雲上雲下(うんじょううんげ) (文芸書)

著者 :
  • 徳間書店
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本棚登録 : 547
感想 : 76
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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198645595

作品紹介・あらすじ

「草どん、語ってくれろ」どこからともなく現れた子狐は、目の前にいた草に話しかけた。物語をせがむ子狐に、草どんは重い口をひらく……。
子狐に山姥、乙姫に天人、そして龍の子。民話の主人公たちが笑い、苦悩し、闘う! 
「俺たち、本当に存在しているんですか?」
やがて物語は交錯し、雲上雲下がひずみ始める。物語が世界から消えてしまうのか?
不思議で懐かしい、ニッポンのファンタジー。

感想・レビュー・書評

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  • 民話を再編していくような語りが面白かった。原遍を知っているとさらに面白いように思う。

    個人的に、ここの人間ではないからここから離れられないわけではなく同一化もできず、自らで自分の寄辺を見つけるしかないというところに共感を感じた。

  • 中央公論文芸賞受賞(2018年/第13回)

  • いいなあ、昔話
    様々な民話をつないでストーリーに仕立てている
    朝井まかてさん、すごい
    懐かしい登場人物ばかり
    昔から庶民が大切に語り伝えて来たもの
    それを私たちは忘れ去ろうとしている
    その危機感がラストに

    草どんと子ぎつね、山姥
    深く味わいました

    ≪ 雲上と 雲下の境 物語る ≫

  • 雲上雲下
    著作者:朝井まかて
    発行者:徳間書店
    タイムライン
    http://booklog.jp/timeline/users/collabo39698
    昔話の新解釈ありそうでなかった大人の為のファンタジー

  • はじめのうちは、何だ昔話を書き直したのかとちょっとがっかりし、投げ出そうかなあと思いながらも少しずつ読み進めた。小太郎の話から、これはと感じ読むのが楽しくなった。あとはズンズン。朝井まかてさんは初めてだがすっかりやられた。たくさんの受賞もうなずける。

  • 草じいが、子狐や山姥に語る昔話。
    やがて判明する草じいの正体と大事な役目とは?
    雲上と雲下の関係を描く、ファンタジー。
    章ノ一 小さき者たち・・・草じいが語る昔話は、団子地蔵、
           見るなのタンス、田螺長者、猿の生き肝、猫檀家。
    章ノ二 勇の者たち・・・小泉小太郎(龍の子太郎の原型)
               貧乏神や笠地蔵も登場。
    章ノ三 物語の果て・・・つつじのむすめと山姥。
           語りから明らかになる草じいの正体と雲上の話。
           そして、その役目が重大であったことに気づく。
    参考文献、献辞有り。
    草どんが子狐や山姥に語る形式の、創作昔話が中心で物語が
    進行します。松谷みよ子さんへのオマージュかとも思いましたが、
    この物語では人の抱える問題が露わに表れています。
    パワハラ、セクハラ、いじめ、猜疑心に忖度・・・現代社会と同様。
    それでも、小太郎の物語のような、切なさが心に響く佳品もある。
    だが、語りで生き長らえた、あまたの昔話に登場する者たちの
    出現によって、話の様相は変わります。草じいとは、何者か?
    雲上での、雲下の民草の間で語られる物語を集め、
    神々に披露する、お役目。物語こそが雲上と雲下を繋ぐ。
    物語を紡いでいるのは、人々の心。
    物語が語られなくなることの危機感、独特の神々の世界観等、
    独創的なファンタジー作品だなぁと思いました。
    語り継がれる大事なものが失われつつある、現代日本。
    伝統や知恵等、その危機感を昔話に例えて、知らせています。
    そして最後、まったく無くなったわけではない。
    まだまだ物語を語る・・・受け継ぐ心があるという、
    そんな希望を感じました。

  • 2020.09.12

  • 期待値が高かったせいかがっかり。
    民話的な話がちょっとタルかった。

  • 読み終えて寂しい気持ちになった。
    このお話にあるとおり、
    古いものはどんどん忘れ去られていく。
    それを誰かが伝えていかない限り。
    わたしはその生き残りのひとりなんだなぁ。

    ちょっと生意気な子狐と、
    正体不明な草どんとのやりとりが
    かわいらしくて和んだ。

  • テレビで日本昔話をまたやらないと

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著者プロフィール

作家

「2023年 『朝星夜星』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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