これからを稼ごう: 仮想通貨と未来のお金の話

著者 :
  • 徳間書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198646202

作品紹介・あらすじ

お金は変わる。そしていずれ「なくなる」ーー。
2017年、バブルを迎えた仮想通貨市場。だが、その本質は投機対象でも決済手段でも、あるいはブロックチェーンという技術革新ですらない。お金という存在の正体に皆が気づき始めたことこそが、革命なのだ。
ビットコインが目指した自由、イーサリアムがもたらす大変革、そして新しく訪れる個人と会社・国家との関係性とは。仮想通貨から学ぶ「これからの経済学」。

感想・レビュー・書評

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  • 2018年7月になって、最近だいぶ少なくなってきましたが、電車のつり革広告で見て興味を持った本です。著者は、有名な「ホリエモン」の愛称で知られている、ライブドアを立ち上げた堀江氏です。先日のニュースで、彼が主催しているロケットの打ち上げが失敗したという報道がなされましたが、この失敗を克服して、いずれは宇宙旅行事業を立ち上げて欲しいと思っています。

    さて、私が興味を持ったのは、帯に書かれていたコピー「お金は変わる、そして、なくなる」でした。私達が生まれたときから慣れ親しんできた、紙幣やコインは、その役割を終えて、他のモノに置き換わることを示唆していると思います。それに関わるのは、ネットや仮想通貨、その肝の仕組みである「ブロックチェーン技術」だいうことのようです。

    貨幣よりこれからは「自分の価値」をどう高めていくか、今までは社会に役立つことをすることが推奨されてきたが、これからはそれはAIがやっていくことになるので、人間はそれ以外で見つける必要があるようですね。

    今まで成功してきて、資産や地位を築いて守っていきたい、それを活用していきたい人には不安な時代かもしれませんが、その逆の環境にある人には、戦国時代の「下剋上」の時代が来たようで、ワクワクする時代とも言えますね。私はどちらに属すことになるのでしょう、これも気持ちの持ちようなので、ワクワクできるように、今後も過ごしていきたいと思いました。

    以下は気になったポイントです。

    ・国家が通貨を一元的に管理し始めた歴史は、ここ200-300年程度、そもそも通貨とは、個人間の信用を顕在化させただけ(p30)

    ・ビットコインが画期的だったのは、すでに存在していた、1)公開鍵暗号方式、2)P2P、3)ブロックチェーンの、3つの技術を組み合わせたこと(p63)

    ・公開鍵では暗号化はできるが、秘密鍵でしか復号化はできない点がポイント、送信中にデータを盗まれても内容は秘密鍵でしか読み取れない(p66)

    ・ビットコインには、埋蔵量を設けた点、4年ごとに1ブロック当たり採掘量が半減期が設けられたのが、ゴールドと同じ理屈である(p71)

    ・中国では、一般人が購入できるのは、建物とその土地を70年間使用できる権利(借地権)だから中国人が日本で土地を投資するのは合理的な行動(p85)

    ・イーサリアムとは、ブロックチェーン上に仮想通貨の金額や受取人等の取引情報だけでなく、契約(スマートコントラクト)を記述する仕組み、これを実装する際にERC20規格を使うので、イーサリアムはICOの基軸通貨と言われている(p103、122)

    ・ICOは株式の代わりにトークン(仮想通貨)を発行することで、直接投資家に仮想通貨で購入してもらう、IPOを仕切るような主幹事証券会社の存在も現状ではない(p122)

    ・国と国を跨ぐ送金は、海外の「コルレス銀行」との間で口座を開き、それぞれの国の通貨で支払いを行う「コルレス契約」を結ぶ必要がある。こうした銀行間のメッセージを行っているのが、SWIFT(日本国内における全銀ネットに相当)である、リップルを使えば、即時に送金・受取が可能となる(p138)

    ・メルカリは、2017年11月に金融サービスを行う子会社「メルペイ」を設立、スローガンは、「信用を創造して、なめらかな社会を創る」である(p148)

    ・政府混乱により8000%というハイパーインフレに陥ったベネズエラは、2017年12月、世界初の国家ICOが行われ、原油価格と連動する仮想通貨(ペトロ)が誕生した(p160)

    ・アリペイの付帯サービスである、「芝麻信用」は、資産状況・クレジットスコア・交友関係・人脈に至るまで、個人の信用スコアをゲームのパラメータのように数値化して顕在化、無人コンビニでの万引き防止に活用、個人情報の一元化管理に成功している(p162)

    ・パチンコは三店方式による換金(刑法の賭博罪)は生き延びているが、1990年に三店方式でカジノを運営した人は賭博罪で逮捕された(p163)

    ・日本には金銭に執着しないという生き方(価値観)もあったが、この感覚を一変させたのが太平洋戦争、当時の金額で1900憶円(現在価値で4000兆円)この戦費調達のために日銀は国債を無尽蔵に発行した、このため1938年には「国民貯蓄奨励局」が設置された(p177)

    ・シェアリングエコノミー(個人が保有する遊休資産の貸し出しを仲介する)は、分散している状態でネットワーク化した社会でのビジネスの成功例であるが、それを発展させたのが、トークンエコノミー(サービス提供したい側が、貨幣の代わりにトークン発行、それをユーザーが購入することでトークンに価値が生まれる)である(p182)

    ・メルカリは個人が「不要品」を売ることで、ポイントを得る、それを日本円にも変更できるがモノとも交換できる。これは「あぶく銭」なので、手離れが良いお金を生みだしたことになる(p185)

