- Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
- / ISBN・EAN: 9784198651114
作品紹介・あらすじ
スマホを開けばそこには
許せない事件、人物、発言、広告…
いつでも好きなだけ
その「許せない」は「怒り」に変えられる
当事者でない身勝手な
一人の匿名の怒りツイートは
「みんなの怒り」に加工され
集団で怒りを爆発させることがカタルシスになる
ナイナイ岡村のコロナと風俗発言
女子レスラーを死に追いやった事件
芸術家・会田誠展と表現規制
「宇崎ちゃん」献血ポスター事件……
SNSの麻薬のような力に侵された時代を
その実態と炎上の論争から解き明かす
序章 「怒りの万引き」がやめられない
SNS上で蔓延する「麻薬」の正体
「テラスハウス」をめぐる女子プロレスラーの死
岡村隆史「コロナと風俗」発言で大炎上…ほか
第一章 女が許せない
1-1 現代社会は女尊男卑社会である
1-2 動き出した女性中心社会の被害者たち
1-3 相対的剥奪感に基づく怒りが止まらない
1-4 ミソジニーと社会運動の麻合体
1-5 フェミニストの化けの皮を剥がせ
1-6 「女が許せない」は進化する
1-7 逆襲のミソジニスト
第二章 男が許せない
2-1 ハラスメントとしてのフェミニズム
2-2 目に映る全てのものが燃料になる
2-3 無自覚が止まらない
2-4 暴力の正当化がやめられない
2-5 本当に許せないのは誰だ?
2-6 「自分が許せない」がやめられない
第三章 LGBTが許せない
3-1 性的マイノリティの怒りの背景にあるもの
3-2 「ゲイが許せない」の歴史
3-3 LGBTが許せないLGBT
3-4 「T」の憎悪
3-5 暴走するツイッタークィア・
スタディーズ
第四章 性表現(規制)が許せない
4-1 反女性差別派と表現の自由派の闘い
4-2 萌え絵が許せないVS表現規制が許せない
4-3 ツイッターアマゾネスVS
ツイッターバーサーカー
4-4 「許せない」は裁けない
第五章 ジェンダー依存がやめられない
5-1 セックスワーク・スタディーズという病
5-2 ジェンダー依存の世界
5-3 ジェンダー依存度のセルフチェック
5-4 ジェンダー依存からどうやって抜け出すか
5-5 ジェンダー依存と共に生きる
終章「無限刃」から「逆刃刀」へ
新型コロナと「怒りの火事場泥棒」
許せないという怒りを国に対する声として
昇華させる
社会を変えられなかった人たちのセカンドキャリア
…ほか
風俗店で働く女性の無料生活・法律相談事業「風テラス」などで現代の性問題の解決に取り組む著者が、SNS社会を鋭く分析。
感想・レビュー・書評
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正直、誰も読まなくていい本。
炎上しているツイートの地獄のリプライ欄を読むのが大好きだという人向け。
あなたのこといっぱい書いてあるよ、よかったね!
終章をもっと詳しく膨らませて一冊にするか冒頭にあった方が良かったのでは?
あと上野ゼミ出身というプロフィールをもっと出してもよかったかも。
結局どの章も著者の感想で締められていて、何か統計やデータから導かれるものや医学や行動科学からの引用などはほぼ皆無でした。また文中のツイッターアカウントやタグを検索閲覧しながら読んでくださいという一文にも失笑してしまった。やる人いるの?それも含めてブログでやればよかったんじゃないかな。
あと何より、キメセクなんて言葉をドヤった感じで堂々と使ったりするのは、下品を超えて個人的には生理的嫌悪を感じました。お前の言い方鼻につくから粘着して誹謗中傷してやると言われかねない説得力が確かにありました。作戦ですか? -
あとがきを読むと、著者自身、ネット上で様々な嫌がらせ・誹謗中傷にあい、裁判に訴えて損害賠償を勝ち取っているという。そんな経歴を踏まえて本書を読むと、かなり辛辣な書きぶりもなるほどと納得できる。怒りが麻薬に似ていて、「もっと怒りたい!」と怒る対象を探し回ってしまう等という一見意味不明な行動も、実際にありそうな話である。
ある程度ツイッターに親しんでいると、確かに「いや、この人達、毎日毎日ホントによくやるな〜」と感心してしまうような依存症的アカウントに出くわすものだが、中でも本書で取り上げられている類型の一団はその攻撃性において際立つものがあるのは確かで、「医療につなげるしかない」との本書の最終提案も(身も蓋もない提案ではあるものの)、まぁそうだろうと感じてしまうのだ。
ただ、フォロワー数の少ない泡沫アカウントを手厳しく批判している割に、自身のツイートでイイね800が最高というのはどうなんだろう?(どうでもいいですね。) -
Twitterで散見される「許せない」という強い感情。怒りを簡単にシェアすることができるようになった今、蔓延する怒りはどこから来るのかを知りたくて読んだ。
女が許せない、男が許せない、LGBTが許せない、萌え絵が許せない…各章で挙げられた例の強さはなかなか。「許せない」という感情は、依存症であるという考察がされていて納得させられた。 -
SNSに疲れていませんか?
