Team・HK

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  • Amazon.co.jp ・本 (316ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198635718

作品紹介・あらすじ

ハウスキーピング会社で働きはじめた引っ込み思案で平凡な主婦が見つけた大切なもの…。フツーだけどフツーじゃないわくわく"お仕事小説"。

感想・レビュー・書評

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  • 一生懸命整え、守ってきた家庭なのに、なんだか居場所がないような。
    夫が会社員として脂ののった時期にあり、
    こどもが反抗期に入ったり、自立したりし始めたら
    主婦なら一度は、そう感じる瞬間があるのでは?

    常日頃、「世間を知らない」と夫に小馬鹿にされている美菜子。
    幼いころからなにげなくこなしてきた掃除の能力を認められ
    ハウスキーピング会社Team HKで生き生きと働き始める、という書籍広告を見て
    「おお!しかも作者はあさのあつこさん!」と、張り切って図書館に予約したのですが。。。

    美菜子の武器ともいえる、丁寧な掃除の描写がほとんど無くて
    せっかくゴミ屋敷へと掃除に派遣されても、他のメンバーがせっせと掃除する中
    なぜか美菜子だけが作家の先生の話し相手にされ、
    物語の比重が謎解きのほうに大きく傾いてしまうのが残念。

    Team HKのメンバーを始め、世間的にはハードボイルドなイケメン作家として通しながら
    気の許せる仲間うちでは、思いっきり乙女に戻る那須河先生など
    魅力的なキャラクターがたくさん登場するのに
    それぞれの事情にさらっと触れただけで、あっという間にお話が終わってしまって。
    「Team HK、序章! 続きはwebで!」みたいな感じで
    「え~、そんなぁ。。。」と思ってしまうのは私だけでしょうか。

    あさのあつこさんといえば、やっぱり、
    ガラスでできたナイフの切っ先のような、突き抜けた自意識を秘めた繊細な少年像。
    同性である主婦を描くと、思い入れが強すぎて
    かえって重たくなってしまうのかしら?
    とはいえ、ミステリに傾きすぎず、もっとTeam HKのみんなと
    お近づきにさせてほしいなぁと思わせる一冊です。

  • ハウスキーピング会社、Team HKで働き始めた佐伯美菜子。
    長年主婦しかしてこなかったことへのコンプレックスを抱いている主人公が、仕事に喜びを抱くの、良いよね。
    思春期の娘はさ、なんでこんなにイケズなのか…でも、私にも、母を鬱陶しく思ったり、恥ずかしく思ったりした経験がある。私の場合は、口には出せなかったけど。心で思って口に出さないより、口に出せる親子関係の方が健全だよね。だから、娘の香音のこと、私は強く責められないな。

    美菜子が「人の心は本当は広くて、深いはずなのに」と思ったシーンで、妙にジーンときてしまった。
    美菜子が、仕事仲間に愛される理由がよく分かる。人間の本質をそういうふうに捉えられる人って、素敵だ。
    私自身の心の広さについて、考えたことはなかったけど、「私の心も、広くて、深いのか」と考えたら、自分の中に無限の宇宙が広がっているような気分になって、いつもより心の余裕を持ったりできる気がした。きっと美菜子は、周りの人にそんな風に思わせてくれる人なんだろうなぁ。

    私は杉田比呂美さんのイラストが好きで、この本を選んでみた。
    あさのあつこさん、実ははじめて読みました。
    ふたつ目のお話では、解決しても人の悪意に触れたことですっきりしない。
    私はこういうの好きだけど、あさのあつこさんと言えば「バッテリー」とか青春小説を書いている作家さんのイメージだったから、意外でした。

  • 殺人鬼の献立表の前の物語だった。
    主人公が就職面接した直後から勤務することになった家事代行サービス会社「THK」。
    主人公が初めて掃除したお客さんは、お得意様の
    1人である、オネエキャラの小説家。
    その小説家との出会いをきっかけに、主人公の
    周りで事件が起こる物語だった。
    主人公の性格や家庭環境、職場のメンバーの性格やお客さんとの対応のコツなどがわかり、この物語の後に続く、殺人鬼の献立表の内容がもっと
    わかって良かった。

  • 人見知りで引っ込み思案の主婦美菜子は、チラシで見たハウスキーピング会社TeamHKで働くことになった。
    一緒に働くスタッフ達、顧客の人気作家など、個性的な面々と一緒に過ごすうちに、美菜子の中で何かが変わり始める。

    主婦のお仕事小説。
    軽い感じのストーリー展開に、気負わず、さらりと読み終えました。
    ミステリー仕立てになっていますが、ミステリー感は薄め。取りあえずは、美菜子の成長物語という感じです。
    家事は、ホントに重労働。同じ家事好きとしては、それが仕事になるのは、やっぱりいいなと思いました。

  • あさのクオリティーだよね。
    悪者はいないが、その平和こそがいい。
    軽快なストーリーの合間に出てくる不器用な母娘関係に不意打ちでグッときた。

  • 引っ込み思案の専業主婦がハウスキーパーの仕事を頑張る話だと思っていたけれど、ミステリー要素もあったんですねぇ( ̄0 ̄;)軽い感じで読みやすかった♪まだ話が始まったばかりみたいな雰囲気だから、続きがあるのかなぁ(^^)那須河先生の大ファンになったから、続編ご出たら絶対読む!(^o^)

  • ハウスキーピングの会社で働き始めた元主婦が主人公のお仕事小説、ほんのりミステリー風味。
    もっとお仕事に焦点を当てたお話を期待していたが違った。でも、ウジウジ主婦が成長していく姿は良かった。家族との関係が今後どう変化していくのか楽しみでもある。
    あっという間に終わってしまったという感じなので、続編希望です。

  • 大人が主人公のあさの小説を読むのは初めてかも。
    一作目、個性豊かなTeam HKのメンバーが面白かったんだけど、
    二作目は主要人物が減っちゃってちょっと物足りない。
    せっかくだから、もっとチームを読みたかったなー。

  • こんな普通の現代ものなあさのさんの本は
    はじめて読んだ気がします。
    (バッテリーは私には青春ものです!)



    一癖も二癖もありそうな登場人物たちは
    まだまだ波乱を起こしそうな気も‥‥‥
    続きが出るかもしれませんね。これ。

  • ハウスキーパーの仕事の話かと楽しみに読んだが、中味のないミステリーだった。ミステリーなら、もっとミステリーらしくあってぼしい

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著者プロフィール

岡山県生まれ。1997年、『バッテリー』(教育画劇)で第35回野間児童文芸賞、2005年、『バッテリー』全6巻で第54回小学館児童出版文化賞を受賞。著書に『テレパシー少女「蘭」事件ノート』シリーズ、『THE MANZAI』シリーズ、『白兎』シリーズなど多数。児童小説から時代劇まで意欲的な執筆活動で、幅広いファンを持つ。

「2013年 『NO.6〔ナンバーシックス〕(8)特装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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