    ・今起きていることは、お金が価値を媒介する唯一の手段であった独占が終わりつつある、価値を保存・交換・測定する手段は、いつも使っているお金である必要はない(p196)

    ・VALUは、夢や目標をどう実現していいかわからない方、金銭的な理由で実現できない方が継続的に支援者を募れる場所をつくりたいという思いから開発した、有名だったり資金力のある人が勝つのではなく、自分の価値を最大化する工夫をした人が相応の対価を得られる(p200)

    ・仕事や機会を奪うのは、テクノロジーではなく、人々が勝手に作り出した幻想である(p205)

    ・お金の価値は下がってきている、そんな社会で豊かになれる人とは、「お金との交換ができない独自の価値基準を持っている人」(p207)

    ・ノウハウ、プレミアムなスキル、他の人が簡単には入手できないものを、装備すること、すると、お金では代替できないモテ価値が生じる(p208)

    ・社会にとって役に立たないことを、どんどんやった方がいい。社会にとって役に立つことは、機械に置き換えられるから(p209)

    ・ちょっとの勇気で、ちょっとの行動を起こす、その一歩は、見た目の何倍もの距離へ歩みだすことになる。そうした小さな変化は、また次の変化を呼び、評価・信用につながる好循環になる(p224)

    2018年7月16日作成

  • 仮想通貨が今後広まっていくことを、根拠を述べながら解説している。
    最後は、いつも堀江さんが主張している、「変化を受け入れ、行動を少し変化させ、遊ぶように生きよう!」というメッセージで終わる。
    メッセージに勇気をもらうことができるが、仮想通貨自体には不確実性も多く、簡単には理解できないところが多かった。

  • 前半は仮想通貨の解説、後半は評価経済のはなし。仮想通貨の登場によって評価経済がいよいよ現実味を帯びてきた感は確かにある。少子化やAIの出現で労働の自動化も進んできた。だからみんな働かずに好きなことだけしようと著者は言う。しかし、みんなが好きな仕事だけして税金も払わなくなったら、誰がインフラを維持するんだろうか。儲からないエッセンシャルワーカーの仕事が本当に自動化されるのか?今でも自動化できない仕事を貧困層に押しつけている事が世界各地で問題になっている。
    マネタイズ可能なスキルも才能もない冴えないおっさんはどうしたらよいかという疑問が当然湧いてくるが、それに対する著者のアドバイスは冴えないおっさんが主人公の『最強伝説黒沢』の漫画が売れているからなんとかなるだって。
    評価経済はマーケティング能力に長けた人間が有利になる社会なので、著者のようなインフルエンサーには極めて都合がいい。仮想通貨を押しているのも徴税が難しいからだろう。本書を読んでいると税金を払いたくないという気持ちが随所ににじみ出ている。エッセンシャルワークをスキルのない凡人に押しつけ、税金を払わずに国家が作ったインフラにただ乗りするのが著者の理想とする未来なんだろう。

  • 仮想通貨に纏わる諸々なこと(わかりやすいし、復習になるし、勉強になる)と、著者の思いがつらつらと記載されている。正直、TVその他での著者は好きではないが、こうして著書であれば、取り敢えず言いたいことは伝わってくるし、なるほどとうなづけるし、共感しなくもない。

  • 仮想通貨について詳細に踏み込む部分は少々難しかったが、そこをさらっと読み飛ばしてもおもしろい内容だと思います。お金の考え方がアップデートされます。

  • 仮想通貨の仕組みなど、初心者にはやや難しかった。でも、他書でも感じた通り、彼は一貫して、他の人には生み出せない価値を持った人になれと言っている。仮想通貨は評価経済社会(お金にできない評価を多く集めた人が残る社会)と親和性が高い。これからは通貨の価値は無くなっていく。金があるとか、年収とかではなく、人間的魅力のある人が生き残る。ホリエモンは、テクノロジーを信じ、自ら社会実験をしながら新しい経済圏での可能性を探っている。本当に既成概念にとらわれず新しい未来を切り開いて行く人なんだなぁと思う。賛否はあれど、すごいと思う。

  • 正直よくわからなかった
    が、堀江さんが言いたい事は少しはわかった、つもり
    既存のモノは無くなったり、常識とか変わるんだから、それを嘆くのは無駄だから、
    新しいものとか、変化に対応して、楽しく今を生きれば良いんじゃない
    って事かな、と

  • 自分が知らない言葉や事象が分かりやすく説明されていて読み易かった。
    未来がどの方向に行くのかを予測した本のタイトルですが、
    そうではなく自分で自分を楽しく作り上げることができると思わせてくれる本でした。
    ホリエモンの本を読んだことのない人に読んでほしい本です。

  • たぶんわかる人にはすごくわかるんだろう。
    難しすぎて、撃沈。。

  • 何事も食わず嫌いになってはいけないので、仮想通貨も今後のために勉強中。

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著者プロフィール

1972年、福岡県生まれ。実業家。ロケットエンジンの開発や、スマホアプリのプロデュース、また予防医療普及協会理事として予防医療を啓蒙するなど、幅広い分野で活動中。会員制サロン「堀江貴文イノベーション大学校(HIU)」では、1,500名近い会員とともに多彩なプロジェクトを展開。『ゼロ』(ダイヤモンド社)、『多動力』(幻冬舎)、『時間革命』(朝日新聞出版)、『最大化の超習慣』(徳間書店)など著書多数。

「2023年 『(仮)2035 10年後のニッポン ホリエモンの未来予測大全』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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