執行 (文芸書)

著者 :
  • 徳間書店
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本棚登録 : 82
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198653378

作品紹介・あらすじ

この結末、あなたは予想できますか?
『審判』『目撃』等、法廷ミステリの傑作を送り出した
深谷忠記が死刑制度の闇に挑んだ渾身の本格推理

死刑執行から6年後に届いた“真犯人”からの手紙!?

執行後も事件の再審請求を続ける弁護団。
東京高検検事長が殺害され、捜査に当たる刑事たち。

無関係のはずの両者が交錯するとき、驚愕の事実が明らかになる!

堀田市で起きた幼女誘拐殺人事件「堀田事件」の犯人として死刑判決を受けた赤江修一。
彼は無実を主張したが、控訴、上告とも棄却され、判決確定後、わずか二年で刑を執行された。
それから六年後――亡き赤江に代わり再審請求中の堀田事件弁護団宛に、真犯人を名乗る
「山川夏夫」から手紙が届く。
さらに一年後に届いた二通目の手紙の中には、犯人のものだという毛髪が入っていた。
弁護団の須永英典弁護士は手紙の差出人を突き止めるべく、新聞記者の荒木らと
調査を開始する。
調査が進むにつれ、日本の刑事司法の根幹を揺るがす計略が浮かび上がる……。

感想・レビュー・書評

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  • お名前は存じ上げていたが、読むのは本書が初めて。
    500頁の長編で、プロットも構成も及第点なのだが、冗長過ぎて途中で飽きてくる。主要人物の思考の記述が多いのは良いにしても、余りにも繰り返しの記載が多いのと明らかに書かなくてもいい背景描写が多過ぎる。文量が半分くらいであればもっとタイトでスピーディで締りのある良作になったのに残念。

  • 冤罪、汚職、検察の腐敗、等々。
    いくらでも感情移入できて、一気読みできる話だと思ってたんですが。

    いや、平易な文章でわかりやすく、読みやすく。
    淡々と事実が記述されていく。
    なんか長い新聞記事を読んだような印象です。

    ぶっちゃけて言うと、あんま面白くなかったわけです。
    もう少しドラマ性があればよかった。

  • 読み応えのある本でした。悲しくもあり未来もあり。
    二つの時間を行ったり来たりするので読みにくい時もあるけど、何かスッキリする最後だったので救われました。

  • 80壮大な復讐の物語だが時系列が二つあって、途中まで読んでで読んでやっと過去と現在が並行して描かれているとういうことがわかった。文章もスムーズで筋書きもわかりやすいのに、二つの時間列にした意味がよく分からなかった。

  • 死刑執行から6年が経って届けられた、「真犯人」を名乗る者からの手紙。無実を訴えていた死刑囚は冤罪だったのか。その手紙の差出人を探すうちに浮かんでくる、死刑囚と刑務官の自殺事件に潜む謎。そしてひとつの殺人事件。これらを繋ぐ真相はいったい何なのか。それぞれの事件の関連性が見えそうでなかなか見えてこない、読み応えたっぷりのミステリです。
    冤罪にまつわる司法の闇、というテーマはありがちですが。本当に嫌ですねこういうの。実際あるのかもしれない、と思えば恐ろしくなります。当事者のみならず、それに人生を狂わされてしまう人は多いはず。こんな悲劇は起こしちゃいけませんね、絶対に。特にこの物語の場合、たった一人の保身のためにこんなことになるとは。
    従弟であり最愛だった相手の無念を晴らすために暗躍する彼の行動にはらはらさせられました。そしてどのように物事を進めるべきか、そのジレンマもまた読んでいてはらはら。お願いだからあまり無茶なことはしないでくれ、と思うばかりです。だけどこの「動機」ばかりは、誰に知らせるものでもないよね。

  • 何故か読みにくい。
    時間が行ったり来たりだからかなぁ

    本当に科学者は真実の追及よりも、決まり事優先?
    DNA鑑定って、親子関係否定されて泣いてる人がたくさんいるらしいのに、それは自由に鑑定出来て、再審請求の為にはハードルがあるって...本当?...弁護士さんが言ってるんだから正しいのでしょうが。

    この一点が気になりすぎて読み進めにくかったのか~

  • 東京高等検事庁検事長鷲尾が殺害、死刑因の獄中での自殺、それを発見した刑務官が自殺、冤罪を主張し上告中の堀田死刑因が処刑。一見、バラバラの事柄が一つに繋がる。出世と権力、そして保身に走ったエリート検事の鷲尾。部下を思うままに使い殺人を示唆する。当然恨む者も存在し、その結末は自業自得とは言い過ぎかも知れないが同情に値しないのかなと思う。それにしても、冤罪は怖いなとつくつぐ感じとる。それと上下下達の権力。500ページの大作、読み返し考えながら読み進み読み応えを感じたこれぞ本格ミステリーだと堪能した。

  • 途中まで読んで、物語の進み方があまりにも遅いので嫌になってきた。
    描く場面もあっちへ行ったり、こっちへ来たりで面白くない。

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著者プロフィール

1943年東京都生まれ。東京大学理学部卒。82年『ハーメルンの笛を聴け』で第28回江戸川乱歩賞候補。85年『殺人ウイルスを追え』で第3回サントリーミステリー大賞佳作。〈壮&美緒シリーズ〉に代表されるトラベルミステリー、『自白の風景』『黙秘』『審判』『目撃』『無罪』などの法廷ミステリー、『「法隆寺の謎」殺人事件』『人麻呂の悲劇』などの歴史ミステリーにも定評がある。

「2023年 『殺人者 〈新装版〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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