先生のお庭番

著者 :
  • 徳間書店
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感想 : 61
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  • Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198634506

感想・レビュー・書評

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  • 植木屋の小僧,熊吉の健気な働きが微笑ましく,正しい日本人のあるべき姿という感じで応援していました.また熊吉の目から見たシーボルトのあり方も興味深かったです.

  • 朝井まかて初読み。シーボルトの庭師になった熊吉を中心として話が進む。日本の植物って外国からみるとこんなにも美しいものなのね。綺麗なまま植物を外国に輸出するためにどうすればよいか試行錯誤するさまが良かった。この時代は今みたいな技術がないからそれはそれは大変だったんだろうなぁと思う。2012/669

  • 文政七(1824)鎖国時代の日本が交易していた国の一つであるオランダ。

    オランダ商館医のシーボルトの園丁として仕えることになった熊吉の植物への愛と、
    当時の技術を試行錯誤して海外に植物を生きたまま届ける使命。

    シーボルトの聡明な物の考え方。
    明るく愛嬌のある奥方のお滝。
    陽気な使用人の黒人のおるそん。

    閉ざされたやぱんの国でのシーボルトの豊富な知識は眩しい存在であり
    彼のために全力を尽くした庭師の話。

    長崎弁が慣れないと読みにくいけど
    時代にうとくても面白かった。

    やぱんの地は神秘的で美しい、
    シーボルトは偽オランダ人だし腹のなかのことは計り知れないけど
    確実に、やぱんを愛してたことは間違いないだろう、と思う。

    山の麓から見渡せる長崎の青い海に浮かぶ出島と
    野原一面の緑の蒼葵と色とりどりの花の鮮やかさが、目に浮かんだ。)^o^(

  • シーボルトに使えた実直な庭師の青年。彼から見たシーボルトとお滝さんを描いています。軽く読めて気分は出島に居るようです。

  • 言わずと知れたシーボルト事件、だが意外にもこれを取り上げた作品は少ないことに気付く。
    ならば私が…と言ったかどうかは定かでないがまかてさんがとびきり上等の物語に仕上げてくれた。
    長崎の情景を始めとし山々や庭園を彩る植物、究めれば我が国日本の美しさ、そして異国の徒とそれを取り巻く日本人の心の美しさを色鮮やかに描き出す筆力には畏れ入る…圧巻は先生が熊吉を携え荷馬でお山に駆け上がるシーンか、震えるほどにやられたよ。
    主役は熊吉、だがそれ以上にお瀧さんが魅力に溢れそしてせつないのもまかて流。
    剣より花を…これはいい本だよ

  • 時代小説でありながら、西洋と日本の文化論にもなっているような、たいへん面白い一作だった。
    江戸時代の長崎、出島。オランダの商館医として赴任中のシーボルトの薬草園の園丁となった熊吉が、工夫を重ねて素晴らしい薬草園を造り、信頼を得て、日本の草木をオランダ本国に送るという大仕事を任されるようになる。仕事が認められ、シーボルトやその日本人妻、シーボルトに仕える黒い肌のおるそん、シーボルトの門弟、通詞の兄弟などとの交わりを経て成長していく姿が清々しい。だが、帰国することになったシーボルトにスパイの嫌疑がかかったことから、純粋に彼を信奉し慕って近しく交際していた日本人達がどんどん捕らえられ死んでいく事態となり、熊吉の気持ちも揺らぐ…
    私も外国人に囲まれて仕事をしているので、なんだか共感できるところが多かった。

  • 鎖国当時の長崎出島。
    シーボルトの薬草園のお庭番となったコマキの戸惑いやわくわくする気持ちに、引き込まれ読んだ。
    史実を詳しく知らないため、後半の展開に驚いたが、日本人とは違った感性のシーボルトが、それでも日本を愛した部分に偽りはないのだろうと、個人的に思った。

  • 江戸時代の長崎に来ていたシーボルトのお庭番となった青年のお話。
    青年から見たシーボルトや妻の様子が描かれています。
    時代小説が好きですが、こういう関係の本は読んだことがなく、なかなかおもしろかったです。

  • 2014.7.24
    初まかてさん
    長崎のこと、シーボルトさんのこと何も知らなかった。
    方言は難しいけど、温かくていい。
    熊吉さんが意に反したことをして自分の願いを叶えたことに驚いた。そういうことできなかったな。
    真実は、わからないけど、最後が良かった。それが全て。

  • 著者が友人の同級生ということで、試しに読んでみたところ、期待以上に面白かった。 
    シーボルトのことは、『オランダおいね』くらいしか知らなかったので、今回興味深く読んだ。
    題名もなかなかステキ。
    彼女の他の著書も読みたくなった。

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著者プロフィール

作家

「2023年 『朝星夜星』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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