現代の小説 2009: 短篇ベストコレクション (徳間文庫 に 15-9)

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制作 : 日本文藝家協会 
  • 徳間書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (568ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198929930

感想・レビュー・書評

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  • 旅のお共として。22篇。

  • 短篇集はいろんな文体を手軽に楽しめる。自分はテンポの良い話が好きらしい。久保寺健彦「キャッチライト」や小路幸也「明日を笑え」は気軽にその世界に入って楽しめた。構成や流れで感心したのが藤田雅矢「トキノフウセンカズラ」吉川良太郎「吸血花」。

  • 35文庫
    2009年に大人気だった作家の短編集。今見ると、大作家へとキャリアを積まれたのだなあ、とおもう人選。

  • 短篇集は混乱して整理がつかなくなるから避けてるのだけど、やはり予想通り。伊坂さん目当てだったけど『検問』は読んだことあったなぁ。角田さんの同窓会が一番衝撃。殺人じゃなくても幼心からくるあれこれは罪深いしきっと誰しも経験してる気がして心が痛い。厭だ厭だも良かったな。じーん、じーん、号泣。恩田さんは何故だか避けてたけど…損してたかも。江國さんはやはりDVネタ。総括するとまぁ良かった。

  •  多くの方がそうであるように、伊坂作品目当てで借りた本だ。それだけにして返却しようと思っていたのだが・・・。

     それを拒んだのは、オープニングの「琥珀(浅田次郎)」。時効前の犯人と定年前の警察官の話なんだが、ラスト1行がとにかく心に残った。要旨を引用したい。

     「愛する人の新たな旅立ちに形あるものを贈るほど、阿呆ではない」

     だから、次の作品も読んだ。「まぶしいもの(伊集院静)」は使者を懐かしむというかなんというか、イマイチ乗り切れなかった作品。続く「ごめん。(唯川恵)」は、ラストのどんでん返しが、タイトルとともにきれいに決まるいい作品。しかし、「明るい農村(高村薫)」ってのはちょっと意味不明というかなんというか。

     「豆を煮る男(森絵都)」では、主婦の日記形式で日常生活を上目線から覗き込むようなユニークな作品。「キャッチライト(久保寺健彦)」ってマラソンで知名度を上げようとする元アイドルだが、平坦で面白くない。続く「嫁はきたとね?(新野哲也)」もページをめくるだけ。

     飽きてきたころの「同窓会(角田光代)」はミステリータッチで暗闇が怖い話なんだろうが、面白くなかった。その代り、次の「明日を笑え(小路幸也)」はいい味だなぁ。漫才バンドみたいなを作ったものの、やりたい音楽から外れていく焦燥感。でもラストではそれがきれいに弾ける感じがとても良い。さらに、悪友たちとの再会で盛り上がる「昭和の夜(福沢徹三)」は現実感たっぷりで、とっても元気が出るお話だ。いいな、友達は。

     打って変わってハードなミステリータッチの「冤罪(今野敏)」はけっこういいなぁ。覚えておこう、この作家。次の「フォーカス・ポイント(鈴木光司)」は引退前のボクサーの話だが、こんなもんって感じ。次の「幻影(高橋克彦)」は話ばかり拡散してすっきりしないファンタジー。「トキノフウセンカズラ(藤田雅矢)」が意外とよく、植物の種が時をわたるという発想が素晴らしい。SF的だな。

     そして最初に読んだのがこれ。「検問(伊坂幸太郎)」。しかし、エンディングのキレが悪い。誘拐犯のやり取りは非常に楽しく、期待したんだけれどなぁ。

     続く「骰子の七の目(恩田陸)」はさっぱり面白くなく、「たてがみ(古処誠二)」もイマイチ乗り切れず。通り魔殺人結構予定の「ダガーナイフ(石田衣良)」もなんか泥臭い解決だし、「女友達(江国香織)」にいたってはさっぱり意味が分からない。ファンタジーラブロマンスっぽい「厭だ厭だ(あさのあつこ)」は苦手な分野。

     再びハードボイルド系の「ジョーカーの徹夜仕事(大沢在昌)」はけっこう面白い。記憶しておこう。ラストを飾る「吸血花(吉川良太郎)」はホラーっぽくていいかもしれないけれど、好みではないな。

     ということで、今回の発見は、今野敏&大沢在昌。どこかでほかの作品を読むことになるだろう。

  • 色んな作者の短編集ってあんまりこれがよかったとかこれが好きとかないなあ…これはいまいち伏線回収しきれなかったかな、とか言い回しが好みじゃないかも…とかなんか後ろ向きに評価するのやめたいorzでもどれもよかった!

  • 何作か読み飛ばしてしまった僕は読者失格です。

  • 帰省時のあいた時間用に。
    角田さんと江国さん、伊坂さんなどの作品がめあてで。
    江国さんの作品はまたもDV男が出てきて、あえてなぜ
    DV男を登場させるのか疑問だった。短編なら女友達という
    題名をふくらませて楽しい話がかけそうなのに。
    角田さんの作品は最近よく書いている日常に起こりうる
    事件絡みの話で面白く読んだ。最後ぞっとさせるのはさすが。
    伊坂さんの作品も犯罪絡みなのにみょうにすっとぼけてて笑った。
    他の話もだいたい面白く短編集としては十分だとおもう。

  • お気に入りは「明日を笑え」、「ジョーカーの徹夜仕事」、「まぶしいもの」。面白かったけどどうしても短編集はそれぞれ雰囲気が違うので読むのに時間がかかってしまいます。

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著者プロフィール

1951年東京生まれ。1995年『地下鉄に乗って』で「吉川英治文学新人賞」、97年『鉄道員』で「直木賞」を受賞。2000年『壬生義士伝』で「柴田錬三郎賞」、06年『お腹召しませ』で「中央公論文芸賞」「司馬遼太郎賞」、08年『中原の虹』で「吉川英治文学賞」、10年『終わらざる夏』で「毎日出版文化賞」を受賞する。16年『帰郷』で「大佛次郎賞」、19年「菊池寛賞」を受賞。15年「紫綬褒章」を受章する。その他、「蒼穹の昴」シリーズと人気作を発表する。

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