- Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
- / ISBN・EAN: 9784198940805
作品紹介・あらすじ
売れっ子少女漫画家の菊池有栖は、締め切りに追われる毎日。信州の知り合いの別荘を羽根を伸ばしにひとり訪れた。その夜高熱にうなされた有栖は、朝目覚めると自分の周辺の人間関係や細かい物事が少しずつおかしなことになっているのに気づく。昨日までと違うちぐはぐな世界に「ここは私がいたところじゃない!」。それは想像を超えた時空の旅の始まりだった。異色の青春ファンタジー。
感想・レビュー・書評
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1989年の作品
青春ファンタジーΣ(゚Д゚)
もう、笑うしかない
凄いな今野敏さん
今野敏さんが専業作家となられたのが1982年とのこと、先日読んだ『二重標的』が1988年で、これが初の警察小説とのことでした
今野敏試行錯誤期と名付けたい
先日、なにかで今野敏さんのインタビューを読んだんですが、敏さん曰く「小説の書き方が分かってきたのはだいたい100冊目くらいから」だそうです
いや、凄くない?
分かってない状態の作品が100冊も世に出てるってことよ?
名だたる大手出版社さんが利益の見込めないものを出すはずがないので、分かってないのに100冊も商用にのる最低ラインは上回り続けたってことよ?
いや、凄くない?
で、肝心の中身ですが…
今野敏さんの試行錯誤期の青春ファンタジーなんてものが面白いわけないだろ!(言い方) -
僕の大好きなイラストレーターloundraw氏の作品一覧表を見てたら、ふと、違和感のある作家さんの名前が・・・「今野敏」。
loundraw氏の描くイラストは『君の膵臓を食べたい』や『君は月夜に光り輝く』などに採用されたカバーイラストが有名で、透明感のある儚げな女の子を描くのを得意とし、その作品は青春小説や美少女が主人公のファンタジー系、SF系小説のカバーイラストに良く使われている。
「今野敏」は当然知っている、ミステリー好きの読者なら知らない人はいないだろう。『隠蔽捜査』シリーズや『安積班シリーズ』などが有名な警察小説の名手だ。今野敏氏と言えば、シリアス系のミステリーを得意としていて、青春小説やファンタジーを書くというイメージは薄い。
イメージだけで言えば正反対のloundraw氏と今野敏氏、この二人が重なり合う小説ってどんな小説なんだ?
それが本書を手に取った理由。
本書は、ジャンル的に言えば、パラレルワールドミステリアスファンタジーと言えば良いのだろうか。
20歳の売れっ子少女漫画家・有栖は、一人旅に出る。向かった先は長野の知り合いの別荘。そこで一人でいた彼女は高熱を出し、寝込んでしまう。朦朧とする意識の中、彼女はほのかな恋心を抱く15歳年上の担当編集者の西田と自分が書いた漫画のイケメンキャラクター・ビショップへ救いを求める。翌朝、彼女の熱が引き、目覚めてみると、そこにはいるはずのない西田がおり、その世界は彼女の今まで知っていた世界ではなくなっていた。パラレルワールドに異動してしまった有栖は元の世界に帰れるのか。
という感じで、ここから彼女の脱出劇?帰還劇?的な話が始まるのだが、物語は西田とのラブストーリーを展開させて行くのかと思いきやそう簡単にはいかない。パラレルワールドとは何ぞや?的な話が始まり「なんだこれ?理系ミステリー?」と思わせるような話が続いていく。
そうだった。今野敏氏の小説は良い意味でも悪い意味でも読者を裏切ってくるんだった。僕も過去に経験していた。
今野敏氏は、警察小説ってイメージだけど、結構、守備範囲は広い。
自分が読んだことあるものだけでも、宇宙戦争ものを描いた『宇宙海兵隊ギガース』や機動戦士Zガンダムの外伝である『ティターンズの旗のもとに』なんてのもある。しかも、ガンダムの名前からモビルスーツ同士の戦いを期待して読んだ『ティターンズの旗のもとに』なんて、完全に法廷小説だったなんてこともあったし(笑)。
