時代小説アンソロジー てしごと おんな職人日乗 (文芸書)

  • 徳間書店
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感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198650070

作品紹介・あらすじ

人気女性作家による時代小説競演
己の腕で生き抜くおんな職人の矜持

真葛……京都の幕府直轄御薬園で働く女薬師
沙奈……亡き母の仕込みを継ぐ色酢の?造り職人
おりん……木肌の魅力に惹かれ根付職人に弟子入り
蕗……妹と峠の茶屋を切り盛りするそば打ち職人
市子……その身に霊を降ろす「口寄せ」を使う巫女
梅……身体のみならず心の凝りもときほぐす揉み屋

当代の人気女性作家が、己の生きる道を自らの
腕と業で切り開く女性職人の凛々しさを巧みな
筆致で活写した、傑作時代小説アンソロジー。

春雀二羽     澤田瞳子
藍の襷      志川節子
掌中ノ天     奥山景布子
姉妹茶屋     西條奈加
浮かれの蝶    小松エメル
おもみいたします あさのあつこ

感想・レビュー・書評

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  • 江戸の世で仕事に生きる女たち。
    アンソロジーは知らない作家さんとの出会いがあるのも楽しい。

  • 6人の女性作家が、「江戸時代の女性職人」を物語の主人公に配した、短編傑作集!

    小説を読むときに、毎回感じるのが、作家が変わる旅の、文章という流れというかリズムというか、物語の中に自分を埋没させるための儀式に、相手が変わることで、しばしば時間がかかったり、気持ちの立て直しが必要だったりする。

    今回この本は、いささか体調が悪かった時期であったためか、物語の1番目に没入するまで時間がかかった。

    全編素晴らしい物語で、短編が心地よく全て無駄なく、足りなくもなく、采配されていた。

    時代小説好きの方には、お読みいただけたらと思う。

  • 図書館で借りたもの。
    己の生きる道を自らの腕と業で切り開く女性職人の凛々しさを巧みな筆致で活写した、時代小説アンソロジー。

    △「春雀二羽」澤田瞳子
    薬師の仕事をもっと読みたかった。謎解きも薬師と関係なかったし。
    △「藍の襷」志川節子
    麹職人の話。
    ○「掌中ノ天」奥山景布子
    根付職人に弟子入りしたおりんの話。
    作業が細かく描写されてたし、読んでて面白かった!
    ◎「姉妹茶屋」西條奈加
    蕎麦職人。蕎麦はもちろん、くるみ餅が美味しそう!やっぱり食べ物が出てくる話は好きだ。話も面白かった。
    ○「浮かれの蝶」小松エメル
    その身に霊を降ろす口寄せの巫女…かと思いきや、手妻使い(手品師)の婆さんで――。
    ◎「おもみいたします」あさのあつこ
    揉み屋のお梅の話。読みやすかった。

  • 大好きな作家さんや初読みの作家さん…
    新鮮で良かったです。

  • 日刊ゲンダイ2019/1/7-2/1号澤田瞳子:春雀二羽、2/4-3/1号志川節子:藍の襷、 3/4-3/29号奥山景布子:掌中ノ天、4/1-5/2号西條奈加:姉妹茶屋、5/7-5/31号小松エメル:浮かれの蝶、6/3-6/27号あさのあつこ:おもみいたします、の6つの短編を2020月1月徳間書店から刊行。女性たちの仕事時代小説アンソロジー。あまりお目にかかれない仕事ばかりで、すんなりと入り込めませんでした。澤田さんのみ、既読で、京都鷹ケ峯御楽園日録シリーズなので、これは好きなんです。

  • 心地よい本

  • 江戸に生きる女職人を描いたアンソロジーだ。
    職人、といっても、ものづくりだけでなく、揉み屋やそば打ちなど職業はさまざま。
    全体的にしっとりした雰囲気の短編が多かったように感じる。

  • アンソロの趣旨を汲みつつ、自分の作風を練り込めんだ人と、自分の作風になんとなーくテーマを付け足した人で面白さが分かれる

  • 2019年に日刊ゲンダイリレー連載された6編
    女性時代小説作家による女性職人をえがくアンソロジー
    新しいお気に入りが見つかるかと期待したが。。。

    澤田瞳子「春雀二羽」
     京の本道医の義妹真葛は薬草を育て薬の研究をしているが、禁裏御典医御薗家の兄弟不和と、医書を持ち込んだ老女の事件を、鮮やかな謎解きで解決。

    志川節子「藍の襷」
     年貢の不足を補う薩摩の色酢作りを母から引き継いだばかりの沙奈の前を、藩内の権力闘争の一端が通り過ぎる。

    奥山景布子「掌中ノ天」
     伊勢参宮の土産物の根付け細工に魅せられたおりんは弟子入りしてのめりこみ、京の修行から帰った恋人よりも大切なものとなっていた。兄弟子と競う心中の葛藤がよく描かれている佳作。

    西條奈加「姉妹茶屋」
     秩父で祖父から引き継いだ蕎麦打ちとくるみ餅の茶屋を営む姉妹に、江戸から捜査の影が近づく。姉の許婚は強盗団の手先なのか?作者らしいはらはらのミステリー仕立てと、ほっとする結末。

    小松エメル「浮かれの蝶」
     失踪した名主の娘の降霊を行って村人を安心させたお市は、DVの父親から娘を逃がすためのトリックだと見破った若者に手妻の技を教えてくれとせがまれる。

    あさのあつこ「おもみいたします」
     あまりの体調不良で毒殺におびえる商家の主が、体幹から凝りを解きほぐすお梅のあんまに、心の凝りまでもほぐされていく。あー、こんなあんま受けたい!

  • 時代小説は苦手と思ってたが、なかなかに趣深く人情味あふれててよかった。ただ単語の意味がよくわからないのもあったから勉強しなきゃな。

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著者プロフィール

岡山県生まれ。1997年、『バッテリー』(教育画劇)で第35回野間児童文芸賞、2005年、『バッテリー』全6巻で第54回小学館児童出版文化賞を受賞。著書に『テレパシー少女「蘭」事件ノート』シリーズ、『THE MANZAI』シリーズ、『白兎』シリーズなど多数。児童小説から時代劇まで意欲的な執筆活動で、幅広いファンを持つ。

「2013年 『NO.6〔ナンバーシックス〕(8)特装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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