとえば、だるまは、もともと中国から伝わってきた時には黄色だったのだそうです。
    筆で描いた眉は鶴、髭は亀を表しているのだとか。

    招き猫はアメリカでも人気で、ドルを持ち、青い目の招き猫がいるそうですが、習慣の違いに合わせて日本とは手招きする手の向きが逆だそうです。

    お正月の凧揚げは、江戸時代には子供の遊びではなかったとか。
    商売繁盛、福を招く象徴とされ、禁止令が出たほどはやったそうです。

    民衆は、身分の低い奴が描かれた凧を上げて、武家を見下ろさせてストレス解消をしたそうな。
    奴凧が、そんな江戸庶民の反骨精神から生まれたものだとは知りませんでした。
    王子稲荷神社では、今でも決まった日に火防凧を配布しているそうです。

    桜とは、佐(サ)の神が降りてくる場所(クラ)という意味。
    開花は神が降りてきた印とされているそうです。

    耳に心地よく響く風鈴は、昔はなんと占いの道具だったそうです。
    日本に伝わってからは音を厄除け、魔除けにしていたとのこと。
    お寺の四隅にかかる「風鐸」が聞こえる範囲では、災いが起こらないとされているそうです。
    あの響きで魔を追い払っていたとは。

    お神輿は神様の乗り物とされ、鳥居をつけて神社模もしています。
    鳳凰が飛ぶと乱れた世を救う聖人が現れると言われていることから、上には鳳凰がついています。
    神社の例祭の時には、みんなが神輿上下に動かしながら練り歩きますが、これは大勢で運ぶから揺れることに加え、激しく揺らせるほど神が喜び、力が増すため、わざわざ揺らしているのだと知りました。

    和紙で作られた張り子の犬は民芸店で時々見かけますが、竹片に犬で「笑う」という字に似るため、笑いが耐えない明るい子どもになるように、竹をかぶった犬張り子が作られるそうです。
    デンデン太鼓を背負ったものもあり、それは裏表がない子に育つようにという願いが込められているそうです。

    また、産着などの背中部分に刺繡する「背守り」について知りました。
    日本では悪いものは背中から入ると思われていたため、これも魔除けの意味があるそうです。
    この監修は、明治時代まで続いたそうです。

    全国に七福神めぐりが出来る場所は約80箇所あるとか、箒は申請なものでまたぐとバチが当たるなど、雑学のような知識がいろいろと紹介されていました。
    なかでも「へ~え」と思ったのが、金魚すくいのアレの名前。
    「ポイ」というんだそうです。名前について考えたこともなかったので、新鮮でした。

    縁起物の一つ一つがカラー写真付きで紹介されており、視覚的にもわかりやすかったです。

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著者プロフィール

日本の行事・歳時記研究家。文筆家。ライフワークは季節のしつらいと祈りのかたちづくり。横須賀市秋谷に築八十年の日本家屋スタジオを構え、「季節のしつらい教室」を主宰。日本の行事の源流に触れつつ、現代のくらしや世代に合わせて提案している。東京新聞に「くらし歳時記」、神奈川新聞に「季めく暮らし」、スタイルアサヒに「季の記」、東急沿線フリーマガジン『SALUS』に「暦と暮らす十二ヶ月」、月刊誌『清流』に「季節のしつらい 祈りのかたち」、第一園芸のウェブサイトに「花月暦」を連載。ほか、「YANASE LIFE plaisir」などの企業誌にも寄稿している。著書は、ロングセラーの『おうちで楽しむにほんの行事』(技術評論社)をはじめ、『七十二候で楽しむ日本の暮らし』(KADOKAWA)、『口福だより』(小学館)、『知っているとうれしいにほんの縁起もの』(徳間書店)、『鳩居堂の歳時記』(主婦の友社)、『にほんの行事と四季のしつらい』(世界文化社)など多数。日本の季節の楽しみ、行事の美しさを伝える映像をYouTubeにて配信中。

「2021年 『花月暦』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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