で本書はどうなのかというと、結論的には、全くつまらなかった(笑)。
なにがつまらないって、全部の要素が中途半端。主人公の有栖の可愛らしさも、15歳年上の編集者・西田とのラブストーリーも、パラレルワールドからの脱出方法も、各キャラクターの存在理由も、何もかも中途半端。結局、何がしたかったのか分からない。
ストーリーの筋だけで言ったら、2行で終わってしまう話。極端なことを言えば、最後は有栖の夢オチにした方がまだリアリティがあるんじゃないかって思うくらいだ。
ストーリー自体のアイディアは悪くないんだから、例えば、パラレルワールド同士の有栖が西田をめぐって争うことになるとか、本家の『不思議の国のアリス』の様に他のパラレルワールドへどんどん異動していって有栖の成長を描く話だとか、西田との恋愛にもっと比重を置くとか、いろいろできると思うんだけどねぇ。非常に惜しい・・・。
ただ、この小説で一番良かったのは、表紙のloundraw氏のカバーイラスト(笑)。
読了後、この表紙のイラストを見ると、どのシーンを描いたものか、この時有栖がどんな気持ちでいたのか瞬時に理解できる。さすがloundraw氏。
つまり、この小説自体がこのカバーイラストの為のちょっと長いコピーライティングなのだと思えばすべて丸く収まる(笑)。
まあ、ちょっとボロクソ書いたけど、この作品自体、30年前の1989年に上梓されている古い作品。最初は広済堂出版からで、2010年にPHP文芸文庫から再版され、そしてloundraw氏の表紙イラストがついたものが2016年に徳間文庫から再々版されて現在に至っている。
1989年の本書発表当時は、今野敏氏デビューから11年目。今野氏が警察小説を本格的に書き始める前で、いろいろと模索している途中の作品であるとも言える。こういう物語を書きつつ、得意の警察小説分野に活路を見いだしていったのだなと思うと、それはそれで感慨深い。
と言う訳で、本書だけの評価だったら☆2くらいなのだが、イラストの評価も付けさせてもらい☆3つの評価ということで。え?ぜんぜん、読んだことは後悔なんてしてませんよ。だって、本書の選び方からしてジャケ買いならぬ、表紙イラストから入っているんですから(笑)。30年前の今野先生の作品を普通に読めるのだから、今は良い世の中ですね。 -
著者初期時代、警察小説で名を成す前の時代に書かれたものですね。まぁ、特に可もなく不可もなくといったところで、とりたててここに書きつけるべきものはありません。今野敏の数ある著作を網羅するつもりで読んだもの。
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タイトルをみて手に取った
良いとも悪いとも
星2.5くらいと感じた -
市図書館にて。
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2017.06.18
警察小説の今野敏が好きで、自分がSF好きだから読んだがいまいちだったなぁ。期待し過ぎたのかもしれない。 -
二十歳の女子の会話か、それ。
漂う昭和臭。おっさんばっかりの警察小説だと気づかんかったけど、この表紙でこれはキツい。巻末の著者近影がだめ押し。「えー、こんなおっちゃんがこれを書いたの?!」的なギャップもなく、「あー、なるほど」と納得しかない。
仕方ない。警察小説でも読もう。
いや、けどこれは読まないですよ!w(失礼)
いや、けどこれは読まないですよ!w(失礼)
もう表紙からして罠
もう表紙からして罠
ファンなら積極的に!
って、いくかーい!
この表紙、ついでにこのタイトル!
絶対に罠!
いくかーい!٩(๑`^´๑)۶
ファンなら積極的に!
って、いくかーい!
この表紙、ついでにこのタイトル!
絶対に罠!
いくかーい!٩(๑`^´๑)۶