- Amazon.co.jp ・本 (339ページ)
- / ISBN・EAN: 9784198936273
作品紹介・あらすじ
春日署に配属された新人刑事の立川くん。彼の教育係になった上司の山崎ぶたぶたさんは、なんと、ピンク色をしたぶたのぬいぐるみだった。立川くんが、びっくりしている間もなく、管内で起きる数々の事件-銀行強盗によるたてこもり、宝石の窃盗、赤ん坊の誘拐-に、ぶたぶたさんは、可愛いらしい容姿で走り、潜入し、立ち向かう。
感想・レビュー・書評
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春日署に配属された新人刑事立川くんは、上司と紹介された山崎ぶたぶたさんに戸惑いを感じる。
だってどう見てもぶたのぬいぐるみなんだ。バレーボールくらいの大きさで、手足の先には濃いピンクの布が貼ってある。目は黒いビーズで、右耳がすこしそっくり返り、黄色いリュックを背負っている。
かわいい。
とてもかわいい。
でも中身は中年男性で、しかも奥さんと子供もいるんだって!?
立川くんは、ぶたぶたさんと事件を担当してゆくことになる。銀行立てこもり事件、宝石窃盗犯、ぬいぐるみへの針混入事件、家庭の居場所を求める小学生のお相手、そしてそれらの根本にあるのは赤ちゃんが自宅から連れ去られた事件。
ぶたぶたさんに関わった人たちは少しずつ変わってゆく。
「ぶたぶた」シリーズ。
前作の短編集は、お話ごとにぶたぶたさんの職業や環境が違っていたけれど、こちらでは1冊通して刑事で、事件も繋がっている。私はこちらのように同じぶたぶたさんでいてくれたほうが読みやすい。
こちらに出てくる事件や人の悩みは切ないものが多い。普通の家族なんだがすれ違ってしまうこと、性同一性障害、昔の友達への申し訳無さ、人間の心理の怖さ…。
ぶたぶたさんは、大型犬に乗ったり、コインランドリーで洗われたり、とんかつ食べて立川くんに「共食い…??」と混乱されたり(先輩刑事に「共食いならぬいぐるみを食べるだろ?ブタ食べたって共食いにはならんだろ」と言われて余計に混乱w)、、とにかくかわいい、かわいい。
起きていることはなかなかシリアスなんだが、ぶたぶたさんや立川くん達刑事たちがいい人たちで緩和してくれている。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ぶたぶたさんは刑事になってもぶたぶたさんだった。
やっぱり大好きだなぁ。
可愛いぬいぐるみだからじゃなくて、ぶたぶたさんだから出来ることがあって、それはみんなが同じ。
お母さんが抱きしめてくれるのを待ってる女の子を助けられる人は一人だけ。
大切な友人にずっと言いたかった言葉を伝えられるのも自分だけ。
どうしたいのか、どうしてほしいのかを、ぶたぶたさんの優しい点目が教えてくれる。
素直な気持ちをするりと引き出してくれる。
こういう人になりたいな。 -
「テッド」の10何年も前にこんな小説があったなんて!しかも日本に。
感情を持つブタのぬいぐるみ、山崎ぶたぶたさんは名字も有れば奥さんも子供もいる。あろうことかオートロック付のマンションに住んでいる。
警察に勤める現役の刑事で部下までいる。つまり人間として認められている。
テッドの遥か先を行っているわけだ。
設定は抜群、軽いノリの文章も軽妙だ。短編の集合体の形を取っているが一応根底に一つの事件があり最後にそれが全部繋がるというミステリーチックな
体裁を取っているが其処はあまり成功しているとは思えない。
設定を楽しむべき小説でしょう。ぬいぐるみだからこそ出来る潜入捜査っていっぱい有るんです!なんたって殆ど置物なんですから。
黙っていたら透明人間と一緒です。なんぼでも続編が描けそうです。が、続編ないみたいですね。なんででしょう?
