アイドル新党

著者 :
  • 徳間書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198631710

作品紹介・あらすじ

かつて一世を風靡したアイドル・春乃マキの人気が転落した。事務所社長にだまされたマキは、市議会選挙に立候補させられてしまう。ヤンキー時代の仲間、マネージャーに支えられ、マキは精一杯生きている人々の代表として生きることを決意。傷つきながらも、諦めずに何ども立ち上がる。そして迎えた投票日。はたして、マキは当選できるのか!?忘れていた何かを呼び覚ましてくれるパワフルな珠玉作。

感想・レビュー・書評

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  • Dカップがウリの落ち目のグラビアアイドル、マキと、その奴隷マネージャー、山崎。
    むちゃくちゃな芸能プロの社長の思いつきで、ふたりは政界を目指すことになる。
    マニフェストも何も知らないマキだったが、持ち前の元ヤンの度胸と、ヤンキーという「サイレント・マジョリティー」の心をつかむ啖呵で魑魅魍魎が跋扈する政界に参上つかまつる、というフィクションらしい勢いのある物語だ。
    かなりムリクリはあるんだけれど、確かにこういう新風があったら一票投じちゃうかも。

  • 当初のノリがあまりにも軽すぎて、「あれ…これは装画に騙されてしまった系か…?」と思ったんだけども、一生懸命に頑張って成長していくマキちゃんと山崎に心打たれた。潔く責任を取るとか、自分の非を認めるのってなかなかできないことだと思うから。ただ実際にアイドル崩れが政治家になるって言ったら色眼鏡で見てしまうだろうなぁ…。エンターテインメントとしてはなかなか面白い作品だったと思う。2011/454

  • ピークを過ぎたアイドルが舞台をTVから政界へと変えるべく選挙にでる話。
    主人公はアイドルマネージャーの山崎。彼の仕事はマキの仕事を管理することだが、ピークを過ぎたマキに仕事はない。事務所の社長は政治家になって稼げと言い出し、山崎とマキは選挙に向けて走り出す。

    政治ではなく、選挙の話。
    サイレントマジョリティを取り込む方法を、CDの売り上げに例えたのがすごく興味深かった。
    EXILEとか倖田來未のCDはものすごく売れている。だけど、周りに彼らのCDを買っているひとはあまり見かけない。だれがCDを買っているのか。それはヤンキー系の人々。彼らは当たり前のようにCDを買う。実は彼らが世界の数字を動かしている。そして彼ら自身はそのことに気付いていない。
    政治の世界にヤンキー系の人々の力を取り入れたらどうなるか。今まで選挙に行かなかったヤンキー系の人々の心をつかめたらどうなるか。

    この発想は本当に面白かった。

    選挙の話ばかりで実際の政治の話はほとんどなかったのが少し残念。
    しがらみに勝って欲しかった。

  • sg

  • 元アイドルの政界進出挑戦物語。

    芸能プロ社長から政治家を目指す方向転換を迫られた、崖っぷちアイドル・マキ。

    マキのマネージャーである山崎は、右往左往しながら知り合った伝説の選対・照さんの指示の下、マキの地元・春田部市議選に打って出る。

    しかし、政界の汚いしがらみから、有権者、応援してくれる支援者を守るため、辞職せざる負えないことに。

    しかし、政治家として火が付いたマキは、国政に打って出る。

    上っ面ばかり、利権ばかりの世の中の政治家に、本音をぶつけるアイドルの快進撃は続く。


    コメディかと思いきや、結構、社会派な読み応えのある作品でした。

    ご都合主義ももちろんあるけど、今の行き詰った政治や世の中を変えるのは、新しい風に違いない。


  • 元ヤン、元売れっ子アイドルだったマキ。
    「マキを政治の世界に進出させなさい」
    社長からそんな無茶振りされたマネージャーが
    マキを政治家にしようと 奮闘する物語。

    マキの背伸びをしないで等身大の自分の気持ちを
    演説する姿は すごく共感できます。
    みんなが協力してうまくいったと思ったら
    お金や癒着など現実的な問題にぶち当たり……
    最後は 全てがハッピーエンドにはならないけれど
    人々との繋がりを感じられる本でした。

  • 途中で読むのをやめたくなって休憩したけど、そこからは一気に読めた。
    若い世代がちゃんと投票するって大事。それがこんな話に化けるなんてすごい。選挙なんて行ったことないとか自慢してる馬鹿は導入としてこの本とかで選挙に興味持てばいいのに。

  • 元ヤンキー、レディース、落ち目のグラビアアイドルが政界に進出!
    選挙のことはもちろん、政治のことなんて考えたこともない。
    主人公・マキの、正直さや熱さに、真っ直ぐすぎる行動や言動に、周囲に人たちが次第に魅了され応援の輪が広がっていく。
    マキのすることは嘘がない。
    政治家に一番大切なものって、この嘘をつかないってことなんじゃないだろうか。
    マネージャーとの恋愛模様も、ちょっとした笑いがあってマキらしい。
    読んでいくうちにどんどんマキを応援したい気持ちになってくるから不思議。
    荒唐無稽な展開だけれど、中身は面白くて読み応え十分。
    全然期待せずに読み始めただけに、良い意味で期待を裏切られた。
    とても読みやすいわりに、けっこう大切なことも詰め込まれている作品だと思う。

  • 痛快な内容であった。

  • 原宏一さんの「アイドル新党」、2011.5発行です。タレント議員全盛時代ですが、文字通りアイドルから政治家に転身した春乃マキとアイドルのマネージャーから政治家の秘書、さらには伴侶になった山崎の物語。埼玉で16号線のレディーズのアタマから芸能界に入ったマキ、弁舌・度胸・機転・パワーが炸裂、小気味よい作品に出来上がってます(^-^)

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著者プロフィール

1954年、長野県生まれ。早稲田大学卒。97年に作家デビュー。2007年『床下仙人』が第1回啓文堂書店おすすめ文庫大賞に選ばれるなどベストセラーに。他の著書に「佳代のキッチン」シリーズ、『天下り酒場』『ダイナマイト・ツアーズ』『東京箱庭鉄道』『ねじれびと』(以上、祥伝社文庫)、「ヤッさん」シリーズなど多数。最新作は『間借り鮨まさよ』。

「2023年 『うたかた姫』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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