- Amazon.co.jp ・本 (246ページ)
- / ISBN・EAN: 9784198916923
感想・レビュー・書評
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アジアの旅はほどほどがいい。本書を読んでそう思った37歳の私。
著者の下川氏が本で言っている通り、カオサンなどの安宿街、安宿は若者世界なのだ。かつて自分も若者と呼ばれていたころがあり、そのような若者世界にいることに違和感もなかったし、楽しい日々の思い出もたくさんあります。しかし、今は若者世界でもない、はたまた日本のツアー会社が企画する旅行で泊まるような高級ホテルでもないマイナーな中進路線のホテルを寝床とするのが今の私の旅スタイルです。
貧乏スタイル一人旅とかツアーとかひとくくりの枠に当てはまらない自由で気軽な旅スタイルがもっと日本人に普及してほしいと私は常日頃から思っていますが、下川氏の旅に対する立ち位置は本当に共感します。
30代、40代独身日本男子はもっと自由に海外を歩いてみては・・・本書で描かれている旅スタイルなら無理なく入れると思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
自分は著者の下川裕治さんを特別好きでも何でもないのですが、よくこんなにたくさん本が出せるものだなあと感心し、一時期貪るように著作を読んでいたことがあります。
本書は40代半ばを超えた著者が、あるべき「ほどほどの」中級旅行を巡るノーブレス・オブリージュ的旅行術がテーマ。「安宿というのはやはり若者の世界だった」という一文には、妙に共感できる気がするようなしないような…。
特に第3章の随筆「チャイハナ回想」は、『SWITCH』の依頼で訪れたアメリカ同時多発テロ直後のペシャワールの話なのですが、全体と全くトーンが異なっており、深い(というか優しい)考察がなされていてお勧めです。