最後にぶたぶたさんが結婚していると知った部下の立川君の一言。爆笑です。
『ああ、奥さんに会ってみたい。子供がどんな顔をしているのか見てみたい。人間なのか、ぬいぐるみなのか、その中間なのか――中間って何だ?』 -
これは「ぶたぶたシリーズ」第2弾。
ほんと面白い。はまりました。
ぬいぐるみなんだけど、ちゃんとしゃべるし、食べるし、
とても温かい人(ぶた?)です。
第3弾も楽しみ!! -
主人公が可愛らしいぶたのぬいぐるみながら中年男性という設定の、心温まる素敵な物語です。
「春日署に配属された新人刑事の立川くん。彼の教育係になった上司の山崎ぶたぶたさんは、なんと、ピンク色をしたぶたのぬいぐるみだった。立川くんが、びっくりしている間もなく、管内で起きる数々の事件―銀行強盗によるたてこもり、宝石の窃盗、赤ん坊の誘拐―に、ぶたぶたさんは、可愛いらしい容姿で走り、潜入し、立ち向かう。(「BOOK」データベースより)」
「ぶたぶたシリーズ」の主人公は"ぬいぐるみの山崎ぶたぶたさん"。ピンク色のぶたのぬいぐるみなのに動くだけではなくて、歩いて、しゃべって、仕事をしていて、料理が上手な優しい中年男性。綺麗な奥さんと可愛い娘さん二人とで生活していますが、奥さんと娘さんはぬいぐるみではなく普通の人間。
そんな"ぶたぶたさん"と知り合った人々は、心に抱えていた悩みや悲しみが徐々に薄れていき、ぶたぶたさんと知り合ったことで幸せになっていくというストーリー展開がシリーズの中では一貫しています。
今回はぶたぶたさんが刑事だという設定で物語が展開していきますが、主人公のぶたぶたさんの心温まる行動や言動が書かれているだけではなく、赤ちゃん誘拐に関わる謎解きも盛り込まれていてとても面白い一冊になっています。
矢崎存美(やざき ありみ)さんは、星新一ショートショートコンテスト優秀賞を受賞して作家となられた方。「食堂つばめ」など心温まる物語でも短編連作の形が取られていて、さすがに短編がお上手だなと思います。
読んで心温まるぶたぶたシリーズ。心を休めたい時などにもオススメですし、家族で読んでも楽しめるシリーズだと思います。 -
徳間書店ver.のシリーズ第二作。あの愛らしいぶたぶたさんが、なんと刑事に!?殺伐とした犯罪者をふんじばるなんて、あの(軽くてキュートな)ぶたぶたさんに出来るのー?!
と思ったら、いやはや、すごいです、ぶたぶたさん。かなり便利屋扱いで、難事件をスピード解決してます。
なんせ燃やさない限り死なないから(縫えばいいだけだし)、銃を持った相手でもぬいぐるみのふりして(ぬいぐるみだけど)近寄っちゃう。
二児のお父さんでもある(!!)から、非行に走りそうな子どもも(その愛くるしさも相余って)簡単に手なづけちゃう。
何よりその懐の大きさが、すぐに人に心を開かせちゃうんだなー。
それに、これ、一応刑事モノなんだけど、最後があったかい終わり方の話が多いんだ。それに結構救われるの。読後感が好きな作品になりましたね。 -
念願の刑事になった立川が、配属先で紹介された教育係の上司はぶたのぬいぐるみだった!山崎ぶたぶたさん、今回は刑事として登場。ぬいぐるみであることを最大限に活かした活躍、前作同様、楽しさ満載、ジーンとくるところもアリで可愛いやら面白いやら。立川とのコンビも息ぴったりで、今後の作品にも登場するそうなので楽しみです。
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「ぶたぶた」シリーズ初めて読みました。
ぶたぶたさんの可愛いこと!
サクサク進めて読めました。
シリアスだけどどこかくすりと笑わせてくれます。
心温まるハートウォーミングストーリーで終わりも
良かったです。
ぶたぶたさんの他のシリーズも楽しみです。 -
購入したので再読♪ぶたぶたさん、針仕込まれる覚悟で潜入…脱水機に「きゃー」は何回読んでも笑える。鼻をぷにぷに押す仕草もかわいくて仕方ない❤中年刑事なのにな(´▽`)♪