桜大の不思議の森 (徳間書店)

著者 :
  • 徳間書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784198936105

感想・レビュー・書評

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  • 黒沼村で生きる少年桜大を中心とした、不思議と隣合わせの春夏秋冬を綴った物語。
    『妖怪アパートの幽雅な日常』などの作者の作品で、食べ物の描写や風景の描写が絶品。食べ物は美味しさが、風景は美しさが滴るよう。この作者さんが亡くなられたのは本当に悲しい。
    波あり谷あり、でも穏やかな日々は心を落ち着かせたい時に読むのをオススメします。

  • 心が安らぐ物語でした。

  • 黒沼村という人と不思議が同居する場所で
    桜大(おうた)が不思議と禁忌の場所を体で覚え
    成長していく不思議で温かいお話。

    ただ不思議とか怖いのではなく、自然や神に対し
    畏怖の念を抱くという根本的な事を子供を通して
    伝えている。

    現代版の遠野物語とでも言ったらいいのか・・・
    不思議で怖くて温かくて・・・
    田舎での不思議体験を思い出しました。
    忘れてはいけない大切な思いが詰まってます。

  • 久しぶりに香月さんの作品を読んだ。
    短く、子どもにも読みやすいながら、ほっこり、じーんとする場面がありよかった。
    この物語の舞台である黒沼みたいな村は、ちょっと昔の日本のどこにでもある風景であり、風習であり、生き方だったのかなー。
    時代と共に変わるのは仕方ないが、便利さやらに飲み込まれず、ちょっと見えないもののチカラ、神秘なんかにも心を向けれた。

  • 978-4-19-893610-5 c0193¥495E.

    桜太の不思議の森


    徳間文庫 こ41-1.-


    著者:香月日輪(こうづき ひのわ)
    カバーイラスト:さやか.

    発行所:株式会社徳間書店

    2012年10月15日 初版
    2012年10月20日 2刷

    緑したたる山々と森に、やさしく抱かれるようにして、黒沼村はある。村の傍らにある森はその奥に「禁忌の場所」を抱えていたが、村人たちは森を愛し、そこにおわす神様を信じて暮らしていた。十三歳の桜太(おうた)もまた、この森の「不思議」を感じて育った。
    森には美しいものも怖いものもいる。センセイや魔法使いに導かれ、大人への入り口に立った桜太が出合うものは?心の深奥を揺さぶる物語。

    あとがきが秀逸

  • センセイのあたりからぐいぐいと世界観に惹き込まれた。

    科学が発展していくなかで、忘れてはいけないことが詰まっている。

    人のつながりの大切さや自然の雄大さ、丁寧に作ったご飯の美味しさなど、日々忙しい社会で生活する中で忘れてしまっていることを思い出させてくれるような本だった。

    昔からの言い伝えや神様などを信じる人にはぴったりな1冊だと思う。
    私は自然の中に神様がいるという考えはとても好きで響いた。あらゆるものに魂が宿ると考え、木や岩を神様だと思って敬い、信仰してきた日本人の心が詰まっていると思うから。

    楽しいことばかりじゃないと思うけれど、1度は住んでみたいなと思うくらい、自然に囲まれ人情に溢れた素敵な村だった。

    --✄--
    「人間には、知恵と技術がある。これは素晴らしいことや。でもな、だからというて、なんもかも人間の自由にできると思うたらあかんのや。すごい力というのは、恐る恐る使わんとあかんで。人間より大きな力を持った存在がおって、間違うたことをしたら叱られると畏れなあかんで。そんな風に生きた方がええに決まっとる」

    「経済成長せなあかんのはわかるけど、自然をどんどん壊したり、伝統文化をないがしろにしてええことらぁ、一つもない」

    「人間の中から、どんどん畏れや敬いがなくなっていく。それは、科学や技術が発達していくのと引き替えなんやろう」

    (あとがき)
    人は「畏れ、敬う心」を、決して忘れてはならない。それを忘れたら、人間は滅びる。日本は、今、滅びかけているようで恐ろしい。

    空気が澄んでいて、水と緑が美しくて、時間がゆっくり流れる。豊富な情報も便利なツールもないけれど、暮らしてゆくにはさほど苦にならない。隣近所で助け合えば、たいがいのことはなんとかなる…。私たちは、今さらこういう時代へは帰れない。
    --✄--


    農業は自然の条件に左右される。食事は命に関わるから、人々は神様を祀った。現在では機械化が進んでいるけれど、自然の条件に左右されることに変わりはない。自然から離れて農業から離れている人が多く、このことを忘れてしまっているんじゃないかなと。

  • 短編の集まりのような中編話。あらすじを見て想像したストーリーとまた違ったが、これはこれで十分楽しめた。センセイみたいな大人が周りにいて、自然と不思議な力に満ち溢れた村に住んで、桜大は恵まれていると思う。面白かった。

  • 神が未だ住まう村のほんのり温かな暮らしが垣間見える作品。

  • 信心!神様!私には日常生活に登場しない心情ですが「畏れと敬う」って言葉や自然や命に感謝をするって事はして間違いはないなぁって思ったなぁ。田舎では暮らした事がないので少し体験してみたい気もするし私も不思議を体験してみたいなぁ!

  • sg

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著者プロフィール

和歌山県生まれ。本シリーズの第1作目で産経児童出版文化賞フジテレビ賞受賞。「ファンム・アレース」シリーズ(講談社)「大江戸妖怪かわら版」シリーズ(理論社)など、YA(ヤングアダルト)小説の作家。

「2023年 『妖怪アパートの幽雅な日常(26)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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