- Amazon.co.jp ・本 (309ページ)
- / ISBN・EAN: 9784198635091
感想・レビュー・書評
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2012年、選挙前にこの本を読んでいて本当に良かった。
少なくとも、政治に対して自分の考えの方向性を見いだすのに
ピンポイントで、論客の意見を受け取ることができた。
この選挙後にどういう政策で世の中が動いていくのか、
注目し続けなければいけない、「今」が一番「その時」であると感じた。
この本では8名(内田樹さん、小熊英二さん、開沼博さん、佐藤栄佐久さん、佐野眞一さん、清水修二さん、広井良典さん、辺見庸さん)がインタビューに答えているが、
お一人お一人の考え全てが一致してないにしても、根底にある意識は共通している。
それに対する、インタビュアーで現在沖縄タイムス社の特別報道チーム兼論説委員であるという渡辺豪さんの鋭い質問と切り返しが秀逸だった。
本の中で印象深い文章ががたくさんでてきたけれど、
一番心に残っている場面は、福島県の立ち入り禁止エリアである
夜の森公園の写真だった。
ほかに人がいないなかに佐野さんとスタッフだけが白い防護服を着て写っていて、満開の桜並木に包まれている。
佐野眞一さんは「沈黙の春」と表現され、「来年以降もおそらく見る者が誰もいない中、桜が咲き誇っていくんだろう・・・そこに原発事故を最も象徴する『何か』を感じ取りましたね。」と仰っていた。
タイトルは「この国はどこで間違えたのか」という過去形の問題を提起し、
その目的は未来に対して「個」がどうかかわっていくかというのが
この本の本題だと思う。
私も掲げられている問題に関わっていこうと思った。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
福島、沖縄から、日本の様々な軋轢を見つめる。同じ事象を扱っていても、各専門家の専門領域が違うだけで、こんなにも違う世界がみえるものかと感動した。また、福島・沖縄から、本当に問題なのは、日本の政治、国民の「当事者意識の欠如」なのではないかと思った。
とにかく、論客たちのいいとこどりなので、読んでみたらいいと思う。