掲示版の盛り上がりを良くも悪くも受け継いだSNSは日々炎上で溢れています。
そんな話題に乗っかってしまい「怒り」に飲まれてしまうことや、外から億劫に感じること。そして、炎上を受けた側にいる。ということは、SNS利用者なら少なからずあるでしょう。
本書はそんな「許せない」という怒りを分析し、その向き合い方について一役買うことになうでしょう。
[表現の自由][貧困・障碍者・差別問題][ポリコレ]に関心がある方にオススメです。
IM学科4年 -
Twitterでのジェンダー(女性差別や性自任、性的表現など)をテーマとしてたびたび起こる炎上。
なぜ炎上は起こるのか。
毎回、具体的な事件は異なるものの、議論の方向性がほとんど同じで、いつも平行線(というか誹謗中傷の殴り合いのような様相)になるのはなぜなのか。
そして、誹謗中傷に気炎を上げるひとたちの「怒りのエネルギー」はどこからでてくるのか。
フェミニズムと、それに反発するミソジニーなど、「自分こそが被害者だ」と訴えてタイムラインを賑わす方々の思想や、その歴史も解説されており、何が彼らの逆鱗に触れるのか、なぜ議論が噛み合わないのかもわかりやすく整理されています。
ところどころ、卑近な例で例えられていたり、軽い文体があったりするところも読みやすく感じます。
怒りに任せて(自分を被害者、あるいは被害者の代弁者として)、他者(自分が「加害者」だと判断した相手)を攻撃する、という一連の流れを「依存症」と見なす筆者の視点は新鮮であるものの、スッキリと理解することができました。 -
TwitterもといX、色々な角度から怖くてやめてしまった…。
ひとつは自分が怒り中毒やSNS依存になってしまう怖さ。
ひとつは「許せない」がやめられない人たちに目をつけられる怖さ。
どうして?っていうときにこの本を読んでちょっと落ち着いたし、私には現実が1番大切です…。
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最近のSNSに思うところがあって、
タイトルに惹かれて取った本作。
もちろん、SNSは使い方次第でいろんな可能性を秘めてるよね。
怒りが悪い事だと思わないし、理不尽なことには立ち向かうべきなのだけど
その怒りが悪い方向に行って、怒りを伝える手段が誰かにとっては悪意に変わってしまうのは
怖い。
例えば、ボディポジディブ。考え方は素晴らしいし、勇気づけられる。
良いこととして広まったものが
逆に理想の自分になりたくて努力してる人を
なんで痩せるのか?と追い詰める方向に変わってしまったり。
その中にはやっぱり許せないが含まれてる気がする。
芸能人の自殺や、キャンセルカルチャー、
その中には純粋にツイートした事が集団の力となってナイフになってると思う。
そしてその集団の力を利用とする人達もいる。
少し話は変わるのだけど、そんなSNSの力を利用する悪としてアメリカのドラマ イーヴィルを思い出した。HULUで見れます笑 -
ツイッターで度々炎上している問題について。
何となく炎上してるのは知ってたけど、どういう人達が暴れてるのか知らなかったので、この本で分かった。
「許せない」がやめられない、への対処法は書いてはいなかった。図書館の社会学の棚にあったのはそのためか。
ミソジニストやツイフェミの心理状況は書いてあるものの、それを治療する方法はないとのこと。